WAZA Tube Amp ExpanderとWAZA Tube Amp Expander Coreは、クラシックな真空管アンプと現代のレコーディングおよびステージ・パフォーマンスのメリットを融合させるプロフェッショナルなソリューションです。BOSSのTube Logicによるリアクティブ・ロード・デザインは、アンプ本来の自然なレスポンスとキャラクターを維持しつつ、用途に合わせた最適なサウンドを簡単に実現します。この記事ではロード・ボックスの仕組みと、アンプとスピーカーの相互作用が真空管アンプのトーンとフィーリングに不可欠である理由を学び、WAZA Tube Amp Expanderが生み出すダイナミックなサウンドと可変式の音量コントロールがどのように役立つかを紹介します。
至高の真空管トーンをあらゆる音量で
エレキギターとクランク・アップされた真空管アンプのコンビネーションから生まれるトーンは、ギタリストにとって至福のサウンドです。真空管アンプの多くは、大音量で鳴らされた時にこそ、最高のサウンド・パフォーマンスを発揮します。しかし、この理想的なサウンドを得るためにはアンプの音量を上げる必要があり、多くの環境において実用的ではなく、耳にも大きな負荷がかかってしまいます。この問題を解決すべく生まれたのが、ロード・ボックスとアッテネーターです。
WAZA Tube Amp Expanderは、現代におけるパフォーマンスとレコーディングのニーズに合わせて、真空管アンプの可能性を拡張および強化する革新的なデバイスです。多くのユニークなギター・ツールを1つの便利なユニットにまとめることで、高価な機材や複雑な設定を必要とすることなく、高品位でクリエイティブな機能に簡単にアクセスすることができます。
可変式の「リアクティブ・ロード」と呼ばれる部分は、いわば、WAZA Tube Amp Expanderの心臓部です。BOSSの長年にわたり蓄積されたノウハウと最新技術を礎に、アナログ回路で設計されたこのリアクティブ・ロード部は、真空管アンプの活躍の場を拡げます。
ロード・ボックス – クランクアップ・サウンドを操る
エレキギターとクランク・アップされた真空管アンプのコンビネーションから生まれるトーンは、ギタリストにとって至福のサウンドです。真空管アンプの多くは、大音量で鳴らされた時にこそ、最高のサウンド・パフォーマンスを発揮します。しかし、この理想的なサウンドを得るためにはアンプの音量を上げる必要があり、多くの環境において実用的ではなく、耳にも大きな負荷がかかってしまいます。この問題を解決すべく生まれたのが、ロード・ボックスとアッテネーターです。
ロード・ボックスは、アンプのスピーカー・アウトと接続することで疑似的にスピーカーに接続している状態を再現することができ、この状態でドライブさせた真空管アンプのサウンドをPA/レコーディング機器などへライン出力する機材です。一部のロード・ボックスはスピーカーへの出力端子も備えており、ライン出力と同時にスピーカー・キャビネットを鳴らすこともできます。アッテネーターはロード・ボックスの一種で、アンプとスピーカーの間に接続し、パワー・アンプの後段で音量をコントロールする役割を果たします。
パワー・アッテネーターは、より専門的なロードボックスであり、スピーカーに到達する前にアンプの出力を抑える装置です。本質的には、アンプの後に設置されるボリューム・コントロールとして機能します。
ロード・ボックスやアッテネーターには一般的に2種類の設計があります。それぞれを見てみましょう。
「ロード・ボックスは、アンプのスピーカー・アウトと接続することで疑似的にスピーカーに接続している状態を再現します。」
ノン・リアクティブ・ロード(レジスティブ・ロード/抵抗負荷)—
このタイプは抵抗を用いて真空管アンプの出力を落とします。しかしアンプ回路や出力トランスとの複雑な相互作用にまで影響を及ぼしてしまうため、本来のサウンド・キャラクターを保つことが難しく、ボリュームを下げれば下げるほどトーンやフィーリングに意図せぬ変化が生じてしまう傾向があります。
リアクティブ・ロード(誘導負荷)—
このタイプは前者より複雑な回路を用い、アンプ回路や出力トランスとスピーカーの間に通常生じる相互作用を疑似的に再現します。このためアンプの動作環境はスピーカーに接続されている状態に近くなり、本来のサウンドやフィールにより近いニュアンスを再現することが可能です。
残念ながら、リアクティブ・ロードの多くは特定のスピーカーをシミュレートするため、全てのアンプに対応できるわけではありません。例えば、リアクティブ・ロード・ボックスがオープン・バックの1×12”スピーカーをシミュレートした設計の場合、4×12”キャビネットとペアリングされるタイプのアンプヘッドとはマッチングが悪く、期待するようなトーンやレスポンスを得られないケースがあります。過去にリアクティブ・ロードによって思うような結果が得られなかった場合、このマッチングの最適化がなされていなかった可能性があります。
インピーダンス・レスポンス—極上のサウンドとフィールの裏側にあるもの
アンプ回路や出力トランスとスピーカーの相互作用は非常に重要で、多くのプレイヤーが感じ取る真空管アンプのフィーリングを決定づける要素です。
プレイヤーがエレキギターを演奏する時、真空管アンプのアンプ回路や出力トランスとスピーカーは絶えず「対話」をしています。アンプからの信号を受けてスピーカーが振動する際、実はスピーカーも微量の電流をアンプへと戻し、更にその電流によってアンプの反応もまた変化します。この相互作用がプリ/パワー管の歪みと呼応することにより、まるで1つの生きもののような、アンプとスピーカーの複雑でダイナミックな動きが生まれます。この各パーツ間に発生する対話こそが、真空管アンプ特有のトーンと愛されるフィーリングを作り出している仕組みの正体です。
スピーカーはそれぞれ特有のインピーダンス特性を持っており、それらがアンプ側にもたらす作用も異なります。加えてキャビネットのタイプもこの相互作用に大きな影響を与えます。スピーカーの変更や、普段とは異なるスピーカー・キャビネットを使用した際に、その違いを実感したことがある方もいらっしゃることでしょう。スピーカーやキャビネットの変更はサウンドやフィールに多大な変化を及ぼし、まるで別のアンプをプレイしているような錯覚に陥るほどです。
「スピーカーへ、ダイレクト・アウトへ、USB出力へ、もしくはその全て同時に、理想のトーンを一切妥協することなく、あらゆる場面への適応が可能になります。」
BOSS 可変式アナログ・リアクティブ・ロードーあらゆるアンプとのペアリングで極上のトーンを
BOSSがTube Logicをベースに開発したWAZA Tube Amp Expanderは、リアクティブ・ロードの概念に革新を起こしました。一般的なリアクティブ・ロード・ボックスが固定値に設定されているのに対し、WAZA Tube Amp Expanderのリアクティブ・ロードはBOSS独自の回路設計により、今までにないレベルで疑似的にスピーカーへ接続された状態を再現します。出力トランスに影響を与えるスピーカーのインピーダンスをフレキシブルに設定することも可能、あらゆる真空管アンプとの接続で完璧なサウンドとフィーリングを再現することができます。また、アンプに使用するスピーカー・キャビネットの種類も4×12、1×12、4×10など多彩なラインナップが用意されており、さらにリアルなマッチングの実現が可能です。極限まで再現性を高めた結果、どのようなスピーカーと接続されていても、アンプ本来のフィールとナチュラルでインスピレーション溢れる極上のトーンを損なうことがありません。
オリジナルのWAZA Tube Amp Expanderはパネル上のResonance-ZとPresence-Zのコントロールで16種類のインピーダンス設定を選択することができ、最大出力150ワットまでのあらゆる真空管アンプに対応します。幅広い設定により様々なタイプのキャビネットとスピーカーに接続された状態をシミュレートすることができます。更には通常ではあまり目にすることのないスピーカーとキャビネットとの組み合わせにも挑戦することができます。設定の推奨値は本体天面に記載されており、いつでも即座に確認することが可能です。
理想のセッティングができたら、あとは思い切り演奏を楽しみましょう。内蔵のエフェクトなど様々な機能を活用しながら、スピーカーへ、ダイレクト・アウトへ、USB出力へ、もしくはその全て同時に、理想のトーンを一切妥協することなく、あらゆる場面への適応が可能になります。
シームレスな音量コントロールが可能なパワーアンプ・セクション
WAZA Tube Amp Expanderのもう1つの重要な機能に、従来のパッシブ設計によるアッテネーターでは成し得なかったアクティブなボリューム・コントロールがあります。パッシブ設計のアッテネーターは段階的に音量が落ちるため設定による差が激しく、リニアなボリューム設定が困難でした。また音量を下げれば下げるほどスピーカーへ送られる電流が抵抗によって制限されるため、トーンやフィーリングへ悪影響が出てしまうという問題も抱えています。
WAZA Tube Amp Expanderは、真空管アンプの自然なトーンとフィーリングを保つために、非常に洗練された回路設計が施されています。まず、リアクティブ・ロードによってアンプからの入力信号を最適化し、パワーアンプ・セクションへと送られ、スピーカー・アウトからスピーカー・キャビネットを鳴らすことができます。WAZA Tube Amp Expanderは、ステージ・シーンをサポートする100Wの高出力、WAZA Tube Amp Expander Coreは、小音量での自宅練習や録音に最適な30Wパワーアンプを備えています。
「アンプの“スイート・スポット”トーンを現代の演奏環境に則した音量で、いつでも楽しむことができます。」
ディスクリート・アナログ回路設計のパワー・アンプにより、これまでのアッテネーターでは困難だった、音質変化のない、無段階でスムーズな音量調節を可能にしています。ステージ、スタジオ、自宅など、あらゆる環境で真空管アンプの極上サウンドを維持したまま、直感的に最適な音量へと調整することができます。
Applications
ライブ・パフォーマンス
WAZA Tube Amp Expanderを真空管アンプのセットアップに追加することで、リグに新しい創造的なコントロールをもたらし、ライブ演奏時の可能性を大きく広げます。以下は、ライブ・パフォーマンスに活用できるいくつかの方法です。
- 高出力のアンプでも、あらゆるステージにおいて理想の音色を適切な音量で実現
- 出力が足りないアンプの音量を、ステージで十分なレベルまでブースト※
- 搭載した高品位のエフェクトやEQで、サウンドをカスタマイズ
- 手持ちのエフェクターをWAZA Tube Amp ExpanderシリーズのSEND/RETURNへと接続
- MIDI入力を活用して、エフェクトや音量をコントロール
- XLRのライン出力から、マイクを使用せず直接PAへと信号を送信
※WAZA Tube Amp Expanderの定格出力に耐えうるスピーカーをご使用いただくことが必要になります。
「WAZA Tube Amp Expander と WAZA Tube Amp Expander Core は、優れたスタジオ・ツールとしても活躍します。あなたの所有するあらゆる真空管アンプで、プロ・クオリティのギター・トラックを作成可能です。」
スタジオ・レコーディング
WAZA Tube Amp Expander と WAZA Tube Amp Expander Core は、優れたスタジオ・ツールとしても活躍します。あなたの所有するあらゆる真空管アンプで、プロ・クオリティのギター・トラックを作成可能です。レコーディングにおいてWAZA Tube Amp Expanderシリーズを活用する方法をいくつか紹介します。
- お気に入りのキャビネットでマイキングを行い、自宅に適した音量で真空管アンプのサウンドを録音
- 22種類のキャビネット・シミュレーションやキャビネットIRを用いて、直接DAWへと録音
- マイキングしたキャビネットとキャビネット・シミュレーションのサウンドを同時に録音し、ミキシング工程での選択肢を広げる
- キャビネット・シミュレーションやユーザー・キャビネットIRを用いる際、使用するキャビネット・タイプに合わせてリアクティブ・ロードを切り替え、真空管アンプの魅力を最大化
- ディレイやリバーブなど、WAZA Tube Amp Expanderの内蔵ステレオ・エフェクトをUSBまたはステレオのライン出力より録音
最高の演奏環境
クラシックな真空管アンプを用いた現代的なレコーディングとパフォーマンスを可能にするWAZA Tube Amp ExpanderとWAZA Tube Amp Expander COREはまさにゲーム・チェンジャーです。コンパクトかつポータブル、そして直感的な操作性を備えたこのパワフルなデバイスは、あらゆるプレイヤーに高い利便性をもたらすはずです。一度体験すれば、今まで使用していなかったことが不思議に思えてくるでしょう。