BOSS TU-3がツアー・プロ御用達のチューナー・ペダルと呼ばれる理由

BOSS TU-3がツアー・プロ御用達のチューナー・ペダルと呼ばれる理由

世界の一流プレイヤーに選ばれているチューナーとして知られるBOSS TU-3。この伝説的なユーティリティ・ペダルが業界標準のツールであり続ける理由を探ってみましょう。

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BOSS TU-3やその前身であるTU-2は、20年間にわたり世界中のミュージシャンに愛用されてきたステージ・チューナーです。世界を飛び回るギタリストやベーシストのペダルボードでは、エフェクト・ボードの先頭に配置されたTUペダルをよく見かけます。楽器のチューニングはライブ中の重要な作業で、彼らはいつでも使用できる状態にする必要があります。この伝説的なBOSSのユーティリティ・ペダルが、世界中のプレイヤーにとって業界標準のツールとなった理由を、7つのポイントで紹介します。

簡単な操作方法

ステージ上で演奏するとき、プレイヤーは複雑な設定や気が散る要素をなるべく避ける必要があります。特にチューニングは、演奏中に頻繁に確認・微調整しなければならないため、信頼性が求められます。プレイヤーたちがTU-3を好む理由は、応答が速く表示が見やすいため、演奏の流れを止めずに素早くチューニングができ、音楽に集中できるからです。

2015年、Premier GuitarのRig Rundown動画インタビューで、名ギタリストの Tommy EmmanuelがTU-3について次のように語りました。「ステージではこのBOSSのクロマチック・チューナーを使っています。みんなこれを持っていて、ステージ上で最高のツールです。好きな理由は、シンプルだからです。ライトが赤ならチューニングが外れていて、緑なら問題ありません。ただ、それだけのことです。例えばG弦が432Hzで振動しているとか、そういう細かいことは知る必要ありません。ただ、チューニングが合っているかどうか分かることが大切で、そのために、ステージではシンプルにしておくんです」

「TU-3のシンプルさの鍵となるのが、ほとんどのステージ環境でも対応する、幅広く明るいディスプレイです」

アキュピッチによるクリアで明るいディスプレイ

TU-3のシンプルさの鍵となるのが、幅広く明るいディスプレイです。ほとんどのステージ環境で非常に視認性が高く、チューナーの真上に立っていなくても簡単に確認できます。直射日光や強い照明下で演奏する際も、他のチューナーではディスプレイが見えづらくなってしまうことが多いですが、TU-3では高輝度モードに切り替えることで問題なく使用できます。

TU-3は、±1セントの精度でチューニングを提供し、様々なディスプレイ・モードや操作モードを備えているため、プレイヤーの好みに合わせた使い方が可能です。特有のAccu-Pitch Sign機能を有効にすると、ストリーミング・インジケーターが表示され、正確なピッチに達したことが明確に示されます。

BOSSならではの耐久性

BOSSのコンパクト・ペダルは耐久性に優れており、TU-3もまた壊れにくいボディを備えています。この高い信頼性により、TU-3はどんなに過酷なツアー環境でも、何年にも渡って問題なく使用することができます。

より良いサウンドを実現

TU-3は単体で音を出すことはありませんが、長いケーブルを使用したりトゥルー・バイパス・ペダルを接続する際に楽器の音色を向上させます。これは、ペダルの出力をロー・インピーダンスに変換する高品質なシグナル・バッファーが回路に含まれているためです。その時点から、音色はパワフルでクリーンな信号に保たれ、信号バッファーが存在しない場合に発生する高域のロスや、全体的な音色の鈍りを取り除きます。

「TU-3は単体で音を出すことはありませんが、長いケーブルを使用したりトゥルー・バイパス・ペダルを接続する際に楽器の音色を向上させます」

ケーブルの静電容量がもたらす悪影響や、信号のバッファリングが重要な理由については、ギタリストのPete Thornとギター職人のThomas Nordeggのインタビュー・ビデオをご覧ください。

内蔵型ミュート機

TU-3のペダル・スイッチを踏んでチューナーを作動させると、出力が自動的にミュートされ、観客に聞こえることなくチューニングできます。また、ステージ・ギターを持ち替えたり、休憩を取ったりする際にもミュートにできます。

他のペダルに電力を分配

TU-3のもう1つの便利な特徴は、DC出力端子を装備していることで、このペダルをボード上の他のエフェクターへ電源供給することができます。PSA-100SパワーサプライPCS-20AパラレルACアダプター電源供給用コードを使用すれば、多数のBOSSコンパクト・ペダルに電源を供給できます。

一言メモ:TU-3のDC出力端子を使用する際は、破損を避けるため、対応するPSAアダプターをご使用ください。

「小型なTU-3Sは、フットスイッチを搭載していないため、常時ONにしたセットアップに適しています」

異なるリグに対応する様々なモデル

スタンダードなTU-3に加え、現在のBOSSのラインナップには、様々なセットアップに対応する2種類のTUペダルのバリエーションがあります。

TU-3W:BOSS Waza Craftシリーズの1つで、スタンダードなTU-3のチューニング機能はそのままに、プレミアムなシグナル・バッファーと、リア・パネルのスイッチでバッファー回路をバイパスできるブラック・モデル。

TU-3S:TU-3の小型バージョンで、オンボード・フットスイッチ搭載していないため、常時オンのセットアップに最適です。ES ループ・スイッチャーFV-500H/FV-500LFV-30Hボリューム・ペダルなど、独立したチューナーOUTを搭載した機材と組み合わせてお使いください。

クリップ・オン・チューナーを探しているなら、BOSSの様々なモデルの中からお気に入りのTUシリーズを見つけられるでしょう。

Jim Bybee

BOSSとRolandのシニア・グローバル・コンテンツ・ライター。ギターから、編曲、プロデューサー、オーディオ・エンジニアまでこなす、機材オタク。