DS-1、SD-1、BD-2それぞれの違いとは?

DS-1 Distortion、SD-1 Super Overdrive、BD-2 Blues Driverは、BOSSの歪み系ペダルの中でも長きにわたり高い人気を誇るエフェクターです。それぞれどのようなサウンドで、どのように使われているのでしょうか。3つのペダルの違いを検証し、あなたに合っているペダルを探し当てましょう。

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DS-1、SD-1、BD-2それぞれの違いとは?

皆さんの中には、ギターを始めたばかりでオーバードライブやディストーション・ペダルの世界に足を踏み入れたばかりの人もいるでしょう。また、今のサウンドに何か新しいスパイスや質感を追加したいと考えているかもしれません。

今回紹介する、DS-1 Distortion、 SD-1 Super OverDrive、 BD-2 Blues Driverは、ロングセラーのペダルであり、どれも素晴らしいエフェクターです。

DS-1:BOSS初のディストーション

ディストーション系のペダルについて語る上で、まず話題に上げるべきはBOSS初のディストーションであるDS-1です。1978年の発売から今日に至るまで生産され続けている最も歴史のあるエフェクターで、歴史上最も売れているディストーション・ペダルと言っても過言ではありません。

DS-1の魅力はサウンドを聴いて頂ければすぐにわかるでしょう。象徴的なオレンジ色のペダルには、パンクやロックンロールのエネルギーが凝縮されており、エッジの効いた鋭いディストーション・サウンドが得られます。象徴的なオレンジ色のペダルには、パンクやロックンロールのエネルギーが凝縮されており、エッジの効いた鋭いディストーション・サウンドが得られます。DS-1の最大の功績は、このサウンド・キャラクター自体が楽曲やジャンルのキャラクターを決定付ける重要な役割を担ってきたという事です。今も尚オルタナティブ・ロックのカリスマとして絶大な人気を誇るKurt Cobainから、至高のテクニックでギターファンを魅了するJoe Satrianiまで、その音楽ジャンルの幅広さは多岐にわたります。

使用するギターやアンプの特性にあわせ、DISTノブで激しく歪ませ、TONEノブで音の明るさを調節すれば、豊かな倍音を含んだパワフルでエッジの効いた威厳のあるロック・サウンドが鳴り響きます。

 

SD-1:非対称クリッピングとアンプのようなトーン

1977年、BOSSはOD-1を発表。それまで唯一の歪みペダルの種類であったファズから、新たな音質の歪みとして登場したオーバードライブというジャンルのエフェクターでした。OD-1は“非対称クリッピング回路”を採用し、真空管アンプのオーガニックな音色とダイナミクスを再現。アンプを大音量でドライブさせないと得られなかったジューシーかつメロウな歪みサウンドを、ペダル型のユニットを接続することで小音量でも実現したのです。

1981年に発売されたSD-1は真空管アンプのようにドライブしたOD-1のサウンドに、トーン・コントロールを搭載し、音色調節を可能にしたモデルです。この新機能を搭載したことで、瞬く間に名機と呼ばれるようになりました。

では、どのようなサウンドなのでしょうか。SD-1の音色で特徴的なのは、中音域の“コブ”です。クリーンなギター・アンプで音を鳴らすと、SD-1は温かみのある滑らかなソフトな音色になります。クラシックなブリティッシュ・サウンドのように、アンプが持つ自然なコンプレッションとダイナミクスが得られるのです。このSD-1は、長きにわたってU2のthe Edgeのペダルボードの主力です。

もう一つ、SD-1の代表的な活用方法を1つご紹介しましょう。わずかに歪んだクランチ・サウンドのMarshallアンプをSD-1でブーストする使用例です。このサウンドは1980年代の多くのプロ・ギタリストたちが探し当てた理想的な音色の一つです。アンプの前段にSD-1を置いてONにすると、ハイゲイン・サウンド時に過度に強調されがちな高域と低域を抑え、中域を程よく持ち上げたサウンドが得られます。このサウンドは、ギターソロの演奏で他の楽器に埋もれない、抜けの良い音として高い評価を得ました。結果、SD-1はZakk Wylde (Ozzy Osbourne), Richie Sambora (Bon Jovi), Warren DeMartini (Ratt)といったギターヒーローたちから愛されることになったのです。

"エネルギーとハーモニーの余韻に溢れた、重厚でエッジの効いた威厳のあるロック・サウンドが生まれます"

BD-2:The Blue Blues Box

BD-2 Blues Driverは、その名の通りエモーショナルなギタリストに最適なパートナーです。表現力豊かなゲイン回路は、ピッキングの強さによる音色の変化まで自然に反応します。

音のキャラクターは、SD-1とDS-1の中間に位置と言えるでしょう。BD-2はSD-1よりもアタックが鋭く、より明るく、中音域を抑えたサウンド。クラシックなコンボ・アンプを彷彿させるような力強いドライブ・サウンドは多くのギタリストを虜にしています。また、BD-2には驚くほど豊富なゲインを持ち合わせているので、クリーン・ブーストからファズに近い領域まで、多彩なサウンドを得ることができます。

1995年のデビュー以来、多彩なジャンルのギタリストから愛されており、John Mayer Trio時代のJohn MayerやPrinceなど多くの愛用者がいます。

"気に入ったペダルを色々と組み合わせてみることで、独自のドライブ・サウンドを生み出すのも歪み系ペダルの醍醐味のひとつです"

気に入ったペダルを組み合わせる楽しさ

この記事がエフェクター選びの参考となれば幸いです。ここで、最後の重要なポイントをお伝えします。それは、エフェクターは1つだけに絞る必要はないということ。気に入ったペダルを色々と組み合わせてみることで、独自のドライブ・サウンドを生み出すのも歪み系ペダルの醍醐味のひとつです。この話については、また別の機会に。いずれにしても、これらの歪み系ペダルを使ってぜひ爆音を出してみて欲しいですね。

Ed Lim

自身を生粋のギターオタクと呼ぶ、ローランド・オーストリアのプロダクト・マネージャー。愛猫家、写真家、そして非常勤の航空宇宙技術者など幅広い一面を持つ。