ここ10年で急速に進化したインパルス・レスポンス(IR)技術は、世界中のギター・リグやステージ・セットアップを一変させました。大きなアンプ・ヘッドやキャビネット、コンボアンプ、マイクなどを実際にセットアップすることなく、ヴィンテージやオリジナルのアンプの音色を取り入れられるようになりました。IRはGT-1000 Guitar Effects Processorのようなアンプ/マルチ・エフェクト・プロセッサーに多く搭載されていますが、今やBOSSのコンパクト・エフェクターIR-2 Amp & CabinetペダルとIR-200 Amp & IR Cabinet 200シリーズにも採用されています。この技術革新により、ギタリストはBOSSの業界最先端のIR技術をペダルボードにシームレスに組み込めるようになり、携帯性、汎用性、直感的な操作性を完璧に融合させています。
設定の注意点
BOSS IR-2とIR-200は、コンパクトなエフェクト・ボードを求めるギタリストにぴったりな選択肢です。世界クラスのアンプ、キャビネット、マイク・サウンドを1台で柔軟に提供します。IRペダルはペダルボードに加える万能なアイテムで、他のエフェクターともスムーズに連携し、新たな可能性を開きます。IRペダルの信号チェーン内での位置は、使用目的により異なります。
IR-2やIR-200はプリアンプとして使い、別のキャビネットIRやシミュレーターを後段に接続することも可能です。または信号チェーンの最後尾でキャビネットIRのみ使うこともできます。内蔵エフェクト・ループを使えば、ディレイやリバーブなど他のペダルと簡単に組み合わせられます。ドライブ系やピッチ系を前に置き、ディレイやリバーブをIR-2/IR-200の後に配置するのもおすすめ。効果の順番を試しながら、自分の感性を刺激するサウンドを探求してみてください。
PEDAL COMBINATIONS
ハイゲイン・ディストーション
重厚なサチュレーションと音符の明瞭さのバランスが難しいハイゲイン・アンプ・トーン。オーバードライブ・アンプの前段にハイゲイン・ディストーションを入れると、曖昧でノイジーな音になることも。実は、多くのディストーション・ペダルはクリーン・アンプと組み合わせたり、エフェクト・ループのリターン端子に繋いでプリアンプをバイパスしたほうが良い音になることが多いです。ハイゲイン・ユーザーに効果的なのは、ディストーション・ペダルとIRペダル(IR-2やIR-200)を組み合わせること。音がクリアに変わり、濁った音がキレイに際立ちます。
IR-2やIR-200のCabinet要素だけを使えば、MT-2やMT-2W Metal Zoneのようなハイゲイン・ディストーションがプリアンプとして効果的に機能します。Metal Zoneの2段ゲイン回路と強力なEQでトーンを自在にコントロールし、キャビネットIRがリアルな温かみとダイナミクスを加えます。NS-2やNS-1X Noise Suppressorを間に加えれば、パワー感、タイトさ、クリアさがさらに向上します。
おすすめの組み合わせ
• BOSS IR-2 Amp & Cabinet × MT-2 Metal Zone
• BOSS IR-200 Amp & IR Cabinet × MT-2W Metal Zone
「IR-2またはIR-200のキャビネット機能だけを使えば、MT-2 や MT-2W Metal Zone を効果的にプリアンプとして機能させることができます」

ステレオ・ディレイ
IR-2やIR-200と、BOSSの多数あるステレオ・ディレイ・ペダルの組み合わせは非常に魅力的です。ステレオ・ディレイは単一アンプでは得られない立体的で没入感のある音響を生み出します。従来は2台のアンプを用意する必要がありましたが、IR-2/IR-200があればエフェクト・ループのリターンのステレオ端子にステレオ・ディレイのパンニング効果を送り、Output AとBでステレオ信号をFOH(フロント・オブ・ハウス)や録音用インターフェースに送れます。
おすすめの組み合わせ
• BOSS IR-2 Amp & Cabinet × SDE-3 Dual Digital Delay
• BOSS IR-200 Amp & IR Cabinet × DM-101 Delay Machine

「IR-2やIR-200を数あるBOSSのステレオ・ディレイ・ペダルのひとつと組み合わせるのは、非常に魅力的な組み合わせのひとつです」
リバーブ
同様に、RV-6やRV-200などのBOSSリバーブ・ペダルの豊かなステレオ・サウンドは、IR-2やIR-200と組み合わせることでさらに生き生きとします。アンプ2台を用意せずともステレオ出力ができ、創造性が大きく広がります。
RV-6やRV-200のようなステレオ・ペダルは、IR-2/IR-200のエフェクト・ループのReturn端子をステレオ・モードに設定して使うと、サウンドスケープ系トーンに最適なダイナミックな複雑さを生み出します。
おすすめの組み合わせ
• BOSS IR-2 Amp & Cabinet × RV-6 Reverb
• BOSS IR-200 Amp & IR Cabinet × RV-200 Reverb

BOSS SL-2 Slicer
これまで例に挙げたペダル・コンビネーションの基盤になっているのは、IR-2とIR-200がギター信号をステレオ処理できることにあります。これにより、2台アンプのリグをシミュレートし、より多彩なペダルをセットアップに取り込めます。これらの例は確かに音色の幅を広げますが、IRペダルとステレオで組み合わせるとまったく新しい表現を生み出せるペダルがあります。それがBOSS SL-2 Slicerです。
SL-2は7つのステレオ出力モードを持ち、シンプルなトレモロ表現から多彩なリズムを生み出すクリエイティブ・ツールへと進化します。IR-2やIR-200と組み合わせると、複雑なステレオ・リズムがIRペダルの自然なEQやダイナミクスと融合し、繊細かつ広がりのあるギター・トーンが生まれます。
「Slicerの緻密なステレオ・リズムは、IRペダルの自然な EQ、ダイナミクス、反応性と融合し、緻密で広がりのあるギター・トーンを生み出します」

アナログ・プリアンプ
IRペダルの創造的で効果的な使い方の一つは、エフェクト・チェーンの最後に配置し、キャビネット機能のみを使うことです。こうするとお好みのプリアンプ・ペダルと組み合わせできます。
多くのIRペダルは強力なプリアンプ機能を備えていますが、アナログの高品質プリアンプも豊富にあります。この方法ならより伝統的なアンプの操作感を得られ、プリセット操作やデジタル設定のスクロールを気にせずに済みます。
あなたのスタイルを確立するために
IR-2とIR-200はエフェクト・ボードに最適な選択肢の一つで、ミュージシャンに精密かつ個性的なサウンド・カスタマイズを可能にします。自分のスタイルを明確にし、個性を際立たせたいギタリストにとって、これらのBOSSペダルは汎用性と柔軟性に優れた最高のツールです。
IR-2とIR-200は、どんなペダルボードにも簡単に組み込め、ステレオ・ペダルを含む他のエフェクトとも非常に相性が良いです。新しく刺激的なサウンドを作り出し、あなたの音楽を輝かせ、創造力を刺激する究極のツールです。