デザート・ロックのパイオニアであるKyussが90年代半ばに活動を休止したのち、ギタリスト/ヴォーカリストのJosh Hommeはすぐに新バンドの結成を模索し、生まれたのがQueens of the Stone Age(QOTSA)です。メンバーの入れ替わりはあったものの、Hommeのユニークなサウンドと演奏スタイルは常にバンドの中心となっていました。そして2002年11月、QOTSAは3枚目となるアルバム「Songs for the Deaf」と、その中の一曲「No One Knows」の大ヒットによってシーンを大きく切り開きました。
楽曲について
「No One Knows」がヒットした2003年はニュー・メタルの全盛期であり、彼らのサウンドは当時、他のどの音楽にも似ていないユニークなものでした。独特のドライブ感、抑制が効きながらもカオティックなサウンド、耳に残るファルセットのメロディーが、この曲に魅惑的なスウィングをもたらしています。かくして「No One Knows」は大ヒットし、バンド初の米国ビルボード・HOT100にチャートインしたシングルとなり、全米オルタナティヴ・チャートのトップに輝き、そしてグラミー賞にノミネートされたのです。この曲は、一聴しただけではシンプルで荒っぽいロック・ミュージックですが、それこそがHommeたちが登場した時代に欠けていた音楽だったのです。
さらに詳しく
「No One Knows」におけるHommeのギターがモダン・ロックに与えた衝撃を説明するのは難しく、そのプレイは革新的であると同時に古典的でもあります。数え切れないほどの子供たちが「これなら自分にもできるかも」とギターを手にするきっかけとなった曲ですが、実際には弾きこなすのが難しい巧みなテクニックが隠されています。
「独特のドライブ感、抑制が効きながらもカオティックなサウンド、耳に残るファルセットのメロディーが、この曲に魅惑的なスウィングをもたらしています」
この曲へのアプローチに必要なものは、2音下げ(1弦から6弦まで:C、F、A#、D#、G、C)チューニングのギターと、ファズに近いオーバードライブを使った荒々しくファットなトーンの2つです。そこに3種類のコード進行、オクターブ奏法、硬質でブルージーなフィルを組み合わせていきます。
演奏のコツは、楽曲を通して粘ついたグルーヴを維持することです。コード・ストロークにはパンチの効かせたアタック感が必要ですし、特徴的な重音によるメロディーではそれぞれの音をはっきりと鳴らすことが重要ですが、何よりもそれらのテクニックを駆使しながら、あたかも難しいことをしていないかのように弾きこなすことが求められるのです。
テクニックを学ぼう
Marty Music Channelのビデオで、この曲のコード進行や奏法などを解説しています。演奏に必要なテクニックを一通り身につけた上で、一旦それらを忘れ、ギターを握り純粋にロックすることがいかに重要かを学ぶのに、この曲は良い教材となります。またMartyは動画の中で、この曲のために制作されたBOSS KATANA Amp音色パッチも紹介しています。
「型にはまったハイゲイン・サウンドが支配的だった時代に、このパワフルでざらついたサウンドは、オーバードライブ・トーンの新時代を切り開きました」
この音色パッチは「No One Knows」のダーティなサウンドを再現しています。型にはまったハイゲイン・サウンドが支配的だった時代に、このパワフルでざらついたサウンドは、オーバードライブ・トーンの新時代を切り開きました。このパッチから、偉大なロック・サウンドのひとつの形を学ぶことができるでしょう。
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・BOSS KATANA Amp用音色パッチ「Someone Knows」
- Queens of the Stone Age「No One Knows」のサウンドを再現した音色パッチ