シンセ・ペダルは、決してマイナーなエフェクトではなく、ギターのサウンドに新たな可能性を吹き込む創造性に富んだエフェクトです。例えば、BOSS SY-1は、ギターをオルガン、ベース、シンセサイザー、さらにアルぺジエイターに変えることができます。SY-1内では、複数のエフェクトが同時に作動し、オクターブ、ファズ、トレモロ、フランジャーなど、多彩なトーンを作り出します。そのため、これほど多くのエフェクトが内部で処理されるなら、他のエフェクトと組み合わせる必要がないと思うかもしれません。しかし、SY-1は他のエフェクトとの組み合わせを念頭において設計されており、シンセ・ペダルの多様性を高め、他のエフェクトとの相性を最大限に引き出すための機能を内蔵しています。
設定の注意点
SY-1を他のエフェクターと組み合わせて使用する上で、最も魅力的な機能の1つは、内蔵されたエフェクト・ループです。このエフェクト・ループが加わることにより、2つの利点が生まれます。まず、オーバードライブのような追加エフェクトをエフェクト・ループに配置することで、シンセ・エフェクトに直接影響を与えることなく、並列して混ぜることができます。また、SY-1のセンドを2つ目の出力として利用し、クリーン信号を別のDIやアンプに送ることができます。これは、SY-1を伴奏として使ったり、より繊細なエフェクトを作り出す際に最適です。
さらに、センドをギター信号のクリーン出力として使用することで、SY-1を信号パスの最初に配置し、ペダルのメイン出力を別のアンプやDIに送り、センド出力を従来のギターボードに送ることができます。このセットアップにより、シンセ・エフェクトを犠牲にすることなく、自然なギターの音を維持し、SY-1をギターと並列して追加の楽器として使用することが可能です。
PEDAL COMBINATIONS
オーバードライブ
SY-1には、ドライ信号を2系統で調節できる機能もあり、2つの独立したノブを使ってウェット信号とドライ信号のバランスを取ることができます。これは、オーバードライブと一緒にSY-1を使うときに便利です。一部のシンセ・エフェクトは非常に強烈で、深いモジュレーションがかかることがあります。この効果が望まれることもありますが、複雑なメロディや進行でアタックや音の精度に悪影響を与えることもあります。
この問題を解決するには、クリーンなギター信号を少し混ぜるのが効果的です。しかし、完全にクリーンなギター信号をエフェクトがかかったシンセ・サウンドと混ぜると、違和感が生じることがあります。その場合、SY-1の前に強いディストーションやオーバードライブをかけ、シンセ・エフェクトと一緒に信号を混ぜることで、音符をクリアに保ちながら、シンセ・トーンの魅力を最大限に引き出すことができます。
おすすめのペアリング
- BOSS SY-1 × SD-1W
- BOSS SY-1 × BD-2
フェイザー
SY-1で使用可能なシンプルなベース・シンセ・トーンに動きや個性を加える簡単な方法として、フェイザーとの組み合わせが挙げられます。フェイザーをオクターブやオーバードライブペダルと同様にシンセ・ペダルの直後に配置し、フィルター・スイープの設定を高いDEPTHと遅めのRATEに設定します。これにより、シンセ・ベース・ラインの低音域に沿ったシンプルながらも豊かな、連続するフェイズ・シフトが発生し、音に深みが増します。
おすすめのペアリング
- BOSS SY-1 × PH-3
「フェイザーをオクターブやオーバードライブペダルと同様にシンセ・ペダルの直後に配置し、フィルター・スイープの設定を高いDEPTHと遅めのRATEに設定します」
トレモロ
フェイザーと同様に、SY-1にトレモロを加えることで、新しいエキサイティングな音色を簡単に作り出すことができます。トレモロをSY-1の直後に配置し、ペダルのDEPTHを高く設定することで、アルペジエーターのようなビート感を生み出すことができます。特に低音の強いベース・オクターブの進行と組み合わせると、リズミカルな印象を与えることができます。
おすすめのペアリング
- BOSS SY-1 × TR-2
「シンセ・ペダルとディレイを組み合わせることで、新しいリズミカルでアンビエントなトーンを引き出す素晴らしい方法になります」
ディレイ
新しいリズミカルでアンビエントな音色を引き出したいとき、シンセ・ペダルとディレイを組み合わせることで素晴らしい音を鳴らすことができます。ディレイ・ペダルをSY-1の直後に配置することでシンプルなエコー効果を得ることができますが、より興味深い使い方を試すなら、SY-1のエフェクト・ループでディレイを使用するのが良いでしょう。これにより、ディレイはシンセ効果と並行して動作し、ディレイの余韻がクリアで明瞭なまま保たれます。これは、BOSS RE-2のようなペダルからの複雑なディレイ・リズムや、BOSS PS-2のようなオクターブ・ディレイの余韻を使用する際に非常に役立ちます。
おすすめのペアリング
- BOSS SY-1 × DM-2W
- BOSS SY-1 × RE-202
リバーブ
SY-1で使用できるオルガンの音は、便利で実用的なサウンドのひとつです。複雑で広がりのあるシンセ・アルペジオとは異なり、SY-1のオルガン・プリセットは有機的で自然な音を持っています。キーボード・プレイヤーを探さなくても、リアルなオルガンの伴奏を得る素晴らしい方法です。
ただし、オルガンの音は少し乾いた印象を与えることがあるため、SY-1をシンプルなリバーブ・ペダルと組み合わせることで、よりバランスの取れた音になり、ギター、ベース、ドラムと一緒にミックスする際にうまく馴染むようになります。
おすすめのペアリング
- BOSS SY-1 × RV-6
- BOSS SY-1 × RV-500
「SY-1をシンプルなリバーブ・ペダルと組み合わせることで、よりバランスの取れた音になり、ギター、ベース、ドラムと一緒にミックスする際にうまく馴染むようになります」
包括的で多用途なツール
シンセ・ペダルは、バンド・アンサンブルでクリエイティブなミュージシャンとしての役割を担っていきたいギタリストにとって、包括的で多用途なツールです。選び抜かれたペダルを直列で使用したり、エフェクト・ループを活用して並列接続することで、この高度で複雑なエフェクトのさらなる可能性を引き出すことができます。