BOSSのフラッグシップであるマルチ・エフェクター「GTシリーズ」は、アンプとエフェクトをひとつに融合した完全なソリューションとして、1996年以来、プロの演奏やレコーディングを支え続けています。最先端のエフェクトとアンプ・シミュレーション、多彩なルーティングの選択肢と、パワフルかつ充実した編集ツールを備えているのが特長です。この完全ガイドは、BOSS GTシリーズの持つ可能性を知りたいギタリストやベーシスト必読です。
セッション・ワークにおける一貫性のある柔軟なシステムを探している場合も、手間のかからない録音方法を求めている場合も、またはプロフェッショナルなライブ用ツールを必要としている場合も、GTシリーズはBOSSの長年にわたるエンジニアリングと音作りの歴史を結集した最先端の存在です。本ガイドでは、GTシリーズの簡単な歴史、BOSSの他のマルチ・エフェクター、ペダルの主要機能、そしてユーザーがGTシリーズを最大限活用するための操作性やより理解を深めるための情報を紹介します。
マルチ・エフェクターとは?
マルチ・エフェクターは、複数のエフェクトを1つのユニットに統合したものです。通常、個別にエフェクトを操作するためのフットスイッチや、音色を一度に切り替えるメモリー機能を備えています。これにより、単体のコンパクト・エフェクターを並べたペダルボードと同じように、個別または同時にエフェクトをコントロールすることができます。
コンパクト・エフェクターの代わりにマルチ・エフェクターを使用する利点は数多くあります。マルチ・エフェクターは、通常省スペースです。ペダルボード上で他のエフェクトと併用する場合も、完全なオールイン・ワンのソリューションとして使う場合も、移動や収納、ステージでの使用がより便利になります。重量があり、壊れやすいペダルボードを持ち運ぶ必要がないため、ツアーの移動にも最適です。
「ペダルボード上で他のエフェクトと併用する場合も、完全なオールイン・ワンのソリューションとして使う場合も、移動や収納、ステージでの使用がより便利になります」
マルチ・エフェクターのもうひとつの大きな利点はコストです。単体購入としては高価に見えるマルチ・エフェクターですが、個別のコンパクト・エフェクターやパッチ・ケーブル、電源、そしてペダルボードそのものを揃えることに比べれば、より手頃な手段と言えます。これは、たまにしか使わないエフェクト・タイプを試したいとき、追加で購入する必要がないという点でもおすすめです。
さらに、マルチ・エフェクターの最も魅力的な利点のひとつは、その多様性です。現代のマルチ・エフェクターには、ファズやディレイ、リバーブなど、膨大な種類のエフェクトが含まれています。また、幅広いアンプやキャビネットのモデリングも備えているため、フットスイッチを踏むだけでさまざまなセッティングを簡単に切り替えることができます。豊富な音色の選択肢は、音作りへの探求心や、ひとつのユニットで複数のジャンルやバンド、演奏状況に対応する力を与えてくれます。
BOSS GT、GX、MEシリーズの違い
BOSSのマルチ・エフェクターは、GT、GX、MEという3種類のシリーズを展開しています。それぞれ独自の主要機能を持ち、ギター・エフェクト市場において異なる役割を担っています。
MEシリーズは、ユニット前面の多数のノブを操作して直感的に扱えるシンプルなマルチ・エフェクターです。BOSSのマルチ・エフェクターの中で最も手頃で基本的なシリーズと言えます。
GXシリーズは、モダンなタッチ・スクリーン操作を採用したペダルで、エフェクト・チェインの構築やコントロール設定を素早く、簡単に行えるよう設計されています。このシリーズは、170種類のBOSSエフェクトとAIRDアンプ、キャビネット・シミュレーションを搭載し、アンプがなくても、録音、練習、ライブをすべてこなせる充実した仕組みを備えています。
GTシリーズは、BOSSの中で最も包括的でプロフェッショナルなマルチ・エフェクターです。AIRDアンプ、キャビネット・シミュレーションや膨大なBOSSエフェクトを網羅し、MIDI機能の活用やコントロール・パラメーターの割り当て、無限に近い切り替え方法を可能にするなど、高い操作性と汎用性を誇ります。さらに、2系統のステレオ・アウトプットと2つのFXループを備えた柔軟な入出力により、接続性も強化されています。
「GTシリーズは、MIDI機能の活用、コントロール・パラメーターの割り当て、無限に近い切り替えを可能にします」
BOSS GTシリーズの歴史
BOSS GTシリーズは1996年のGT-5をもって初めて登場しました。当時、ひとつのフロア・ユニットで完全なエフェクトとアンプ・シミュレーションを提供するという発想は新しく、GTのリリースはギター用マルチ・エフェクターの新時代を切り開き、ギタリストの音作りと創造性の可能性を大きく前進させました。
GT-5と、その2年後に発売されたGT-3は、複数のデジタル・エフェクトやアンプ、キャビネット・シミュレーションを組み合わせた、当時としては画期的なユニットでした。BOSSのデジタル・プロセッシング技術であるCOSMを初めて搭載し、現在の基準から見ればシンプルではありますが、包括的なコントロールや緻密な音作り、パッチ構築を可能にしました。
2001年のGT-6、2005年のGT-8では、GT-5やGT-3のボタン操作式メニューに加え、直感的に操作できるノブが初めて導入されました。さらにCOSMアンプ・モデリングやエフェクト・ブロックの複製機能が加わり、複数の歪みを重ねたり、複数のディレイを同時に使ったりすることが可能になりました。
2008年に登場したGT-10は、ノブを減らしてボタン操作中心の設計になり、デュアル・パラレル・チェインやデュアル・パラレル・プリアンプ、USBオーディオ/MIDIポート、ルーパーを初めて搭載しました。
2012年には業界をリードするGT-100が登場し、COSMアンプ・モデリングが強化され、瞬く間にギター用マルチ・エフェクターの標準機となりました。このプラットフォームは2014年と2016年にGT-001、GT-1へと展開され、GT-100と同じ処理能力と機能を備えた小型ユニットが登場しました。
こうした進化を重ねた結果、現在のGT-1000とGT-1000 COREが誕生しました。これらはBOSSがこれまでに作り上げた中で最も先進的で、創造的かつ多用途なフラッグシップ・マルチ・エフェクターです。
BOSS GTシリーズの主な機能
革新的なAIRD(Augmented Impulse Response Dynamics)テクノロジーを搭載し、真空管のようなトーンとレスポンスを実現。数十年にわたるBOSSの研究と、業界最高水準の32bit/96kHz処理を組み合わせたGT-1000は、緻密な音作りとカスタマイズを求めるプレイヤーにとって瞬く間に人気の機種となりました。
また、幅広いBOSSエフェクトを搭載し、柔軟なルーティングやリアルタイム・コントロールが可能です。さらに内蔵Bluetoothにより、専用アプリ「BOSS TONE STUDIO」を通じてモバイル・デバイスからワイヤレスで設定を調整でき、これまでにない操作性と即時性を提供します。
GT-1000は6つのコントロール・ノブ、10のフットスイッチ、ユーザー設定が可能なLEDカラー付きのエクスプレッション・ペダルを備えており、さらに外部フットスイッチやエクスプレッション・ペダル、MIDI、USBを通じて操作性を拡張することもできます。
ペダルの出力端子には、標準端子のMAIN OUTとXLRのSUB OUTがあり、プレイヤーは異なるエフェクト、アンプやキャビネット・シミュレーション、ステレオ設定を同時に、独立して割り当てることができます。クリエイティブな接続が可能です。
GT-1000に加え、GT-1000COREは3つのフットスイッチを備えたコンパクトな筐体で同様の処理能力、機能性、柔軟性を提供します。既存のペダルボードやフライ・リグに、エフェクト処理や高度なアンプ、キャビネット・シミュレーションの汎用性を統合したいプレイヤーに理想的です。
「GT-1000COREは、3つのフットスイッチを備えたコンパクトな筐体で同じパワー、機能性、柔軟性を提供します」
BOSS GTシリーズのマルチ・エフェクターを使用する利点
BOSS GTシリーズは、最も先進的なプロフェッショナル級のエフェクト、徹底的に研究、設計されたアンプとキャビネット・シミュレーションによる多彩なトーン、そしてステージでの演奏に柔軟に対応する高いカスタマイズ性をプレイヤーに提供します。
GT-1000の高度なサウンド編集機能は業界をリードしています。プレイヤーは複雑なエフェクト・チェイン、カスタマイズされたフットスイッチによるコントロール、高度なルーティング・オプションを駆使した多彩な音色を、いくつも作成できます。
GTシリーズはあらゆる状況に完全に組み込むことができます。実際のアンプと組み合わせてシンプルなエフェクト・プロセッサーとして使用することも可能です。既存のペダルボードに追加したり、外部アンプやエフェクトのスイッチングをコントロールしたりもできます。GTをキャビネットへのプリアンプとして使用することも、エフェクト、アンプ、キャビネットの完全なソリューションとして直接PAへ送ることも可能です。また、膨大なエフェクト、緻密に設計されたアンプやキャビネットで、DAWを用いた制作においても活躍します。
GTシリーズの定期的なファームウェア・アップデートは、製品の長寿命も保証します。新しいエフェクトやルーティング・オプション、その他の追加機能によって、ユニットを常に最高のパフォーマンス状態に保ち、デジタル・ギター・エフェクト・ソリューションの最先端に立ち続けます。
トーンを拡張するツール
BOSS TONE EXCHANGEは、GTシリーズでの創造性を広げるもうひとつの素晴らしいツールです。他のGTユーザーが自分のメモリーをアップロードして共有できるハブです。広大なプリセット・ライブラリはキーワードや人気順で簡単に探索でき、アーティストやジャンルにインスパイアされたパッチを探すのに最適な場所です。
BOSS GTシリーズは、幅広いエフェクト、アンプ、ルーティング・オプションを備え、創造性を広げたいプレイヤーにとって完璧なツールです。また、セッションやファンクション・プレイヤーのようにセッティングに多用途性を求める人にも理想的です。GTがあれば、強くコンプレッションされた超クリーンなカントリー音色からハイゲインのスーパー・スタックまで瞬時に切り替えることができます。そして、スタジオで細部までトーンを調整し緻密に作り込みたいプレイヤーにも最適です。
「GT-1000シリーズの重要な特徴は、異なる状況に応じて異なる出力を割り当てられることです」
BOSS GTペダルで最高のサウンドを得るためのヒント
GT-1000シリーズの重要な特徴は、異なる状況に応じて異なる出力を割り当てられることです。たとえば、1つのパッチをライブとスタジオの両方に同時に出力させることができます。出力はプリセット機能から選択してカスタマイズできます。ステージでの使用に向けて、エフェクト・チェーンでキャビネット・シミュレーションをバイパスし、GT-1000をパワー・アンプに直接接続するように設定することもできます。その一方で、XLRサブ・アウトをキャビネット・シミュレーション付きに割り当て、インターフェースやDAWに直接送って録音することも可能です。
さらに、IR(インパルス・レスポンス)をGT-1000にダウンロードすることで、キャビネットとマイクの組み合わせを活用してトーンを作り込むことができます。
ジャンルや演奏スタイルに応じた理想的な設定
GT-1000は非常にカスタマイズ性が高く、あらゆる用途に特化して調整できます。たとえば、GT-1000の入力段階は最大10種類の入力レベル設定が可能で、使用するギターに応じて素早く入力レベルを変更できます。この設定はシステム全体レベル(ギターを交換する際にすべてのパッチの入力レベルを一度に変更したい場合)でも、パッチ単位(特定のギターでしか使わないパッチを設定しておき、シングル・コイル・ピックアップやハムバッカー・ピックアップに合わせて切り替えたときにすでに出力レベルが最適化されているようにする場合)でも行えます。
GT-1000は非常に複雑なトーン形成も可能ですが、BOSSの代表的なエフェクトを備えたシンプルなペダルボードとして使うこともできます。MANUAL MODEでは、プレイヤーは手前にある5つの近いフットスイッチで、伝統的なコンパクト・エフェクターのペダルボードのようにエフェクトをオンオフできます。しかし、GT-1000のすべてのフットスイッチは、BANK UP/DOWNやCTL1からCTL3を含め、単一または複数のパラメータを同時にコントロールするように手動で割り当てることが可能です。
また、CONTROL FUNCTION MODEを使用すれば、各フットスイッチを必要に応じてシンプルまたは複雑な機能に割り当てることができます。GT-1000を仮想ペダルボードのように運用し、特定のパッチではなく特定のエフェクトをフットスイッチに割り当てたい場合も可能です。
GT-1000は高度にエフェクト・ルーティングを構築できます。エフェクト配列には最大3つの並列チェーンを配置でき、それらを複数のDividerとMixerポイントでコントロールしブレンドできます。DividerとMixerコントロールは、非常にクリエイティブな並列ルーティングに利用可能です。
たとえば、プレイヤーは2つの異なるアンプ・チェーンを使い、片方のアンプには弱い演奏ダイナミクスを、もう片方には強い演奏ダイナミクスを割り当てたり、並列エフェクト・ルートを使い、より繊細なモジュレーションのミックスや広がりのあるピンポン・ディレイを作り出したりできます。これらのチェーンはアンプやエフェクト・ブロックのように移動・再配置ができ、並列ルーティングでの配置やシンプルなセットアップのために整理することも自由です。
「GTシリーズは、あらゆる音楽ジャンル、プレイヤーのタイプ、演奏状況、録音環境に対応できる、これ一台で完結する存在です」
すべてをカバーする選択肢
BOSS GTシリーズのギター・プロセッサーは、BOSSがこれまでに構築した中で最も先進的なプロフェッショナル級のエフェクト、アンプ、キャビネット、スタジオ・ソリューションです。これまでにないレベルのコントロールとカスタマイズを提供します。GTシリーズは、あらゆる音楽ジャンル、プレイヤーのタイプ、演奏状況、録音環境に対応できる、これ一台で完結する存在です。
1台のユニットで、ギタリストやプロデューサーが必要とするあらゆるエフェクト、ペダルボード・ルーティング、アンプ、キャビネット、スタジオ・マイクを提供します。それは究極のライブ・ペダルボードであると同時に、驚異的なスタジオ・ツールでもあります。
すべてをカバーするアイテムを探している人、ファンクションやセッション・パフォーマンス用の多用途なスイッチング・システムを探している人、広がりのある音色ツールを求めている人、またはコンパクトな録音方法を必要としている人にとって、GTは最適です。モダン・メタルからアンビエント・シューゲイズまであらゆるジャンルで優れた性能を発揮し、その豊富なエフェクトとトーンのラインナップは、最も細部にこだわるトーン愛好家さえも満足させるでしょう。
GTシリーズは、あなたの創造的可能性を広げる助けとなり、BOSS TONE EXCHANGEのようなコミュニティ・ツールは、新しいトーンやペダルの活用法を発見する素晴らしい方法です。YouTubeもGTシリーズの優れたリソースであり、David Webbのようなギターやエフェクトの専門家や、Rabea MassaadのようなGlastonburyのヘッドライナー・アーティストが、GT-1000の可能性を掘り下げた素晴らしい動画を公開しています。
詳細はBOSS GTのページをご覧ください。また、この充実したギターエフェクトプロセッサーの世界に踏み出す第一歩として、BOSS TONE EXCHANGEのライブラリも覗いてみましょう。





