多くのグラミー賞を受賞しているAriana Grandeは、その卓越したスキルを新たな表現で魅せる稀有なアーティストです。Vevoにて公開された6曲のパフォーマンスVevo動画では、The WeekndやTy Dolla $ignがゲストとして出演。青々とした草木や花に囲まれた幻想的な雰囲気の中、アルバムタイトル曲「positions」のループ・パフォーマンス・バージョンでパフォーマンスのクライマックスを迎えます。彼女はこのパフォーマンスでBOSS RC-505 Loop Stationを使用し、その艶やかで美しいボイスをループさせています。
彼女がルーパーを使用するのは実は初めてではありません。Vevo社のクリエイティブ・ディレクターであるEd Walkerは、インサイダー誌の取材に対し「ルーパーは彼女が子供の頃に手にした楽器のひとつ。幼少の頃、彼女はボーカルをループさせて作曲を行なっていました」と語っています。
"幼少時代を彷彿とさせるハートフルなアレンジ"
ArianaとBOSS Loop Station
彼女は10年以上前からBOSSのLoop Stationを使用しており、キャリア初期の写真にはBOSS RC-300が写り込んでいます。最近では、テーブルトップ・ルーパーのRC-505を愛用。今回のパフォーマンスでも、手慣れた様子でRC-505を操り、シンプルでありながら非常に緻密に計算されたループ・パフォーマンスを披露している。
テクニック+アート=ループ
Loop Stationは、記録したフレーズを重ねてループ再生することができるエフェクトで、録音/再生/オーバーダブ(重ね録り)を駆使することで一人でありながら壮麗な多重録音やジャムセッションが行えます。Vevoで披露された「positions」の導入部分には、原曲にはないRC-505を用いた幽玄なボーカル・ループが挿入されており、楽曲としての芸術性が一段と高尚な域に高められています。
このように、Loop Stationはボーカリストや表現者にとって強力なクリエイティブツールです。緻密さや発想力などを要しますが、使い手次第で新たな表現が生まれる“可能性を秘めた芸術”と言えるでしょう。
楽曲にダイナミクスが加わり豊かな歌唱力を誇示
Loop Stationの登場
Loop Stationは、今やミュージック・シーンを語る上で欠かせない存在です。演奏に音を重ねたり、その構造に大胆な変化を与えたりと、プレイヤーの創造性を補うことができます。Loop Stationは新しい世代のアーティストやヒット曲を生み出し、その功績はさまざまなシーンにまで及んでいます。
スコットランドのシンガーソングライター、KT Tunstallは2004年、アメリカのテレビ番組『Later with Jools Holland』でLoop Stationを使った「Black Horse and the Cherry Tree」を披露し、鮮烈なインパクトで音楽シーンに躍り出ました。Ed Sheeranは、Loop Stationを愛用する最も有名なアーティストの一人。
2017年の『Glastonbury Festival』でヘッドライナーを務めた彼のパフォーマンスは、Loop Stationにとって極めて重要な出来事となりました。Loop Stationを中心とした放送番組も出現し、YouTubeチャンネル『Swissbeatbox』では世界中のアーティストによるビートボックス動画が公開。彼らはRC-505の熱烈な愛好家であり、チャンネル登録者は425万人(9月現在)と世界中に視聴者がいます。『Swissbeatbox』も毎年世界一のビートボクサーを決定する『World Champion Ship』を開催。こちらも世界中から熱い視線を集めている。
Loop Stationの未来
Loop Stationは、Ariana Grande、KT Tunstall、Ed Sheeranらをはじめ、ジャンルを超えた様々なアーティストにインスピレーションを与え続けています。実際にAriana Grande「positions」のルーパー・バージョンはファンの心をも動かし、コンサートでの披露を望む声が高まっています。もしかすると、Ariana GrandeとEd SheeranによるLoop Stationを使用したコラボを目撃する日が来るかもしれませんね。