ギターの練習方法は日々変化しています。少し前までは、教則本の前に座り、ギターをアンプからもしくは生音で鳴らして、別の機材で楽曲を再生するが一般的で、それぞれのバランスをとるのに苦労したものです。その後、YouTubeや配信環境の発展により、あらゆるジャンルやプレイ・スタイルの音楽にアクセスできるようになり、動画コンテンツから学んだりすることが、身近になりました。そして、Pocket GTがギターの練習環境を新たなステップへと導きます。
現代のギター練習
Pocket GTは現代のニーズにマッチする練習ツールです。GTシリーズから移植した100超えるアンプ/エフェクトを搭載し、さらにBluetoothで連携したエディター・アプリBOSS Tone StudioからYouTubeをストリーミングしたり、USBオーディオ・インターフェイスとしても活用できます。つまり、このスマートホン・サイズの筐体に、練習からセッション、レコーディングに必要な全ての機能が詰まっています。そのパワフルな機能を使った活用方法を見てみましょう。
操作に慣れよう
Pocket GTは幅広い機能を備えています。まずは、ベーシックな使い方から紹介していきます。最初に本体を梱包箱から出して、インプットにギターを接続しましょう。そして、ヘッドホンをアウトプットに接続し、サイドにあるボリュームを上げてください。メイン・パネルのVALUEノブを回すことで、99のプリセットにアクセスできます。また、小さい3つのノブとSELECTボタンからは、アンプのセッティングや、オーバードライブ、モジュレーション、ディレイの調節をすることができます。
プリセットをベースにまずは内蔵のサウンドを試してみましょう。
よりスマートに
準備が整ったら、iOSもしくはAndroidデバイスに、BOSS Tone Studio for Pocket GTをインストールしましょう。アプリを開く前に、デバイスの設定からPocket GTとBluetooth Audio接続が必要になります。この設定は一般的なBluetoothデバイスとスマートホンとの接続方法と全く同じです。スマートホンのデバイス設定を開き、Pocket GTのBluetoothペアリング・ボタンを長押し。そして、POCKET GT AUDIOがデバイス上に現れたら、それを選択してください。接続が終わったら、BOSS Tone Studioアプリを起動し、アプリ上の案内に沿ってBluetooth MIDIの設定をしたら、プレイ開始です。
Tone Studioを活用
BOSS Tone Studio for Pocket GTアプリは、大きく分けて以下4つの機能を提供します。
- 音色エディター(トーン作成や調整)
- セッション(YouTubeの再生や設定)
- ライブラリアン(プリセットやバッキング・トラックの管理)
- Tone Central(追加音色のダウロード)
音色の編集
アプリの画面上部に、現在選択されているメモリーの番号と名前が表示されています。その下に複数のエフェクト・ブロックで構成されるシグナル・チェインが表示され、それがエフェクトとアンプの組み合わた仮想リグです。各ブロックをタップすることで、オン/オフすることができ、薄くグレーで表示されていればオフの状態を意味しています。各ブロックの詳細設定を行いたい場合は、該当のブロックを長押しするとセッティング画面が表示され、エフェクト/アンプのタイプの変更やパラメーターを設定することができます。設定が完了したら、戻るの矢印でメインのシグナル・チェイン画面に戻れます。右上のWRITEをタップして設定を保存しましょう。
スマートホンに触れることなく、楽曲の展開に合わせてトーンに変更
YouTubeを使ってセッションしよう
Pocket GTとTone Studioアプリの最も特徴的な機能として、セッション画面があります。そこからレッスン用にYouTubeやバッキング・トラックなど独自のプレイリストを作成することができます。操作は簡単。セッション・リストにYouTubeのURLをコピーするだけです。各ビデオの再生方法や、タイトル、順番の変更もできます。また、ビデオのオーディオはギターの信号と一緒にヘッドホン端子から出力されます。
さらに、マーカー呼ばれるという画期的な機能も搭載しています。ビデオの好きなタイミングにマーカーを付けることができ、マーカーをセットした場所だけを繰り返し再生して、簡単に反復練習を行うことができます。また、マーカー・ポイントに、予めどのメモリーの音色を使用するかをセットすることもできます。つまり、スマートホンに触れることなく、楽曲の展開に合わせてクリーンからオーバー・ドライブのトーンに変更したり、ソロではブーストされたリード・トーンにすることも可能です。
センター・キャンセル機能により楽曲のセンターに位置する音の音量を減らして、自身のギター・プレイがサウンドの中心に
豊富なメモリー
Pocket GTは99のプリセットを搭載し、すぐに使える実践的なギター・トーンを豊富に内蔵しています。また、Tone StudioアプリからTone Centralにアクセスすることで、追加音色をダウンロードすることも可能です。
センター・キャンセル
YouTube上には、ジャムにぴったりな何千ものギター・バッキング・トラックが存在します。しかしながら、ソロが予め入っている音源はどうしたらいいでしょうか?Pocket GTはセンター・キャンセルという機能を備えています。本体側面にあるスイッチをオンすることで、再生中のビデオとAUX INからのオーディオでセンターに位置する音の音量を大幅に落とすことができます。そうすることで、キャンセルされた音に代わって自身のギター・プレイを際立たせて、演奏を楽しめます。
USB接続してギターのドライ・サウンドを録音から、内蔵アンプ/エフェクトを活用したレコーディングやリアンプまで対応
インターフェイス機能
Pocket GTは練習やジャム・セッションの機能に加え、DAWレコーディングのための高品質かつ低レイテンシーのインターフェイス機能も備えています。USB接続してギターのドライ・サウンドを録音から、内蔵アンプ/エフェクトを活用したレコーディングやリアンプも可能です。また、ヘッドホンからギターのサウンドと共に録音済みのトラックを確認することもできます。このようにPocket GTは、ポータブルなレコーディング・ツールを探しているプレイヤーにも最適な1台です。