Pedal Partners:トレモロと他のエフェクターを組み合わせましょう

Pedal Partners:トレモロと他のエフェクターを組み合わせましょう

シンプルなペダルの組み合わせによって、トレモロは新鮮かつ印象的な音色を完成させる、画期的なアイデアを生み出します。

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ペダルボードを可能な限りまで活用したいギタリストにとって、トレモロと他のペダルとのシンプルな組み合わせが新鮮かつ印象的な音色を完成させる、画期的なアイデアを生み出します。また、トレモロは繊細かつ深みのあるエフェクトで、歴史上最も愛されてきたギター・トーンを再現できるクラシックなペダルです。伝統的な組み合わせ方法や異なるペダル配置で素晴らしい結果を生み出す、トレモロの魅力を紹介します。

トレモロと他のエフェクトを併用する

トレモロは特殊なエフェクトで、一見すると応用範囲が狭いように思えます。基本的なトレモロの効果は、リズミカルな音量の変化です。そしてユーザーが操作できるのは、その振幅のRATEとDEPTHのみです。しかし、トレモロはシンプルだからこそ、汎用性が高いと言えます。

BOSS TR-2のようなトレモロ・ペダルは、他の多くのエフェクトと組み合わせながら、ペダルボード上で配置を変えて使用することができます。多くの場合、トレモロは他のペダルの前と後のどちらに置くかによって、異なる効果を生み出します。歪み系、オクターブ・ペダル、ピッチ・エフェクト、コンプレッサーの後、ディレイやリバーブなどの空間系エフェクトの前にトレモロを配置するのが一般的です。

PEDAL COMBINATIONS

オーバードライブ

オーバードライブとトレモロは、太くて幻想的なギター音を生み出す、シンプルかつクラシックな組み合わせです。激しく歪んだコード進行に適度な速度のトレモロを加えると、ピックのアタックがマスキングされ、無限のサステインがあるような錯覚に陥ります。Billie Joe Armstrongがこの方法を見事に取り入れており、Green Dayの”Boulevard Of Broken Dreams”でそのサウンドを聞くことができます。

同じような効果を作るには、トレモロ・ペダルをオーバードライブの後に配置します。次に、トレモロのRATEを12時の方向に、DEPTHを3時の方向に設定します。パルスの速さは、安定したリズムを作るには速すぎず、そしてピック・アタックを隠すには遅すぎず絶妙な設定を目指してください。この組み合わせは、コード進行にオルガンのようなサスティンを作り出します。

おすすめのペアリング

  • BOSS TR-2 × DS-1W 
  • BOSS TR-2 × BD-2W   

トレモロとファズを逆転させましょう

トレモロとファズの組み合わせは、あまり主流ではありませんが、意外と役立つアイデアです。この場合、ファズよりもトレモロを優先させる必要があることを忘れないでください。ファズはペダルボードの最初に配置するエフェクトという認識をしている人は多いでしょう。しかし、この逆転の発想がスリリングな音色を生み出すカギとなります。

ここでは、トレモロのRATEを比較的早く、DEPTHを12時付近に設定します。ファズはコンプレッサーのように作用し、トレモロのリズミカルな音量変化を均等にします。一方でトレモロが、ファズのGAINをリズミカルに変化させ、音色の飽和度を上げるような効果を生み出します。この組み合わせはシンプルなベース・ラインや、ドロップ・チューニングのギター・パートを、シンセサイザーのような音色に変えます。

おすすめのペアリング

  • BOSS FZ-1W × TR-2  

「ファズはコンプレッサーのように作用し、トレモロのリズミカルな音量変化を均等にします」

FZ-1W

リバーブ

トレモロの魅力を最も引き出すのは、リバーブとの組み合わせです。Rock ‘n’ Rollの台頭から、メーカーはこの2つのギター・エフェクトをアンプに組み込んできました。ブルース、カントリー、ソウル、インディー・ロックのバラードなど、トレモロの心地よい揺らぎと温かみのあるリバーブ・エコーを掛け合わせることで、時代を超えたラグジュアリーなギターの音色を奏でることができます。

Otis Reddingを代表するソウルのヒット曲、“A Change Is Gonna Come”を聞いてみましょう。この曲はクラシックなスプリング・リバーブに包まれた瞑想的なトレモロ・ギターを見事に体現しています。まず、トレモロをリバーブの前に配置します。そしてRATEを真ん中に設定し、DEPTHを比較的少なめに設定します。リバーブ・ペダルはスプリング・モードにして、LEVELとTIMEを高めに設定します。シンプルな組み合わせですが、瑞々しいエフェクトが完成します。

おすすめのペアリング

  • BOSS TR-2 × RV-6 

トレモロとリバーブを逆転させましょう

トレモロとリバーブを象徴する音色は、ペダルの配置を逆にしても同じように機能します。リバーブの後にトレモロを置くと、リズム感を残したまま、宇宙空間をイメージさせるアンビエント・サウンドスケープの音色が仕上がります。

また、この順番でリバーブ・ペダルをさらに踏み込んでください。リバーブのエフェクトが大きい音量の状態で効果的に機能し、アンビエント、モジュレーション、シマー・スタイルのモードでも格別な音色を奏でます。リバーブのTIMEは極限まで長く設定してください。独特なリバーブのサスティンがアンビエントらしい音の壁を作り、鋭くカットされたリズミカルなサウンドを生み出します。

「トレモロの心地よい揺らぎと温かみのあるリバーブ・エコーを掛け合わせることで、時代を超えたラグジュアリーなギターの音色を奏でることができます」

トレモロは適度なRATEに設定し、DEPTHを時計回りに回しきります。BOSS TR-2の場合、WAVEノブを矩形波モードに向けて時計回りに回し切ります。そうすることで、全身で感じられるアンビエントの質感と、曲のビートに合わせることができるリズミカルな効果が得られます。これは、他のパートのリズミックなバッキングとして使うことも可能です。

おすすめのペアリング

  • BOSS TR-2 × RV-6 
RV-6

音色を拡張し活性化する、ユニークなエフェクト

これまで、トレモロはソウルやブルースだけに使われる古めかしいエフェクトとして扱われてきました。しかし、このペダルは想像以上の可能性を秘めています。他のエフェクトと組み合わせることで、トレモロはシンセのようなパルスから音域を変えたアンビエントまで、あらゆる音色を作り出します。汎用性が高く、設定も簡単でエフェクト・チェーンの中での配置によって魅力的なエフェクトを完成させます。あらゆるギタリストの音色を拡張し、活性化させるシンプルなツールとして、ギタリストにとって必要不可欠なペダルです。

Joe Branton

JoeはポッドキャストGuitar NerdsのMCを務め、10年間に渡って毎週放送を続けてる世界で最も配信を行っているギタリストの一人です。