MalinaMoye photo by Josh Shultz

Reverberations:Malina Moye

Malina Moyeが、愛用のBOSSペダルと今年のIWDキャンペーンテーマ「Inspire Inclusion」について語ります。 Header photo by Josh Shultz

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今月、クリーブランドのRock & Roll Hall of Fame(ロックの殿堂)で行われる”音楽界の革命的女性たち:レフト・オブ・センター展”のオープニングに出演するギタリストのMalina Moye。国際女性デーが近づいている中、私たちはこのギタリストに会って、彼女の愛用のBOSSペダルや今年の国際女性デー・キャンペーンのテーマである「Inspire Inclusion」について話を聞きました。

それがすべて

インクルージョン(女性が参加しやすい包括的な社会)を促進することがなぜ重要なのでしょうか?

どれだけ試行錯誤して、同じ音を鳴らそうと思っても、同じ音にはならないのがギターの特徴です。あなたの指紋も私の指紋も違っていて、私が捉えるギターのあり方があり、別のアーティストは違った見方をしています。ギターは特定の方法でしか使えないと決めつけてしまうと、その個性は失われてしまうでしょう。最近では多くの女性がギターを弾いていて、素晴らしいことだと思います。それぞれが違ったギターを表現していて、それは本当に大切なことだと思います。

「最近では多くの女性がギターを弾いていて、素晴らしいことだと思います。それぞれが違ったギターを表現していて、それは本当に大切なことだと思います」

近年、ギターの世界はインクルージョンに関して変化しましたか?

女性が活躍できる場はこれまでにもありましたが、今ではより多くの人が注目されるようになったので、とてもワクワクしています。最高です。ただ話しかけられるのではなく、その場に参加できるんです。まだまだ道のりは長いですが、人々が心から興味を持ってくれているのはとても嬉しいことです。

自分らしくあることは必要ですが、同時にインスピレーションも必要です。私は有色人種の女性たちから、「私と似たような人が演奏しているのを見るのは本当に最高な気分だ」というメッセージやメールをたくさん受け取ります。ありがたいことに、より多くの人々やメディア、雑誌が私たちの表現を共有してくれています。そして、ギターに正しいとか間違っているとかはありません。チャンスをつかみ、自分を自分たらしめているものを見つけることで、あなたは素晴らしいプレイヤーになることができます。

Malina Moye
10 July 2011 - Weert (The Netherlands)(Netherlands)

トーン、サウンド、スタイル

あなたは BOSS BD-2 Blues DriverMT-2 Metal Zoneの大ファンですね。どんなところが好きですか?

私は何年もBOSSの信者です。エフェクターが大好きなんです。ペダルは私のトーン、サウンド、スタイルを作り出してくれました。バターのように濃厚なMetal Zoneの音は特別です。ルーズさがあるけど適度なファズやディストーションの要素もあり、私がやりたいことにぴったりのペダルです。

Blues Driverの好きなところは、ほんの少しのディストーションで、とても美しい音が出ることです。Blues Driverを見つけたとき、演奏スタイルを際立たせることができるので最高なペダルだと思いました。ギター・プレイヤーとしてのあなた自身が、どのようにフレーズを奏で、音を形作るかということに重点が置かれています。

Blues Driverの音は魔法のようで、微妙なニュアンスを聞くことができます。それがギター演奏の醍醐味でもあるでしょう。自分の声を見つけるような感覚で、例えば、歌手の歌声を聞くと、その声に何かを感じます。そのニュアンスがあるからこそ、私たちは特定のボーカリストを識別できます。ギタリストの私は、曲の中に自分の指紋が残っているような、音の個性を残したいと思っています。

複雑なディテール

最近、Waza Craft BD-2W Blues DriverMT-2W Metal Zoneペダルを使い始めましたが、どう思いますか?

とても気に入っています!もちろん、オリジナルのペダルも大好きですが、私はディテールにもこだわりたいので、Waza Craftペダルはとても良いです。もっといろいろなことができるし、トーンを微調整して音色をいじることもできます。私にぴったりのペダルです。MT-2Wでもいろいろなトーンを試しました。Waza Craftペダルはノイズがとても少ないです。特にシングルコイル・ピックアップをいろいろな場所で演奏するときには、それが大きな違いになります。会場はそれぞれ違いますし、ロックの殿堂で自分のトーンを調節するのが待ちきれません。とても楽しみです。

BOSSと言えば、Blues Driverですね。私はギターの音色にもっと形を与えるために、少しだけ歪みをかけて調整するのが好きです。多くの人は“緑のペダル”についてよく話していますが、私はBlues Driver一択です。いろいろ試した中でも、Waza Craftのバージョンが気に入っています。ノイズが少ないのも好印象です。テレビのプロデューサーならその点を評価すると思います。

「Waza Craftペダルはノイズがとても少ないです。特にシングルコイル・ピックアップをいろいろな場所で演奏するときには、それが大きな違いになります」

革命的な女性

ロックの殿堂での”音楽界の革命的女性たち:レフト・オブ・センター展”以外に、特に楽しみにしているパフォーマンスはありますか?

すごく楽しみなフェスティバルがあります。I Made Rock ‘N’ Rollというフェスティバルです。Janelle Monáe、Gary Clark Jr、Robert Randolphも出演します。私は、国のために戦ったアフリカ系アメリカ人に敬意を表して、国歌斉唱のセットを演奏します。スポーツの試合で国歌を演奏したことがありますが、観客はかなりストレートに国歌を聴きたがっていました。でも、このフェスティバルでは、もう少しゆるい感じで演奏する予定です。そこで演奏するのが本当に楽しみです。Waza Craft のMetal Zoneは絶対に使います。

あなたは最近、アフリカ系アメリカ人女性として初めて、大きなスポーツ・イベントでアメリカ国歌をギターで演奏し、歴史に名を残しました。その時の感想はいかがでしたか?

8万人の前で最高レベルのサーカスをやるような感覚でした。大勢の観客の前で、集中しなければなりません。自分のものにする必要があります。騒音や花火、あらゆるエネルギーに負けることなく、集中し続けなければなりません。また、ライブなので準備が必要です。機材がたくさんあり、ペダルがすべて機能していることを確認しなければいけません。BOSSのペダルはいつも問題なく動作するので助かりました。

それから、自分の持っている機材に対して自信を持てることも重要です。最高のパフォーマンスをするためには、全ての機材がフル稼働していることを確認する必要があります。私にとっては、信頼が全てです。なので、BOSSのペダルをおすすめします。慣れすぎていて、エフェクトを取り外したり交換したくないと思うこともあります。音に変化がなくなることは、時にマイナスに働くこともありますが、Waza Craft Blues DriverとMetal Zoneを使用した後、“よし、これでいこう。最高の音だ”と、思いました。

「自分のものにする必要があります。騒音や花火、あらゆるエネルギーに負けることなく、集中し続けなければなりません」

物語を伝える

他に好きなBOSSペダルはありますか?

私はBOSSのディレイ・ペダルも好きで、それからTU-3 Tunerも使っています。車にもBOSSのペダル・チューナーが積んであります。私はBOSSガールなので。他にもいろいろなペダルを使ってきましたが、結局はBlues DriverとMetal Zoneに戻ってきました。この2つのペダルは、私のストーリーを音楽的に表現する相棒のような存在です。

常に、自分らしくいる必要があります。昔、父に言われたことがあります。「マリナ、良いニュースと悪いニュース、どっちが聞きたい?」と聞かれ、私は良いニュースと答えましたが、父はこう言いました。「悪いニュースは、君がどれだけ外に出ても、君はJimi HendrixやEric Clapton、あるいは君が愛する人たちの誰にもなれないということだ」

私は「良いニュースがあるなんてありえない。お父さんは今私の夢を壊してしまった!」と言いました。そして父は言いました。「マリナ、良いニュースは、誰も君のようになることはできないということだ。だから、君は外に出て、Malina Moyeとして毎回大成功をおさめなさい。Malina Moyeが何をしようと、それが君自身になる。君なら、多くの人にインスピレーションを与えられる」それから私は、そうするようにしてきました。

もしあなたが同じように人生を生きることができれば、あなたは勝ち続けるはずです。あなた自身が賞となるからです。そう、あなたが。それがあなたのギフトです。もしあなたのことを批判する人が現れたら、彼らはあなたの仲間ではありません。進み続ければ、いつか仲間にも出会うことができます」

Malina Moye
Photo by Mary Grace McKernan

“ヒーローは決して現れない”という意見にあなたは同意しますか?

私はたくさんのヒーローに出会ってきました。みんな素晴らしく、私の励みになった人たちです。アフリカ系アメリカ人のギタリストで脚光を浴びている人はまだそれほど多くありません。でも、以前よりはずっと多様性があります。スーパーボウルにHERが登場してソロを演奏したときは、本当に嬉しかったです。「ああ、私もこんなにかっこよくなりたい!」と思ったのを覚えています。

「自分が黒人女性でギターを弾くことが何かを主張しているとは思っていませんでした。それが私なのです」

私は、自分が黒人女性でギターを弾くことが何かを主張しているとは思っていませんでした。ただ私であり、それを表現しているだけで、特別な意味はないと感じていました。でも、今はそれがひとつの主張であると気づいたんです。変化を促すための教育、再教育の一環とも言えるでしょう。2024年、実際に変化が起きているのを見てワクワクしています。例えば、Beyoncéのカントリー・シングルが1位になったこともその象徴だと思います。この流れを止めずに、続けていきましょう。

Rod Brakes

BOSSのブランド・コミュニケーションおよびコンテンツ企画担当。過去にはGuitar WorldやMusic Radar、Total Guitarを始めとする数々の音楽メディアでの執筆経験があり、アーティストや音楽業界、機材に関する幅広い知識を持つ。彼自身も生粋のミュージャンである。