BOSS RT-2 Rotary Ensemble and model logo

RT-2 Rotary Ensembleの5つの創造的な活用方法

RT-2の5つの活用法を知り、ロータリー・スピーカーがもたらす豊かなサウンドをあなたのリグに取り入れましょう。

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BOSSは1976年のCE-1 Chorus Ensembleリリースによってエフェクトの新たなカテゴリーを開拓し、さらに1977年のコンパクト・ペダル発売による革新を起こして以来、数十年に渡りモジュレーション・エフェクトの最前線に立ち続けています。フェイザーやフランジャー、トレモロ、ビブラート、コーラスなどのエフェクターは今ではペダルボード上ではおなじみの存在になっていますが、残念ながらロータリー・エフェクトはまだそこまでポピュラーにはなっていません。RT-2 Rotary Ensembleは、BOSSが初めてこの伝統的なサウンドをコンパクトの筐体に納めたペダルであり、これによって今後よりペダルボードに収まりやすいエフェクターへとなっていくことでしょう。

回転がもたらすロータリー・エフェクト

ロータリー・エフェクトは魅惑的な音響効果でありながら、捉えどころのないサウンドの1つです。このサウンドは電子回路から生まれるわけではなく、回転するスピーカーを搭載したキャビネットからの、物理的な空気の動きから発生しています。

これはドップラー効果によるもので、高音域を再生するトレブル・ローターと低音域を再生するベース・ローターのピッチと振幅が滑らかにシフトすることで、リッチで立体的なサウンドを生み出しています。ロータリー・エフェクトが生み出すモジュレーションは、複雑で生き生きとしたサウンドとなり唯一無二のもの。RT-2 Rotary Ensembleがあればこの独自のサウンドを足元でコントールすることが可能になります。

「ロータリー・エフェクトが生み出すモジュレーションは、複雑で生き生きとしたサウンドとなり唯一無二のもの。」

ロータリー・スピーカーがもつ不朽の伝統と、BOSSの長年にわたるエフェクターへの探求心を基盤とするRT-2は、リッチかつ繊細なニュアンスと深みをもったロータリー・サウンドを提供します。

繊細な動作から激しい動きまで、コンパクト・サイズながら幅広いニーズを満たすことができます。

伝説のサウンドをコンパクト・サイズで

BOSS RT-2は、おなじみのコンパクト・ペダルの筐体に多彩な機能を搭載しており、なおかつそれらを簡単にコントロールできるように設計されています。ギターのようなモノラルの楽器はもちろん、INPUT、OUTPUTともにステレオ対応となっており、キーボードなどのステレオの楽器にも完全に対応できるようになっています。

オプションのフットスイッチをSPEED端子へ接続すれば、回転速度の変化(SLOW、FAST、およびBRAKE機能)を制御可能。またエクスプレッション・ペダルを接続すれば、ローターの回転速度をリアルタイムに操作するのはもちろん、DRIVE、LEVEL、BALANCEなど任意のパラメーターを操作するように設定することも可能です。

「BOSS RT-2は、おなじみのコンパクト・ペダルの筐体に多彩な機能を搭載しており、なおかつそれらを簡単にコントロールできるように設計されています。」

RT-2 Rotary Ensemble rear control panel

本体ペダルスイッチの動作は好みに合わせて4タイプから選択可能。また二軸のノブを採用することでFAST、SLOW、DRIVE、LEVELの4つのパラメーターを搭載しており、瞬時に好みのセッティングを行うことができます。さらにリア・パネルにはRISE/FALL TIME(SLOWまたはFAST)の選択スイッチとDRIVEノブをDRIVE操作に使用するか、BALANCEの操作に使用するかを選択するスイッチも搭載。幅広くパラメーターを調整することが可能です。

また本体中央のバーチャル・ロータリー・ディスプレイはローターの動きを視覚的にシミュレート。トレブル・ローターは赤、ベース・ローターは青で回転速度を表します。

「本体中央のバーチャル・ロータリー・ディスプレイはローターの動きを視覚的にシミュレート。」

RT-2 Rotary Ensemble Mode switch

モードIはレスリー122の伝統的なキャラクターを忠実に再現しています。温かく有機的なサウンドで、あらゆる楽器で使える汎用性を備えています。

モードIIはモードIのサウンドをベースによりレンジを広げ、歪みエフェクトとマッチしやすいオープンなサウンドに仕上げています。

モードIIIはよりギアをあげたようなモードで、DRIVEノブの可変域拡張による深い歪みと、強い回転感による印象的なサウンドが特徴になります。

「モードIはレスリー122の伝統的なキャラクターを忠実に再現しています。」

BOSS RT-2 Rotary Ensemble in studio

RT-2 Rotary Ensembleの5つの使用法

1. ブルースとブルース・ロック向けの使用方法

ロータリー・スピーカーの渦巻くようなサウンドで、12小節のグルーブに新しい命を吹き込んでみましょう。RT-2を使用すれば、ブルースやブルース・ロックのソロに分厚さを加えたり、スローテンポのリフに絶妙な揺らぎを加えたりすることができます。

モードIIIに切り替えてDRIVEノブを時計回りに上げていくと、ヴィンテージ・アンプをブースターでプッシュした時のサチュレーションを彷彿させる、エッジの立ったサウンドメイクも可能。Stevie Ray Vaughanにthe Allman BrothersとHendrixの要素をプラスしたようなサウンドを想像してみてください。

回転速度を低めに設定すると、ベンディング時やサステイン音に印象的な揺らめきを加えることができ、マイナー・ブルースのソロに最適です。リズム・ワークを厚くしたい場合はFASTスピードに切り替えましょう。ローターが激しく回転し、嵐のようなサウンドを生み出します。

さらにBOSS EV-30 (別売)などのエクスプレッション・ペダルを接続すれば、よりコントロール性を高めることが可能。瞬時に速度を変えるのはもちろん、設定を変えることで演奏中にトレブル/ベース・ローターのバランスを調節したり、歪み量や音量を操作することも可能です。

「RT-2はさまざまなスタイルのブルースに熱を吹き込むことができます。」

2. シューゲイザーとドリーム・ポップ向けのサイケデリックな回転

RT-2は、シューゲイザーやアンビエント系のサウンドを好むプレイヤーへもお勧めのペダルです。細部まで再現されたロータリーの動きが、シネマティックな音像を作り出す手助けとなるでしょう。リバーブやディレイを重ねれば、回転感のともなうサイケデリックな世界が無限に広がります。

サウンドに空気感や奥行きを求めるプレイヤーにとって最適なツールになるでしょう。

ローターのスピードをFASTに切り替えDRIVEを最大にすると、個性あふれる力強いサウンドを得ることができます。またミックスの際にRT-2のステレオ出力を活用すれば、新次元のサウンドを体感することもできるでしょう。シンプルなメロディーに、滑らかなモジュレーションを加えるのもお勧めです。

レイヤーやダイナミクスを重視するミュージシャンにとって、RT-2は最良のパートナーになるでしょう。

「RT-2は、シューゲイザーやアンビエント系のサウンドを好むプレイヤーへもお勧めのペダルです。」

3. オルタナティブ・ロックでの荒々しい使用方法

オルタナティブ・ロックでは、荒々しさや壮大さを表現するためにロータリー・サウンドを活用するプレイヤーが多いです。RT-2のDRIVE/BALANCEスイッチをDRIVEに設定し、モードIIを選択すると、サチュレーションのスイートスポットをワイド・レンジなサウンドで自在に操ることができます。心のこもったリード・サウンド、エネルギッシュなバッキング、楽曲のフック部分など、あらゆる演奏に活用できます。

RT-2を使用することで倍音の動きをもたらし、シンプルなコード進行でさえも優雅で勢いのあるものにします。

本体スイッチをSLOWとFASTを切り替えたり、エクスプレッション・ペダルを接続することでローターの速度を操ることができます。またBOSS FS-5UFS-6FS-7 (すべて別売)などの外部フットスイッチを接続して、SLOW、FASTの切り替えをそちらで行ったり、BRAKE機能を活用することもできます。

これらの便利なオプションを活用すれば、RT-2を高度にコントロールすることが可能。どのようなプレイの際もバーチャル・ロータリー・ディスプレイが回転速度を正確にフィードバックしてくれます。

「オルタナティブ・ロックでは、荒々しさや壮大さを表現するためにロータリー・サウンドを活用するプレイヤーが多いです。」

4. 楽曲制作や映画音楽に

ステレオ対応のロータリー・エフェクトは、映画音楽やゲームのサウンドトラック、アンビエント・ミュージックなどに彩りや深み、空間の奥行きを加えるのに欠かせません。RT-2はローターの音量バランスやRISE/FALL TIME、SLOW/FASTの切り替えといった様々なパラメーターを調節することで、スタジオ・グレードのモジュレーションを指先で自在に操ることができます。

コンポーザーはシンセ・パッドに深みを与えたり、サンプリングされた楽器に有機的なゆらめきを与えたり、シンプルなピアノ・フレーズをユニークで没入感のあるサウンドへ変化させたりすることができます。

エクスプレッション・ペダルにBALANCEパラメーターをアサインすれば、トレブル・ローターとベース・ローターの音量バランスを微調節することができるようになります。楽曲に緊張感を与えたり、またはサビに解放感を加えたりするのにお勧めです。

またこのペダルはギタリスト専用ではありません。シンセ・サウンドやストリングス、さらにはボーカルとも美しく調和します。ムーディーな楽曲でも、異世界を思わせるSF音楽でも、RT-2は静的なサウンドに3次元的な動きを加え、生き生きとした印象を与えます。

「ステレオ対応のロータリー・エフェクトは、映画音楽やゲームのサウンドトラック、アンビエント・ミュージックなどに彩りや深み、空間の奥行きを加えるのに欠かせません。」

5. モダンなジャズフュージョンでの使用方法

現代のジャズ・ギタリストやフュージョン・プレイヤーは卓越した表現力を持っていますが、RT-2は彼らの世界にも自然に溶け込みます。穏やかなトレモロのようなサウンドから、大体なロータリー・オルガンのようなサウンドまで、RT-2はタッチやフレージングにダイナミックに反応します。

モードIではクリーンでクラシックなロータリー・トーン、モードIIIではより深く歪んだサウンドになり、音数の多いアンサンブルの中でもプレイを際立たせることが可能です。

RT-2を2台のアンプに接続すれば、温かさや広がりなど空間を操る魔法のような相互作用が得られます。フレージングの流れに合わせてFASTとSLOWのスピードを個別に調整すれば、演奏に合わせて動くモジュレーション・エフェクトが得られます。

RT-2は、ステージでのパフォーマンスでも、スタジオでのトラッキングでも、あなたの演奏をソウルフルで洗練されたものにします。

「RT-2を2台のアンプに接続すれば、温かさや広がりなど空間を操る魔法のような相互作用が得られます。」

時代を超えた魅力

スモーキーなブルース・トーンや臨場感あふれるアンビエント・サウンド、あるいは鋭く研ぎ澄まされたオルタナティブ・サウンド。RT-2 Rotary Ensembleは、全く新しい次元のサウンドの探求へあなたを誘います。緻密なモデリングと柔軟な操作性を備えたこのBOSSコンパクト・ペダルは、ロータリー・スピーカーの時代を超えた魅力をあなたの足元にお届けします。

各モードや各パラメーター、そして様々なコントロールは、演奏スタイルを問わず、新鮮なアイデアと新たなテクスチャーを生み出すために調整されています。RT-2の特徴は、あらゆる音楽スタイルに自然に溶け込みながら、大胆な空間演出と動きを表現することにあります。

ヴィンテージ・ロータリーのようなクラシックな温かみのある音から、現代​​のステレオ・セッティングに見られるような広がりのある包み込むような音まで、RT-2のロータリー・サウンドは他に類を見ない深みとクオリティをもっています。ロータリー・サウンドはジャンルや楽器を問わず、音楽の世界に溶け込む力を持っています。RT-2なら、そのサウンドをかつてないほどの明瞭さとリアルさで実現します。

Rod Brakes

BOSSのブランド・コミュニケーションおよびコンテンツ企画担当。過去にはGuitar WorldやMusic Radar、Total Guitarを始めとする数々の音楽メディアでの執筆経験があり、アーティストや音楽業界、機材に関する幅広い知識を持つ。彼自身も生粋のミュージャンである。