ニュー・メタルの派手な美学によって、ジャンル特有の素晴らしいギター・テクニックは隠れてしまいがちです。その代表的な例が、2001年の『Infest』に収録されたPapa Roachの「Last Resort」でのJerry Hortonの耳に残るリフです。この曲はニュー・メタル特有のラップ・ロックスタイルを詰め込んでいますが、そのリフは「Smoke On The Water」や「Iron Man」のように、時代や曲自体を超えて色あせることなく響いています。
楽曲について
「Last Resort」がリリースされた年、KornやLimp Bizkitが築いたシーンに続いて、多くのニュー・メタルバンドが活動していました。その中で新しい存在が突き抜けるには、圧倒的な魅力が必要です。そして、それを持ち合わせていたのが「Last Resort」でした。Hortonの印象的なリフのおかげで、この曲はUS Billboard Modern Rock Tracksチャートで1位を獲得し、アルバム『Infest』はトリプル・プラチナに輝きました。この成功が、今も続くPapa Roachのキャリアを確立したのです。
楽曲の解説
「Last Resort」に影響を受けたギタリストは数え切れません。みんなドロップDにチューニングしたギターを手に取り、あのリフを弾こうと挑戦しました。しかし、すぐにそのリフが異常なスキルを伴っていることに気付かされます。一見シンプルに聞こえますが、実際には指を巧みに動かさなければならず、多くのパワーコードのカッティングはルート音と4度の形を中心に展開されています。細部へのこだわりとクリーンな演奏技術が、この曲を完璧に弾くためのカギとなります。
特に有名なメイン・リフは、ベース音が動く8音の繰り返しフレーズ。16分音符のリズムでひたすら刻まれ、ストリングス・キッピングや開放弦、ブリッジ・ミュートが多用されます。正確なピッキングと安定したリズム感が求められ、すべての音をクリアに鳴らすことがポイントです。
「この曲の代表的なリフは、ベース音が動く8音の繰り返しフレーズが特徴です」
細部へのこだわりが求められるのは、曲全体のリフを弾くときです。イントロ、サビ、ブリッジでは、ニュー・メタルらしいパワー・コードとオクターブ奏法がバランスよく使われています。ただし、よく聴くと、それぞれのセクションでコード進行が少しずつ変化しているのがわかります。さらに、曲の終盤にしか登場しない、低音を効かせたブリッジ・ミュートのアクセントも隠れたポイントです。
特徴的なフレーズを学ぶ
この動画では、Marty’s Musicが「Last Resort」を徹底解説しています。象徴的なリフから、パワー・コードとオクターブを駆使したサビやブリッジまで、曲のすべてをカバーしています。特に重要なのは、それぞれのコード進行の違いを聞き分けるポイントを教えてくれること。そして、そのサウンドを完璧に再現するための、特別に調整されたBOSS KATANAのカスタム・パッチを使用している点です。
「Jerry Hortonは、中音域が際立つ歯切れのよいトーンを好んでいました。そのおかげで、スピーディーなリフの一音一音がクリアに響きます」
Hortonのトーンは意外なほどクリアです。激しく燃え上がるようなサウンドではありますが、当時の多くのプレイヤーが頼ったような分厚いハイ・ゲインのレクチファイア系サウンドではありません。代わりに、中音域が際立つ歯切れのよいトーンを好み、スピーディーなリフの一音一音をクリアに響かせています。このクリーン寄りのサウンドが、リフを弾くのを難しくしている要因のひとつであり、同時にこのフレーズが象徴的な存在になった理由でもあります。
曲をじっくり研究したら、BOSS TONE EXCHANGEでKATANA用のパッチをダウンロードしてみましょう。あの2000年代を代表するギターリフにあなたも挑戦してみてください。
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BOSS KATANA用「Final Resort」パッチ
- Papa Roachの「Last Resort」スタイル