Sophie Burell Header

Reverberations:Sophie Burrell

シュレッド・ギターの名手が作詞作曲の力、ソーシャルメディアでの成功、分断、女性蔑視、性差別の撲滅について語ります。Header photo courtesy of the artist

1 min read
Start

ソーシャルメディアのフォロワーが200万人を超え、いくつもの動画をバズらせているSophie Burrellは、Z世代の天才ギタリストです。ロックダウンが始まったとき、このデジタル・ネイティブである彼女はギターの世界と接点を持つためにYouTube、Instagram、Facebook、TikTokに自然と興味を持つようになりました。コンテンツ・クリエイターとして世界的な成功を収めたBurrellは、従来のライブ・パフォーマンスにも力を入れています。インターネット・スターが結成したハードロック・スリー・ピースのバンド、Bxrrellはこの春に初めてツアーを決行。ギターとヴォーカルを担当するBurrellがフロントマンを務めるこのグループは、年内にデビュー・アルバムをリリースする予定です。ツアーを目前としたシュレッド・ギターの名手に作詞作曲について、そして分断、女性蔑視、性差別の撲滅のために彼女がどのように取り組んでいるかを尋ねました。

プレイヤー、ソング・ライター、インフルエンサー

あなたはYouTuberやソーシャルメディアのインフルエンサーとして知られていますが、バンドにおいても、Bxrrellは2023年後半にデビュー・アルバムをリリースします。あなた自身をどのように表現しますか?

何よりもまず、私はギタリストでありソング・ライターです。そして、コンテンツ・クリエイターでもあります。子供の頃は、コンテンツ・クリエイターになるなんて想像もしていませんでした。自分がこんなことをしているなんて、考えたことがなかったんです。自分から語りかけるインフルエンサーになるということも。私は音楽をやるだけで、話すことはないだろうと思っていました。だから、結果的にこのように自分が進化したのは自分でもとても不思議に思っています。

いつ、どのようにしてオンラインで注目を浴びるようになったのですか?

私はバンド活動をしていたんですが、パンデミックが起きてしまいました。「他に何をすればいいんだろう?」と思い、オンラインでの活動に力を入れるようになりました。ソーシャルを成長させることで、最終的に別のバンドを組んだときに演奏する相手を見つけやすいようにしておこうと思ったんです。パンデミック前、私のインスタグラムのフォロワー数は10万人ほどでした。パンデミック後には、3倍以上に増えました。

Bxrrell
Photo by LJR Photography

「何よりもまず、私はギタリストでありソング・ライターです。子供の頃は、コンテンツ・クリエイターになるなんて想像もしていませんでした」

それはなぜだと思いますか?

みんなが家でInstagramを見ていたので、面白い時期だったと思います。その状況が私にとって効果的に働き、ライバルもたくさんいました。 “Beat It” のソロは本当に評判が良かったです。おかしいですよね。今、改めてその動画を見ると「ああ、良かったね」と思います。あの時、私はこれからどうなるかを全て把握していたような気がします。

YouTubeでコンテンツをシェアし始めたとき、何か目標はありましたか?

14歳くらいのときにオンラインでコンテンツを共有し始めて、それほど真剣な理由はありませんでした。ただネットワークを通じて、他のプレイヤーと知り合いたかっただけです。若い女の子が自分のやり方で好きなジャンルのギターを弾いているだけで、周りから浮いた存在になってしまって。私はただ、自分と同じ音楽が好きな人を見つけたかっただけです。

昔は、全国各地や世界中で似たようなギタリストたちとつながっていました。それがかわいらしい感じで楽しかったんです。でも、ある時から「おお!彼女、本当に弾けるんだ!」って言われるようになって。「みんな気に入ってくれてるみたいだし、じゃあ続けよう」と思いました。そして、2019年から本格的に活動を始めました。「何かを育ててみよう。なんだか可能性がある気がする」と決めて。それで、本当に可能性があったんです。

インスピレーションと挑戦

あなたがキッカケでギターを弾きたいと思ったと、よく言われますか?

そうですね。本当に嬉しいことに。でも、困惑することもあります。そういうコメントをもらえるのは嬉しいですが、自分が少し謙虚にもなってしまいます。演奏しているときは常に上達することを考えていて、向上するために自己批判をすることもあります。自分が何をしているのか、まだ分からないことがたくさんあるから、ギターを弾くのが楽しいんです!

なぜ女性ギタリストは重要なロール・モデルなのでしょうか?

この業界が信じられないほど男性優位の業界であることを認識しておくことが、重要だと思います。そして、男性を怖がってギターを弾けない若い女の子がいてほしくありません。状況は変わりつつありますが、公平なバランスが取れるようになるまでには、まだやるべきことがたくさんあります。性差別を訴えることはとても大切なことです。誰かが不適切な発言をしたときに、その相手を非難して女性の味方になってくれる男性がいてくれることも。ギターを弾きたい女の子の父親とたくさん話をしましたが、彼女たちはギターを弾くのを怖がることが多いので、とても悲しくなります。だからこそ、女性ギタリストが業界のロール・モデルとなることに意味があると思います。

ギタリストとして成長する過程で、どのような課題に直面しましたか?

5歳の頃からずっとギターが大好きでした。家族の友人の娘に「ギターは男の子の楽器なのに、Sophieがギターを弾くなんて変ね」と言われたのをはっきりと覚えています。そんなことを言われるなんて、思いもしませんでした。

分離、女性蔑視、性差別をなくすために、努力したり取り組むことが大切なんです。大きな進歩はありましたが、女の子たちが本当に安心して過ごせるような環境にするために、まだまだ、やるべきことはたくさんあります。

“女性ギタリスト”という言葉に不快感を覚える人もいます。

でも、それが私たちの存在を際立たせているのも事実です。私たちは、まだ業界にとって珍しい存在です。特にこの 10 年間で、かなり進歩してきたと思います。学校では、男子から批判されることもありました。ここ数年で起こった動きがきっかけとなり、次の世代が変わっていくと思いたいです。女性差別のほとんどは、私と同年代の嫉妬深い男子や、「女性は台所にいるべきだ」などと言う年上の男性から来ています。

「大きな進歩はありましたが、女の子たちが本当に安心して過ごせるような環境にするために、まだまだ、やるべきことはたくさんあります」

ホワイトノイズの音

昨年、視聴者からの不適切なコメントやメッセージについて取り上げた動画を投稿していましたね。

それも皮肉で、私の動画自体が不適切な内容だと判断され、一部での収益化ができなくなりました。つまり、私が彼らを避難したことによって、ペナルティを受けました。コメント欄は誰でも見れるように公開されているので、不公平ではありませんか?インターネットは奇妙な場所です。

否定的かつ不適切なコメントやメッセージをどのように受け止めていますか?

“White Noise”という曲を書いたことで、だいぶ気持ちが楽になりました。ネガティブな荒らしや嫌がらせをする人たち、つまり女性蔑視する男性について歌っています。あるブランドとビデオを制作したことがあったんですが、その時、ブランド側からの確認がないまま、広告にされてしまった経験から生まれた曲です。私がYouTubeを始めた頃の話です。当時、私はまだ若く、その広告動画に出演している私に対する誹謗中傷でコメント欄は溢れ返っていました。私の容姿、演奏、あらゆることについて、徹底的な攻撃を受けていました。

本当にショックを受けました。Sophieはまだ若い、こんな目に遭わなければいけないなんておかしいと悲しくなりました。しばらくそのことについて考えて、それから“White Noise”を書きました。とても力強いものになったと思います。「もううんざり、ホワイトノイズなんて誰も聞いてない、もううんざり、タフな男の言うことなんて誰も聞いてない」とコーラスで歌っています。彼らが持つネガティブな側面は、そこら中に広がっているホワイトノイズに過ぎません。聞こえないように音を消してしまえば、それでいいんです。

今後、自分がネガティブな気持ちになっていると気づいたら、歌を書いたことを思い出すはずです。それは私に力強さをくれます。そして、私が経験したことは、誰の状況にも当てはまります。こうした人々が言うことに耳を傾けるべきではありません。あなたを不当に批判する人は、あなたのように行動できているわけではありません。なので、あなたを判断する立場にもいないんです。あなたよりもうまくやっている人が、そのようなことを言うはずがありません。そんな必要がないからです。そう考えています。

今後のBxrrellツアーについて教えてください。

ヘッドライナーとして初めてのツアーで、5月末から6月初めにかけてイギリス全土で6日間行われます。ようやくステージに戻ってくることができて本当にワクワクしています。一番楽しい場所ですから。

「私のバンドはイギリス全土で活動しているので、軽量なGT-1000であれば、飛行機にも持っていけます」

Slicing it Up with BOSS

あなたは BOSS GT-1000 Guitar Effects Processorの大ファンですよね。Bxrrellのツアーでも使う予定ですか?

そうだと思います。気に入っていますから。先週、ロンドンでも使いました。前に BOSS KATANA AMPを使ったときに最高だと感じたんですが、ロンドン中を持ち歩いて移動したくなくて。でも、GT-1000とギターがあれば心配いりません。理想的なコンビです。私のバンドはイギリス全土で活動しているので、軽量なGT-1000であれば、飛行機にも持っていけます。巨大な真空管アンプで演奏すると気持ちいいですが、それと階段を上り下りすることを考えると、楽しいことではないですね。

GT-1000を手に入れた頃はまだ真空管アンプを使っていて、音に対する不安はありました。でも、頭の中で複雑に考えすぎていたんです。しばらく家の中で使っていたら、少しずつ使いこなせるようになってきました。BOSS Tone Centralから他のアーティストのプリセットをいくつかダウンロードして、自分が求めている音に近づけて、それをまた微調整する具合です。それが私に合った方法でした。特にJack Gardiner、Marty Friedman、Steve Lukatherのプリセットが好きでした。「すでに素晴らしい音を鳴らしているから、それを微調整しよう」と思ったんです。

「Slicerは最高。曲を書くきっかけにもなりました。初めて手にしたときは、6時間座りっぱなしでギターを弾いたくらいです」

お気に入りのBOSSペダルは何ですか?

最近で言うと、OC-5 OctaveとSL-2 Slicerはすごく気に入っています。Slicerは最高。曲を書くきっかけにもなりました。初めて手にしたときは、6時間座りっぱなしでギターを弾いたくらいです。それはもう楽しくて。私はギターにとても興味があるので、Slicerのようにクールなペダルに出会えると、何かいいものを見つけたような気分になります。インスピレーションが湧かないときは、変わったペダルを試すようにしています。ペダルの実用的な面が好きなんです。

Rod Brakes

BOSSのブランド・コミュニケーションおよびコンテンツ企画担当。過去にはGuitar WorldやMusic Radar、Total Guitarを始めとする数々の音楽メディアでの執筆経験があり、アーティストや音楽業界、機材に関する幅広い知識を持つ。彼自身も生粋のミュージャンである。