Reverberations: Ed O’Brien of Radiohead 

Reverberations: Ed O’Brien of Radiohead 

エコー・エフェクトの愛好家であるEdが自身のお気に入りのペダルを紹介し、「BOSSが長年に渡り音楽の最前線で使われている理由」を語ります。 Header photo by Alterna2

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Radioheadのギタリストとして最もよく知られているEd O’Brienのエコーやディレイを多用した印象的な響きは、音楽史上最も進歩的で影響力のあるバンド・サウンドに位置付けられています。彼はキャリア全体を通じてBOSSペダルを多用しています。O’Brienが時代によってディレイの使い方をどのように工夫しているのか、プロデューサーのFloodがスタジオで彼を驚かせた方法、そして、BOSSのペダルがエモーショナルな音場をどのように形成しているかをご覧ください。

ヴィンテージの魅力

バンド初期のリハーサルでBOSSハーフ・ラックのデジタル・ディレイを聴いて刺激を受けたO’Brienは、DD-3 Digital Delayペダルを最初に購入しました。ヴィンテージ・デジタルの魅力が詰まったDD-3(アナログ・ディレイよりも少しクリアで独特なサウンド)は、今でも彼の定番のコンパクト・エフェクターの1つです。実際、タップ・テンポ機能付きのDD-3Tは、That Pedal ShowのDan Steinhardtが制作したO’Brienの現在のペダルボードにも搭載されています。

O’Brienは1986年に発売されたDD-3を「80年代のサウンド」、1995年に発売されたDD-5を「90年代のサウンド」とそれぞれ表現しています。世界的に有名でトレード・マークのトーンの鍵となるDD-5 Digital Delayは、O’BrienがRadioheadのブレイク・スルー・アルバム“The Bends”や”OK Computer”で聴くことができる、この世のものとは思えないギター・サウンドの効果にほぼ独占的に使用されました。DD-5は90年代以降、Radioheadのすべてのペダルボードに搭載されています。これは、生産終了となったBOSSの名機に対する彼の変わらぬ愛着の表れです。

ディレイの反応

O’Brienは、BOSSの新製品であるDM-101 Delay MachineSDE-3000D Dual Digital Delayの大ファンでもあります。CPU制御のBBDを8個搭載したDM-101は、12種類のプログラム可能なモノラル及びステレオ・モードに加え、モジュレーション、タップテンポ、MIDIコントロールなどの拡張機能を備え、ヴィンテージ・デジタルのアナログ・ディレイを現代風にアレンジしています。O’Brienはこれを「驚くべき機能だ」と言います。「現代のディレイ・マシンの素晴らしい点は、既に設定したアナログ・ディレイ・サウンドを瞬時に呼び出せることです」と彼は説明します。「曲によって60や70のテンポ設定を操作する必要がある場合、フロアから降りて作業することはできません。スタジオでは行いますが、ライブ・ステージでは話は別です。」

「現代のディレイ・マシンの素晴らしい点は、既に設定したアナログ・ディレイ・サウンドを瞬時に呼び出せることです」

この思いに沿って、豊富なディレイ・サウンドがO’Brienの最新のソロ・リリースである2020年に高く評価された”Earth”に反映されています。「新しいアルバムでは、Space Echoを使用しました」と彼は明かします。「Soundgas製のステレオSpace Echoがあり、頭の中で探していたサウンドが得られました。」

同様に、SDE-3000Dは、1980年代の代表的なヴィンテージ・サウンドで、Rolandのラック・タイプのSDE-3000 Digital Delayを再現しています。「80年代のディレイは本当に特別な時代でした。そして、BOSSはそれを実現しました」とO’Brienは熱く語ります。エコー愛好家である彼は、新旧さまざまなディレイ機器を駆使して、幅広い音色を自由に操ります。「それぞれに独自のサウンドがあります」とEdは語ります。「私はよくサウンドを色として例えます。画家であるならディレイは青です。つまり、青にもさまざまな色合いがあり、濃い青や薄い青、空色のようなものなのです。」

Custom Space Echo
Photo courtesy of the artist

ペダルの豊富さ  

O’Brienの見事なディレイ・サウンドは、何十年にもわたってRadioheadのアルバムやコンサートを彩ってきましたが、このギタリストの機材には他にも数多くのBOSSペダルが使われてきました。「いつもBOSSチューナーを使っています」と彼は言います。「そして、RV-5 Reverb。驚いたことにJonnyも持っていたし、僕も持っていた。Thomも持っていたと思う」と彼はRadioheadのバンド・メンバーについて語ります。「僕はTR-2 TremoloやFlangerも持っていて、どれも本当に素晴らしいサウンドです」

彼は、BOSSがコラボした限定品で有名な製品やお気に入りについても称賛しています。「BOSSがMacari’sと共同で作ったTB-2W Tone BenderとOD-1 OverDriveが好きです。このペダルは、既に歪み始めているアンプに最適です。数年前にSoundgasからオリジナルのCE-1を購入しましたが、プリアンプは信じられないほど素晴らしいです。」

豊富なアイデア

スーパー・プロデューサーのFlood(U2、NIN、Depeche Mode)もCE-1を愛用しています。「Floodと一緒に仕事をしていた時、彼は『このCE-1をベースに使うつもりだ』と言いました」とO’Brienは話します。「私は『いや、ベースにコーラスを乗せるつもりはないよ』と言いました。すると彼は『コーラスには使わない』と言います。CE-1のプリアンプを使った古典的なスタジオ・トリックは、本当に魔法のような効果をもたらします。」

「私のサウンドのもう一つの大きな部分は、LS-2 Line Selectorペダルでした」と彼は言います。「ウェットとドライのセットアップの最前段で使用しました。90年代半ばには、ライン・スイッチング・ペダルを実際に使う人は誰もいませんでした。」このペダルは、特にステージ上でO’Brienに多くの音響的な可能性をもたらしました。「私にとって超越的だったのは、AまたはBだけでなく、A+Bで、瞬時にサウンドを組み合わせることができることでした。私は、Radioheadのライブで、テクニカルな瞬間にこの方法を多用しました。」

「私にとって超越的だったのは、AまたはBだけでなく、A+Bで、瞬時にサウンドを組み合わせることができることでした。私は、Radioheadのライブで、テクニカルな瞬間にこの方法を多用しました。」

相互での称賛

2023年で創立50周年を迎えたBOSSは、O’Brienのようなアーティストが独自の音楽ビジョンを実現するお手伝いができることを誇りに思っています。「BOSSは、この素晴らしい音楽のすべてにおいて最前線に立ってきました」とO’Brienは断言します。「ペダルを制作する人たちにはいつも感謝しています。ミュージシャンとしての私たちにインスピレーションを与え、演奏したいと思わせてくれるからです。」

両者の気持ちは同じで、BOSSは革新の伝統を守り続けています。実際、エンジニアたちはヴィンテージ機器を再検討しながら、O’Brienのようなプレイヤーの役に立つよう設計を進化させようと努めています。

「BOSSが古いペダルに特定のサウンドがあることに気づき、そのクラシックに立ち返って見直しているのがすごく賢いと思います」とO’Brienは断言します。「BOSSには素晴らしいモデルがたくさんあるのに、それを復活させているんです。」

潜在性と可能性

伝説的なBOSSの思考は、ギタリストにとって今も魅力的です。「BOSSのペダルは見た目が最高にクールです」とO’Brienは言います。「私は幸運にも多くのブティック・ペダルの設計者や製作者に会うことができましたが、彼らはよくBOSSペダルは音が素晴らしいだけでなく、見た目もとてもクールだと言います。まさに象徴的な存在です。」

彼の思いはデザインだけにとどまりません。「BOSSペダルについて話すと面白いのは、そこに感情的なつながりがあることに気づくからです。新しいBOSSペダルを手に入れ、その箱を開ける時は今でもワクワクします」と彼は言います。「ピッタリ収まる箱とその色は、今でもクリスマスの日のような気分になります。」

「BOSSペダルについて話すと面白いのは、そこに感情的なつながりがあることに気づくからです。」

結局のところ、探究心と冒険心がO’Brienをエフェクト・ペダルに夢中にさせているのです。「それは潜在力、つまり将来に何があるのかの可能性なのです」と彼は説明します。「実にさまざまなサウンドが得られます。無人島に行っても、BOSSペダルが5つあれば、幸せに生活できると思います。」

Rod Brakes

BOSSのブランド・コミュニケーションおよびコンテンツ企画担当。過去にはGuitar WorldやMusic Radar、Total Guitarを始めとする数々の音楽メディアでの執筆経験があり、アーティストや音楽業界、機材に関する幅広い知識を持つ。彼自身も生粋のミュージャンである。