
BOSSは数十年にわたるモジュレーションのノウハウを基に、この捉えどころのないロータリー・サウンドを現代のプレイヤーのための多彩なクリエイティブ・ツールとして仕上げました。
この記事では、RT-2を他のBOSSペダルと組み合わせることで、創造性を刺激する新たなサウンドとパフォーマンス・スタイルを発見する方法を探ります。
RT-2 Rotary Ensembleを使用すれば、ペダルボードのサウンドの幅を大きく広げることができます。
RT-2のようなモジュレーション・ペダルは、歪みペダルの後、ディレイやリバーブの前に配置するのが一般的です。こうすることでRT-2の豊かに回転するサウンドをクリアに出力することができます。
とはいえ、歪みペダルの前に配置することで、より飽和感のあるサウンドを楽しむこともできますし、ディレイ/リバーブと位置を入れ替えることで、興味深い結果が得られる可能性もあります。
RT-2はモノラルでの使用はもちろん、ステレオでの使用にも柔軟に対応します。ステレオで使用することで、シンプルなリフでも、広がりのある生き生きとしたサウンドに仕上げることができます。
また通常のステレオでの使用に加えて、OUTPUT AとBへウェットとドライの信号を別々に出力する設定も可能。
空間的な広がりがライブやレコーディングへ大きな変化をもたらすでしょう。
もちろん、エフェクターの接続順や使用方法にルールブックはありません。セオリー通りではない接続順や新しいセッティングを試すことで、自分だけのシグネイチャー・サウンドが生まれるかもしれません。満足いくまで実験を繰り返し、楽しんでみてください。
RT-2とBD-2 Blues Driver を組み合わせることで、表現力豊かなブルース・ロックに最適なサウンドが得られます。BD-2による生々しくダイナミックなクランチに、RT-2による立体的な動きを加えることでブルース要素にロック要素が合わさり、クラシックなテキサス・ブルースをより雰囲気のあるものに進化させる素晴らしい方法となります。
この組み合わせは、ソウルフルなフュージョン・ソロにも最適です。
SD-1 SUPER OverDriveが持つソリッドでアンプライクなサウンドに、RT-2による空気を捻じ曲げるような動きを加えるのもおすすめです。この組み合わせは、1940年代ごろのモノクロ西部劇風の影のあるリフや1980年代のポスト・パンク風の冷たく尖ったフレーズに彩りを加えるのにも役立ちます。
SD-1はウォームさとバイト感、鮮やかなレスポンスを提供し、RT-2は演奏に合わせて変化する脈打つようなロータリーの奥行きをもたらしてくれます。SD-1とRT-2の組み合わせは、エモーショナルでニュアンス豊かなトーンに、直感的なエネルギーを与えてくれます。
おすすめの組み合わせ
「BD-2 Blues Driver を組み合わせることで、表現力豊かなブルース・ロックに最適なサウンドが得られます。」
RT-2とFZ-5 Fuzzを使えば、様々なファズによるサイケデリックな世界に浸ることができます。FZ-1A Fuzz-Tone、Fuzz Face、Octaviaといった60年代の名機をBOSSのモデリング技術で再現したFZ-5は、その時代を象徴するファズ・サウンドを生み出し、RT-2の回転するサウンドと自然に調和します。荒々しく、反応性に優れたFZ-5は、60年代ガレージやアシッド・ロックのスピリットに最適です。
RT-2のトレブル/ベースローターのバランスを調整することでトーンを際立たせることができ、さらに内蔵のノイズ・サプレッサーの活用もおすすめです。
「演奏に合わせて、穏やかな回転から激しい渦巻きまで変化します。」
本格的なオルガン・サウンドを求めるギタリストにとって、SY-1 SynthesizerとRT-2の組み合わせは、上質なキーボード・サウンドへの近道です。SY-1のORGANのバリエーションの多くには、すでにロータリー・エフェクトが組み込まれていますが、RT-2の洗練されたタッチに対応できるものもいくつか残っています。
可能な限りオーセンティックなサウンドを求めるなら、RT-2でMODE Iを選択すれば、レスリーモデル122を忠実に再現できます。Driveを上げれば、サイケデリック・ロックやアンプの効いたアシッド・ジャズを彷彿とさせる、ハーモニーが飽和したサウンドが得られます。
また、OC-5 Octaveもオルガンのようなサウンドを提供します。ドライ・サウンド、1オクターブ上、1オクターブ下と2オクターブ下の最大4レイヤーが使用可能なOC-5は、RT-2と組み合わせることでハモンド・スタイルの生き生きとしたサウンドを生み出します。
単音のメロディーからポリフォニックなコード・ワークまで、この驚くほどシンプルなセットアップにより、ソウル、ゴスペル、プログレのトーンを瞬時に自在に操ることができます。より広い周波数レンジを得たい場合は、RT-2をMODE IIに設定してください。最後にリバーブをかけてサウンドをまとめるのもおすすめです。
おすすめのセッティング
「Driveを上げれば、サイケデリック・ロックやアンプの効いたアシッド・ジャズを彷彿とさせる、ハーモニーが飽和したサウンドが得られます。」
RT-2とRV-6 Reverbを組み合わせることで、スタジオ・グレードのリバーブ・サウンドを幅広く扱うことができます。RT-2はクラシックなロータリーの躍動をもたらし、RV-6はクールなレトロ・リバーブからモダンなアンビエント・リバーブまで、多彩なアルゴリズムで空間を豊かに演出します。
さらにステレオ接続を行えばサウンドの広がりは格段に増し、ポスト・ロックやドリーム・ポップといったジャンルに最適です。ボード上の占有スペースは小さいですが、生み出されるサウンドは広大なものになるでしょう。
RT-2とRV-200 Reverbを組み合わせれば、広々とした心揺さぶるサウンドをフレキシブルにブレンドできます。シンプルな操作性を持ちながらディープな音作りが可能なRV-200は、繊細なルーム・サウンドからシネマティックな音像まで、さまざまなリバーブを備えています。
その詳細なコントロールにより、ロータリー・サウンドがミックスの中でどのように位置づけられるかを正確に調整できます。ムーディーなインディー・パートを作るにも、サウンドトラックのためにレイヤーされたテクスチャーを作るにも、このペアは最小限の手間でそこに到達します。
おすすめの組み合わせ
「ボード上の占有スペースは小さいですが、生み出されるサウンドは広大なものになるでしょう。」
RT-2とSDE-3 Dual Digital Delayの組み合わせは、時間軸に関連するトーンを自在に操る強力なペアです。SDE-3は、Rolandの伝説的なヴィンテージ・デジタル・ディレイであるSDE-3000をベースに、精密にチューニングされたディレイ・エンジンを搭載しています。
RT-2の完璧なロータリー・スピーカー・キャビネット・エミュレーションは、あらゆる音に自然で甘美な響きをもたらします。同時に、SDE-3のデュアル・ディレイ・ラインは、クリーンでリズミカルなリピート音から、空間的なやまびこ音まで、あらゆる音作りを可能にします。これらを組み合わせることで、アヴァンギャルド・ジャズ、インストゥルメンタル・ポストロック、エクスペリメンタル・ポップなど、幅広いサウンドをカバーします。
数々の賞を受賞したRE-202 Space Echoは、RolandオリジナルRE-201 Space Echoの革新的なアップグレードです。70年代に愛されたテープ・エコー/スプリング・リバーブの伝統を受け継ぎ、ビンテージアナログの魅力と先進のデジタル機能を融合。RT-2と組み合わせることで、まさに至福のハーモニーを奏でます。
両ペダルを連携させることで、ギタートーンは比類なき複雑さで広がります。モジュレーションのかかったリピート音は、有機的でうねるパターンを描きながら、漂い、変化し、進化します。ローファイなインストゥルメンタルから、雰囲気のあるメロディーラインまで、この組み合わせはきっと人々の注目を集めることでしょう。
おすすめの組み合わせ
「両ペダルを連携させることで、ギタートーンは比類なき複雑さで広がります。」
RT-2は様々なスタイルのギタリストへ、今まで生み出せなかった動きや深みのあるサウンドを提供します。単体での使用はもちろんですが、他のBOSSのペダルと組み合わせることで思いがけないトーンや効果が生み出され、新しいサウンドメイクの扉を開けるかもしれません。
単なるロータリー・エフェクトを超えたRT-2は、音楽表現とクリエイティビティの幅をさらに広げてくれることでしょう。
RT-2の魅力は、その手軽さにもあります。たくさんの機材は必要ありません。必要なのは、好奇心旺盛な耳と実験精神だけです。このペダルは、そんなプレイヤーの手と足元で、まさに生き生きと響きます。
様々な組み合わせで、あなたの想像力がどこへ導くか、ぜひ試してみてください。RT-2があれば、シンプルなセットアップでも、真に刺激的な何かを生み出すための出発点となるでしょう。
BOSSのブランド・コミュニケーションおよびコンテンツ企画担当。過去にはGuitar WorldやMusic Radar、Total Guitarを始めとする数々の音楽メディアでの執筆経験があり、アーティストや音楽業界、機材に関する幅広い知識を持つ。彼自身も生粋のミュージャンである。