Pedal Partners:EQと他のエフェクターを組み合わせましょう

Pedal Partners:EQと他のエフェクターを組み合わせましょう

EQペダルは一見シンプルに見えますが、ペダルボードの大きさに関わらず、取り入れるべきアイテムです。この必要不可欠なエフェクトの使い方について紹介します。

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あらゆる用途に適した精度の高い音色を実現させるツールと言えば、EQペダルです。EQを加えることで、ギタリストの音の特異性とコントロール性が高まります。EQペダルの活用方法は無限にあり、簡易的なものもあれば直感に反するものもありますが、どれも素晴らしい効果を生み出します。一見シンプルなEQペダルですが、ペダルボードの大きさに関わらず、取り入れるべきアイテムです。

鍵は”配置”

他の多くのエフェクトとは異なり、EQはペダルボード上のいくつかの位置で、それぞれの効果を発揮します。その配置によって、EQがもたらす効果は大きく変わってくるでしょう。EQはサウンドを拡張性を持たせることができる非常に汎用的なペダルです。シンプルにトーンの補正としての使い方から、他のエフェクトをドライブさせ、新たなサウンドの可能性を見出すこともできます。

PEDAL COMBINATIONS

オーバードライブ 

オーバードライブ・ペダルは優れたペダルボードを完成させるための要です。ギタリストなら誰もが理想のオーバードライブ・サウンドを掲げていますが、プレイヤーの多くが複数の音色を必要としている傾向があります。曲の盛り上げたい部分には、常に力強さが必要となってきます。EQペダルは標準的なドライブ・トーンの核となる音色の特性に影響を与えることなく、愛用するオーバードライブの個性をさらに引き出す素晴らしいアイテムです。

「中域をブーストすることで、エフェクトがミッドレンジの明瞭さを維持し、アンサンブルでのギターの存在感が強調されます。」

それではまず、オーバードライブの前に EQ ペダルを置きます。次に中域(400 Hz-1.6 kHz付近)をわずかに持ち上げ、EQペダルのマスターレベル出力を適度にブーストします。この設定によってオーバードライブ・ペダルのGAINが押し上げられ、音色全体に厚みのあるドライブ感が生まれます。中域をブーストすることで、エフェクトがミッドレンジの明瞭さを維持し、アンサンブルでのギターの存在感が強調されます。

おすすめのペアリング 

  • BOSS GE-7 × DS-1
  • BOSS GE-7 × BD-2W  

ファズ 

ファズ特有の荒々しい歪みと折り重なる倍音は、登場した60年代初期からギタリストを魅了し続けています。ソロを演奏する場合、どんな設定においても大半のファズは素晴らしい音を奏でますが、ドラマーやベーシストが加わると、アンサンブルでファズの音は引っ込んでしまう場合があります。

これはRock ’n’ Rollの歴史における代表的なファズの音色が、ミッドレンジを極端に削られてしまっているからです。ゲインによって生み出される自然なコンプレッションとお互いに作用しあって、ファズはノイジーなバンドに対してバランスを取るのが難しくなる場合があります。

「ファズ自体の本質的な音色加工を過度に変えることなく、聞こえなくなってしまった周波数を慎重に取り戻すことができます」

しかし、心配はいりません。EQペダルを使えば、お気に入りのファズの魅力を最大限に引き出すことができます。ファズ自体の本質的な特性を過度に変えることなく、聞こえなくなってしまった周波数を慎重に取り戻すことができます。シグナル・チェーン上では、EQペダルをファズ・ペダルの後に配置します。そして、800Hz~1.5kHzあたりをブーストしてみてください。ハイ・ミッドを押し上げることで、ファズの音色の特性を維持しながら、ベースやドラムの周波数より上の帯域を強調することができます。また、アンサンブルでの音抜けを良くする効果もあります。

おすすめのペアリング 

  • BOSS GE-7 × FZ-1W

ディストーション

現代的なギターの音色に欠かせないエフェクトと言えば、ディストーションです。この種のエフェクトの真髄はゲインですが、大胆に設定されたEQが大きく影響してきます。ディストーション・ペダルが自然と馴染むように正確なミックスを施すことはとても重要です。多くの場合、ディストーションはトーンの調節ができるようになっていますが、一般的にトーン・コントロールが1つしか装備されていないペダルも多いです。しかし、EQペダルを後に配置することで、ディストーション・ペダルの音の可能性を広げることができます。

極端に歪んだ音色を作るための一般的な方法をひとつ紹介します。まず、EQペダルを使って中音域を抜き、低音域とハイ・ミッドをブーストします。特定の周波数の音量を上げると不要なノイズも上がってしまう場合があるので、好みに応じて行ってください。

「この種のエフェクトの真髄はゲインですが、大胆に設定されたEQが大きく影響してきます」

しかし、EQを減算的に使うことは可能です。中音域を400Hz~1.6kHzの間で下げて、次に3.2 kHzあたりと低域の100 Hz~200 Hzの間に、ゆるやかに持ち上げます。その結果、太いロー・エンドと突き抜けるようなハイ・エンドを持つ、太くて現代的な、厚みのあるディストーションの音色が完成します。

おすすめのペアリング 

  • BOSS GE-7 × HM-2W
  • BOSS GE-7 × MT-2W

リバーブ 

リバーブ・ペダルは、ギタリストにとって何にも変え難いツールです。しかしアンプによってはエフェクト・ループが付いていないため、リバーブ・ペダルをアンプの前段に接続する必要があります。クリーンを得意とするアンプやプレイヤーが暗いリバーブの音を好んでいる場合は問題ありません。ですが、エフェクト・ループを使用した場合と比べて、リバーブの残響がぼけて、輪郭がはっきりしなくなることがよくあります。

EQペダルはこのような状況を解決してくれます。リバーブの後に配置することで、EQはリバーブの音像を操作する追加レイヤーとして機能します。高音域を軽くブーストし、低音域を少しカットすることで、ディレイの残響をクリアにすることができます。EQペダルがアンプのプリアンプの濁りを打ち消すと考えてください。アンプがリバーブの音色に影響を与えることに変わりはありません。しかし、音の明瞭度をさらに高めることで、リバーブの音色をクリアで明瞭に保つことができます。

おすすめのペアリング 

  • BOSS GE-7 × RV-6
  • BOSS GE-7 × RV-500

「リバーブの後に配置することで、EQはリバーブの音像を操作する追加レイヤーとして機能します」

音色を拡張し、滑らかにもする

EQは様々な種類のエフェクターと相性の良いペダルですが、実際は他のエフェクターの魅力をさらに引き出す、補助的な役割を担うことがほとんどです。EQの使用法には、無限の可能性が秘められています。レコーディング・スタジオでもステージでも、エフェクト・ループでもアンプのフロントでも、EQペダルはあらゆるセットアップを最大限に高める必須エフェクトです。

Joe Branton

JoeはポッドキャストGuitar NerdsのMCを務め、10年間に渡って毎週放送を続けてる世界で最も配信を行っているギタリストの一人です。