ディレイ・ペダルをペダルボードに導入することは、素晴らしい選択であり、あなたも世界中のミュージシャンの仲間入りです。現在、BOSSには12種類のディレイ・ペダルがあり、DM-101、SDE-3000EVH、SDE-3000D、DD-200、DD-3T、DD-500、DD-8、DM-2W、RE-2、RE-202、TE-2です。尚、マルチエフェクターと旧モデルは除いています。
BOSSのディレイ・ペダルには様々なスタイルがあるので、それぞれのディレイの特徴を見ていきましょう。フィードバック、レベル、タイムなどの用語を使うため、ディレイの世界に慣れていない方はディレイ・ペダル用語集で定義を確認してください。ディレイ・ペダルの違いを学んで、自身の音色と演奏スタイルに相応しいBOSSのディレイを選びましょう。
DD-3TとDD-8を比較する
DD-3TとDD-8の主な違いは、DD-3Tは3つのタイム・モード、800msのループを搭載していますが、基本的にディレイ・サウンドは3つのモード共通です。対照的に、DD-8には基本的なデジタル・ディレイからビンテージ・エコー、シマー、モジュレーション、+RV(ディレイ+リバーブ)など10種類のディレイ・モードがあります。また、付点設定、40秒のルーパー、10秒のロング・ディレイも可能です。
ペダルボードで場所を取らないコンパクトなディレイ・ペダルとしては、DD-3TとDD-8の両方が理想的です。どちらもディレイ・タイムを指定できるタップ・テンポ機能を搭載しています。正確なディレイ・タイムを設定したい場合は、DD-3Tが最適です。SHORT(12.5ms~50ms)、MEDIUM(50ms~200ms)、LONG(200ms~800ms)のディレイ・タイムを選ぶことができます。DD-8は、TIMEノブをひねって最適な時間を見つける必要があります。多彩なディレイ・サウンドを求める場合はDD-8が相応しいですが、シンプルでスタンダードなデジタル・ディレイを求める場合はDD-3Tがおすすめです。
DD-3Tが向いているプレイヤーとは?
DD-3Tは、余計なものが一切ない、シンプルで信頼性の高いデジタル・ディレイを求めるミニマリストなギタリストと相性が良いです。シンプルで使いやすく、それでいてタップ・テンポのオプションも欲しいという方は、チェックしてみてください。ちなみに、Guns N’ Rosesの SlashもDD-3Tを使用しています。
DD-8が向いているプレイヤーとは?
DD-8は、様々なディレイのテクスチャーや音色を探求する実験的なギタリストに手に取って欲しいペダルです。内蔵のルーパーと複数のディレイ・モードにより、音を重ねたり、サウンドスケープを作るのが可能です。また、トラックを構築したいシンガー・ソング・ライターにもおすすめ。驚異的なシマーとリバーブ付きの+RV-デジタル・ディレイは、素晴らしい追加機能です。
「DD-8は、様々なディレイのテクスチャーや音色を探求する実験的なギタリストに手に取って欲しいペダルです」
DD-200とDD-500を比較する
BOSS DD-200とDD-500の主な違いは、DD-200の方がコンパクトなデザインであることです。また、12種類のディレイ・モード(専用のPad Echoを含む)、最大10秒間のディレイ・タイム、60秒間の録音が可能な内蔵ルーパーを搭載しています。DD-500はフラッグシップ・モデルとして、ヴィンテージ・ディレイ(DD-200にはない)を含む12種類のディレイ・モード、最大10秒のディレイ・タイムを備えています。また、120秒のフレーズ・ループ・レコーディング、グラフィックLCD、ディープ・エディット、カスタマイズ可能なコントロール・セッティングも魅力のひとつです。
さらにDD-500では、2つの異なるディレイを同時に動作させ、別々のフットスイッチに割り当てることができます。つまり、ペダル上で2つの異なるディレイを同時に使用したり、片方をオフにして、音色を切り替えることができるのです。DD-200もデュアル・モードを搭載していますが、同時に使用のみで片方だけをオフにすることはできません。
DD-200は全てのコントロールがフロントパネルにあり、メニューが合理化されているのに対し、DD-500は4バンドEQを搭載し、より深いレベルのパラメーターを編集できます。DD-200には、DD-500にはないディレイ・モードが付いており、ドラム・エコーとパッド・エコーが挙げられます。DD-500は、John Fruscianteのようなアーティストに愛されたSG-1 Slow GearにインスパイアされたFilterとSlow Attackディレイも搭載しています。
DD-200が向いているプレイヤーとは?
コンパクトで操作しやすいペダルでありながら、幅広いディレイ設定(127のユーザー・メモリー)を必要とする演奏を行うミュージシャンにおすすめです。直感的なインターフェイスにより、音をその場で簡単に切り替えることができます。さらに、電源を入れてロック・アウトしたいデジタル・ディレイ・ペダル・ユーザーにとって、取り入れやすいペダルです。
DD-500が向いているプレイヤーとは?
DD-500は、ダッキングやフィードバックの減衰に至るまで、ディレイのあらゆる側面をカスタマイズするのが好きなプレイヤー必見のツールです。また、1台のペダルで複数のディレイ・モードをアクティブにして使いたい人にとっても魅力的なペダルとなるでしょう。豊富なエディット・コントロールは、デジタル・ディレイを細部までコントロールしたいギタリストにとって夢のような機能です。どちらもステレオやMIDI機能など、複数の接続機能を備えています。
「DD-500は、ダッキングやフィードバックの減衰に至るまで、ディレイのあらゆる側面をカスタマイズするのが好きなプレイヤー必見のツールです」
RE-2とRE-202を比較する
RE-2とRE-202は、どちらもRoland Space Echoをモデリングしています。コンパクト・エフェクターであることに加え、RE-2は11のディレイ・モードを搭載。また、テープ・モジュレーションのWOW & FLUTTERコントロール、特殊なTWISTエフェクト、タップ・テンポも備えています。RE-202は、MIDI接続、サチュレーション・コントロール、選択可能なテープ・コンディション、WARPエフェクト、5つのリバーブ・バリエーションを搭載。さらに、4つのオンボード・メモリーに加え、MIDIを使用すれば計127メモリーを切り替え可能です。様々なテープ・ヘッドの組み合わせに対応する12ポジションのモード・セレクターと、RE-2よりも延長されたディレイ・タイムも特徴的な追加機能です。
RE-202では、キーボードやシンセなどのライン入力の楽器を使用することが可能です。また、温かく太いRE-201のプリアンプの音色か、DSPを通らないアナログ・ドライ信号のどちらかを選択できます。
RE-202は、RE-201のオリジナル・スプリング・リバーブ・サウンドのステレオ・バージョンも搭載しています。RE-2との大きな違いは、ホール、プレート、ルーム、アンビエンス・タイプも搭載されているところです。どちらもRE-201の音色をペダルボードで簡単に使いたい方におすすめです。
RE-2が向いているプレイヤーとは?
まず、The VerveやPink Floydのアルバムに収録されているRE-201 Space Echoのサウンドは好きでしょうか?またペダルボードのスペースが限られており、MIDIやデジタル接続をする必要はありませんか?RE-2は、ヴィンテージ・スペース・エコーの音色を好む現代のギタリストに相応しいモデルな上に、現在のBOSSペダルの信頼性と機能を兼ね備えています。タップ・テンポはディレイ・タイムを足元でリアル・タイムにコントロールしたい人に便利な機能です。また、シンセやエレクトリック・バイオリンなどの演奏者にとっても、魅力的なディレイ・ペダルのひとつです。
RE-202が向いているプレイヤーとは?
RE-202は、本格的なスペース・エコーの音色と現代的なMIDIコントロールを求めるテープ・エコー愛好家におすすめです。複数のディレイ・モードをペダルに保存したい場合は、127のメモリー・バンクを使用できます。RE-202は、プログラム性、精度、メモリーの呼び出し、リバーブ機能を備えた温かなアナログ・エコーを求めるプレイヤーのためのペダルです。ペダルボードに収まる本物のRE-201に最も近い製品と言えます。
「RE-202は、本格的なスペース・エコーの音色と現代的なMIDIコントロールを求めるテープ・エコー愛好家におすすめです」
SDE-3000D、RE-202 Space Echo、DM-101 Delay Machineを比較する
全く異なるペダルですが、この3つは共通して大型のマルチ・ディレイ・ユニットです。一方で、SDE-3000D Digital Delay、RE-202 Space Echo、DM-101 Delay Machineは、それぞれユニークな音色を持ち合わせています。SDE-3000Dは、定評あるRoland SDE-3000ラックマウント・ユニットのクリアかつウォームな音質を踏襲したデジタル・ディレイ・ペダルです。The EdgeやVan Halenなどが使用したラックマウント型のディレイサウンドを求める方は、ぜひ試してください。また、ディレイ・タイムは3000msと最長で、2系統のSDEディレイを直列にも並列にも接続できます。
同じくデジタル・ディレイのRE-202 Space Echoは、伝説的なRoland RE-201 Space Echoテープ・ディレイのサウンドをかつてないほど忠実にモデリングしています。Pink Floyd、Boards Of Canada、The Verveでお馴染みの、確かなエコー・サウンドとヴィンテージの温かさを鳴らします。また、11種類のディレイ・モードとオンボード・リバーブを搭載しています。
主要な相違点
DM-101 Delay Machineは、12種類のディレイ・モードとアナログBBD回路の温かみを詰め込んだ、唯一のアナログ・ディレイ・ペダルです。他の製品との最大の違いは、DM-101が複数のスタイルのアナログ・ディレイ・サウンドを備えているという点です。アナログ・ディレイの個性とニュアンスはそのままに、MIDI接続と127のユーザー・メモリーという柔軟性を備えています。
SDE-3000をフロア型ペダルで本格的に再現したい場合は、SDE-3000Dを手に取ってみてください。複数のスペース・エコー・サウンドが必要なら、RE-202が良いでしょう。最後に、ヴィンテージスタイルのディレイを多数求めるなら、DM-101ディレイ・マシン一択でしょう。
「SD-3000Dは、3000msという長いディレイ・タイムを持つ80年代スタイルのディレイを求めるプレイヤーのためのモデルです」
SDE-3000Dが向いているプレイヤーとは?
SDE-3000Dは、3000msという長いディレイ・タイムを持つ80年代スタイルのディレイを求めるプレイヤーのためのモデルです。また、2系統のディレイは直列または並列で動作でき、それぞれのディレイを異なる出力に送ることができます。80年代のメタルやシンセのサウンドが好きで、2台以上のアンプを一緒に使っている方には、最適なディレイ・ペダルの1つです。
RE-202 Space Echoが向いているプレイヤーとは?
テープ・ディレイ・ファンならRE-202は必見のペダルです。テープ・ディレイの音を忠実に再現し、使い古され劣化したテープのサウンドも完全に再現できます。サイケデリック・ロックやヴィンテージ・ブルースなどのジャンルと相性が良いです。
DM-101 Delay Machineが向いているプレイヤーとは?
DM-101は温かさとシンプルさ、そしてアナログ・ディレイの予測不可能なニュアンスを重視するプレイヤーにおすすめです。究極のアナログ・マルチ・ディレイ・ペダルです。
もちろん、ペダルにはそれぞれ個性があります。演奏者のスタイルやジャンル、好みのサウンドによって、相性の良いペダルは変わります。しかし共通して、複数のディレイ・モードを一緒に使うことができ、プリセットを保存して後から呼び出すことができます。
SDE-3000D Digital DelayとSDE-3000EVH Dual Digital Delayを比較する
SDE-3000D Dual Digital DelayとSDE-3000EVH Dual Digital Delayの主な違いは、搭載のプリセット・サウンドです。SDE-3000Dは、名高いラック・タイプのSDE-3000を再現した高品位なデジタル・ディレイを鳴らします。一方、SDE-3000EVHはEddie Van Halenが監修したカスタム・プリセットを搭載しており、彼の特徴的なディレイ・サウンドを見事に模倣することができます。
SDE-3000Dは、象徴的なSDE-3000ユニットを再現し、プリセットを作成する余地のあるデジタル・ディレイを求めるギタリストのためのペダルです。また、SDE-3000Dには100のユーザー・メモリーが搭載されています。SDE-3000EVHは92のユーザー・メモリー、8つのEVHプリセット、クラシックなEVHのストライプとロゴを搭載しています。独自のI/Oにより、ウェット・ドライ・ウェット出力の設定が可能です。
SDE-3000D Digital Delayが向いているプレイヤーとは?
ラック・タイプのSDE-3000を彷彿とさせる高品質なデジタル・ディレイを求めるギタリストのための機材です。汎用性の高い2つのデジタル・ディレイと、様々な音楽シーンに対応できる接続性を求める方におすすめです。
SDE-3000EVH Dual Digital Delayが向いているプレイヤーとは?
SDE-3000EVHは、Eddie Van Halenの象徴的なディレイ・サウンドを手に入れたいプレイヤー必見のペダルです。ロック・ギタリストやEVH愛好家は、ぜひ試してみてください。複数のアンプを使用し、EVHの有名な音色に近づけたいのであれば、このペダル一択です。
「SDE-3000EVHは、Eddie Van Halenの象徴的なディレイ・サウンドを手に入れたいプレイヤー必見のペダルです」
TE-2 Tera EchoとDM-2Wを比較する
この2つのペダルの大きな違いは、Tera Echoがデジタル・エコー・ディレイであるのに対し、DM-2WはアナログのBBD(Bucket Brigade Device)を使用しているという点です。Tera Echoは多次元処理を使用したデジタル・ディレイで、独特なアンビエント・エコー効果を生み出します。RE-2のような音のさえずりはなく、より変調感が強いのが特徴です。TE-2にはフリーズ機能と、信号の明るさを変えるトーン・ノブが追加されています。
DM-2W DelayはBBD回路を使用して、クラシックなDM-2のビンテージ感溢れる音を再現したアナログ・ペダルです。さらに最大800msのディレイ・タイムでよりクリアなサウンドが特徴のカスタム・モードも搭載されています。また、REPEAT RATE(ディレイのスピード)、ECHO(リピートの音量)、INTENSITY(リピートの回数)を簡単に操作できるのも特徴的です。
伝統的なアナログ・ディレイの温かさと個性に魅了されるギタリストにおすすめするなら、DM-2Wでしょう。TE-2は、ピッチの揺らぎにより特徴的なエコー・ディレイ・サウンドを求める方に最適です。
TE-2 Tera Echoが向いているプレイヤーとは?
TE-2はレーザー銃のようなディレイやエンベロープ・フィルターのような音を実現できる、スペイシーな音色が特徴的です。また、このペダルにはユニークなHOLD/Freeze機能が搭載されており、ペダルに足を踏み込んでいる限り、音やコードをサステインし続けることができます。つまり、ペダルが自己発振している間にコードを重ねて演奏することができ、まるで2本のギターが演奏しているかのような音を鳴らすことができます。
DM-2Wが向いているプレイヤーとは?
史上最も素晴らしいディレイ・ペダルの1つ(DM-2)をベースにした飾り気のないアナログ・ディレイなら、DM-2Wが最良の選択と言えます。800msのディレイ・タイムとクラシックなBBDを備え、リピートが続くにつれて温かく、ニュアンスが増していきます。また、ディレイ・タイムが20~300 msのSTANDARDと、800 msのCUSTOMの2つの異なるモードが搭載されています。ギターやアンプの音をすでに気に入っていて、音に深みをもたらす豊かなアナログ・ディレイを楽しみたい方は、ぜひこのペダルを試してください。
「TE-2はレーザー銃のようなディレイやエンベロープ・フィルターのような音を実現できる、スペイシーな音色が特徴的です」
DD-3T Digital DelayとDM-2W Delayを比較する
DD-3Tは3つのディレイ・モードと12.5msから800msのタイム・レンジを備えたデジタル・ディレイ・ペダルです。使いやすいコントロール、タップ・テンポ、ミリ秒単位での即時リコールなど、信頼性の高いデジタル・ディレイを求めるギタリスト向けのペダルです。トーンに色をつけず、リピートしても劣化しません。
DM-2W DelayはBBD回路を使用し、温かいヴィンテージ感あるディレイ・サウンドを実現したアナログ・ペダルです。このスタイルのディレイには微妙なニュアンスがあり、リピートもデジタル・ディレイに比べ正確ではありません。実際、これがこのペダルの魅力と言えます。STANDARDとCUSTOMの2つの独立したディレイ回路を搭載し、20msから800msのディレイ・タイム・レンジを提供します。伝統的なアナログ・ディレイの温かみと深み、そしてヴィンテージ・ディレイ・サウンドを求めるギタリストにとって、最高なペダルです。
DD-3T Digital Delayが向いているプレイヤーとは?
瞬間的なタイム・セレクトとタップ・テンポを内蔵したデジタル・ディレイを探しているなら、このペダルを試してください。手間いらずで使いやすく、箱から出してすぐに素晴らしいデジタル・ディレイを鳴らすことができます。
DM-2W Delayが向いているプレイヤーとは?
アナログ・ディレイのニュアンスや繊細さが好きで、タップ・テンポなしで最大800msのディレイが必要な場合は、DM-2Wがおすすめです。DM-2Wは箱から出してすぐに美しいアナログ・ディレイを得ることができ、BBDの特徴である音色の質により、ディレイの使い方を変えることができます。
「アナログ・ディレイのニュアンスや繊細さが好きで、タップ・テンポなしで最大800msのディレイが必要な場合は、DM-2Wがおすすめです」
全プレーヤーのためのディレイ・ペダル
BOSSのディレイ・ペダルは、あらゆるニーズに対応しています。1つのコンパクト・エフェクターで複数のサウンドを鳴らしたい場合は、DD-3T、DD-8、TE-2を。デジタルを好み、高度なプログラマビリティが必要な場合は、DD-200、DD-500、SDE-3000D/EVHペダルを手に取ってみてください。ヴィンテージ・スタイルのディレイが好みの方は、RE-2、RE-202、DM-101、DM-2Wが理想的なペダルとなるでしょう。もちろん、ボードに複数のディレイ・ペダルを並べて、デジタルとアナログを一緒に楽しむこともできます。自由にミックスして、音の可能性を広げてください。