リバーブ・ペダルを活用したクリエイティブなギターサウンド5選

リバーブ・ペダルを活用したクリエイティブなギターサウンド5選

最も人気なエフェクトのひとつであるリバーブには、かつてないほど多くのバリエーションが存在しています。その歴史とリバーブのパワーを活用する方法を紹介します。

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リバーブは世界中のミュージシャンが切望し、再現されているエフェクトです。1939年、Laurens Hammondが教会のオルガン用にスプリング式のリバーブ・システムの特許を初めて取得しました。それ以降、リバーブはポピュラー音楽と共に長い旅を続けてきました。そしてデジタル・リバーブはエフェクトの新しい解釈へと進化しています。今日でもリバーブは世界で最も人気のあるエフェクトのひとつであり、バリエーションはさらに増えています。ここではリバーブの歴史と、そのパワーを活用する方法を紹介します。

リバーブの背景

1961年にスプリング・タンクを搭載したアンプが登場し、ギタリストがエフェクトを使う際の手法を変えました。1987年にはBOSSが史上初のデジタル・リバーブ・ペダルであるRV-2を開発。ストンプボックスの利便性への注目が高まり、デジタル・リバーブの革命におけるきっかけとなったペダルとなりました。

Johnny Marrのようなギタリストは、スプリング・タンクを搭載したアンプや独立したリバーブ・ユニットを必要としない、RV-2の音色に夢中になりました。価格が手頃でありながら素晴らしいコントロール性と多彩な残響を生み出すRV-2は、ライブセットでの需要も高まっていきました。

リバーブとは?

多くのギター・エフェクトは自然界では鳴り得ない、新しく刺激的な音を実現させてきました。一方で、リバーブは音波が表面に反射することで生まれる自然な残響のサウンドを、単純に拡大し、エミュレートしようとするものです。リバーブは特定の空間や条件に関わらず、反射音の音色や大きさをシミュレートし、コントロールすることを目的としています。

「リバーブは特定の空間や条件に関わらず、反射音の音色や大きさをシミュレートし、コントロールすることを目的としています」

もちろん、デジタル・リバーブはそれ以上の効果をもたらします。リバーブがデジタル化される以前、スプリング・タンクとプレート・リバーブは最も人気のエフェクトでした。どちらのエフェクトも自然なリバーブの再現を試みましたが、現代の基準からすると納得できる効果を得られませんでした。スプリングとプレートは独自のリバーブの音色としてそれぞれ注目を集め、どちらもデジタルのリバーブ・ペダルによって再現される個性的な音色を発展させました。

5つのリバーブ・ペダルの使用法

1.ビンテージ・スプリング・タンクのように鳴らしましょう

誰もが憧れるギターの音色と言えば、リバーブ・タンクを搭載したバルブ・アンプから発せられるスプラッシュ・エコーでしょう。60年代のアンプに搭載される伝統的なエフェクトで、その自然な響きを持つリバーブはギタリストにとって基本的であり音色の真髄として定着しています。

この音は数十年にわたり、ポピュラー音楽のジャンルや数十年に渡って使用されてきましたが、問題もありました。多くのアンプやアンプ・ヘッドにはリバーブ・タンクが付属されていません。リバーブ・タンクは重量があり、継続的なメンテナンスを必要としました。リバーブ用のブレンド・コントロールは1つだけで、足元では操作ができないため取り扱いが困難でした。

RV-6やBOSSリバーブ・ペダルのスプリング・プリセットを使えば、レトロなリバーブ・サウンドを簡単に作ることができます。スプリング・リバーブはMenahan Street Bandの “I Feel Change “のようにキャラクターを強調する効果もあります。またKhruangbinの “Dern Kala “のように、より過激なサウンドにすることも可能です。汎用性の高い、クラシックな音のエフェクトです。

2. シマー・リバーブの現代的なサウンドスケープ

現代音楽に旋風を巻き起こしたシマー・リバーブは、音の地平を広げる素晴らしい方法です。残響音のピッチを数オクターブ上げることで、幻想的なリバーブの波を作ります。

80年代にBrian EnoとDavid Lanoisによって生み出されたこのエフェクトは、ストンプボックスに搭載されるまでに多くの時間を費やしました。Rushの “The Speed of Love “やThe Black Keysの “The Go Getter” で、その効果を実感できるでしょう。シマー・リバーブの魅力を最大限に引き出すには、エフェクト・レベルを3時方向に上げるのが効果的です。この方法は、トレモロで弾いたギター・ラインとも相性が非常に良いです。

3. ボリュームのうねりと弦楽器

リバーブ・ペダルを最大限に活用するには、エフェクト・レベルとタイム・コントロールを比較的高く設定します。次にギターのボリューム・コントロールをオフにします。最後にコードをかき鳴らし、すぐにボリューム・コントロールをフルに戻し、またすぐにオフにします。

コードを掻き鳴らした後にボリュームを上げるとギターのピック・アタックが隠れますが、音色は弦楽器のようにうねります。リバーブはボリューム・コントロールを戻した後も音色を維持し、残響が残ります。このエレガントな手法は自然に弾かれるギターのアタック感なしに、アンビエントなサウンドスケープを実現します。

「リバーブはボリューム・コントロールを戻した後も音色を維持し、ドライ信号の消失を防ぎます」

4. Pushing the Pedalによる幽玄のサウンドスケープ

デジタル・リバーブはルーム・リバーブの自然なサウンド、プレートやスプリングのクラシックなリバーブ・トーンを正確にシミュレートできます。それは現実世界のシミュレーションの域を超えていると感じることもあるでしょう。

時計回りにフル回転したリバーブ・ペダルのTIMEとEFFECT LEVELは、極端で幽玄なサウンドスケープの音色になります。RV-6のモジュレート・ボイシングと併用することで、冒険好きなプレイヤーならギターをシンセ・パッドに変更することができます。漂うようにモジュレートするリバーブ・サウンドは、シンプルなメロディーやゆっくりとピッキングされた音に深みと個性を加えます。ぜひ、リバーブ・ペダルを音楽に活用してください。This Will Destroy Youの”The Mighty Rio Grande”は、シンプルなギター・パートをリバーブで強調した素晴らしい例です。

5. 微かに強化する

リバーブが音色を支配する必要はありません。また古典的なリバーブ・タイプやスタジオ・ツールを模倣して使う必要もないでしょう。演奏者はギター・ソロに深みと空間を加えるために、このエフェクトを効果的に使用することができます。

無伴奏で演奏されるギター・パートは、よくドライに聞こえることがあります。RV-500のようなリバーブ・ペダルのシンプルなルームやホールのボイシングを使えば、ギタリストの演奏がより自然に、その環境に根ざしているように感じられます。音と音の間を常に埋めるのではなく、空間を利用して音楽に息を吹き込みましょう。空間のシミュレーションによって演奏が満たされ、サウンドに丸みを帯びます。

「リバーブ・ペダルのシンプルなルームやホールのボイシングを使えば、ギタリストの演奏がより自然に、その環境に根ざしているように感じられます」

必要不可欠なクリエイティブなツール

リバーブ・ペダルはギタリストにとって不可欠なクリエイティブ・ツールです。このエフェクトは、ソロ・ギタリストにとってもポスト・ロック奏者にとっても価値があります。プレイヤーはリバーブを積極的かつ広範囲に使用し、新しいジャンルの音楽を創造することが可能です。また、このエフェクトは伝統的な使用例にも役立ち、かさばる高価なヴィンテージ・ユニットをエミュレートすることもできます。シンプルなトーンの強調にも使用できルので、ギターがミックスに収まるようにしてくれます。

Joe Branton

JoeはポッドキャストGuitar NerdsのMCを務め、10年間に渡って毎週放送を続けてる世界で最も配信を行っているギタリストの一人です。