アコースティック・ギター・アンプの完全ガイド

アコースティック・ギター・アンプの完全ガイド

ステージからライブ配信まで、あらゆる環境で活躍するアコースティック・ギター・アンプ。音の自然な質感を大切にしながら、パフォーマンスに磨きをかける秘訣を紹介します。

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生音のアコースティック・ギターには、美しさとシンプルさがあります。しかし、アンプを使わない演奏には、やがて限界に達します。ライブの規模が大きくなり、レコーディングのクオリティが向上するにつれ、どんなプレイヤーでも避けて通れない問題に直面します。楽曲を引き立てる魅力的なアコースティック・トーンを保ちながら、音に迫力を与えて観客を魅了するには、どうするべきでしょうか?その問いに答えてくれるのが、アコースティック・ギター・アンプです。ここでは、アコースティック・ギターを演奏するミュージシャンがアンプについて知っておくべきことを紹介します。

アコースティック・ギター・アンプとは?

暗いステージ上では、アコースティック・アンプと通常のエレクトリック・ギター用のコンボ・アンプとを見分けることが難しいかもしれません。しかし、実際にギターを接続してみると、内部に大きな違いがあることに気がつきます。エレクトリック・ギター用のアンプでアコースティック・ギターを鳴らすことは技術的には可能ですが、例えばBOSS KATANAに搭載されているような特別に調整されたアコースティック設定を使わないと、手に負えないフィードバックが発生してしまいます。

音色にこだわるのであれば、パフォーマンスや録音時にアコースティック・アンプは必須アイテムです。こうしたモデルは、ブリッジの下にあるピエゾ・ピックアップから、プラスサイズのドレッド・ノートのキャビネット内の共鳴まで、アコースティック・ギターの特性に配慮しています。一度、質の高いアコースティック・アンプを使ってしまうと、他のアンプには戻れなくなってしまうかもしれません。

アコースティック・サウンドの可能性を広げよう

アコースティック・アンプは小型で持ち運びやすく、トランジスタ回路を採用した一体型のアンプで、木目調の筐体で仕上げられています。このタイプのアンプが飾り気のない実用モデルだと思っているとしたら、BOSS AC-22LXを使用することをおすすめします。

特に、音楽キャリアの転換期にいるミュージシャンなら、十分に試す価値があります。アコースティック・アンプがギターのサウンド向上の突破口になるかもしれません。BOSS AC-22LXは、10ワットのコンボ・アンプで、接続するだけで手軽に使用でき、マイクで収音したような自然なアコースティック・サウンドを再現します。さらに、内蔵エフェクト、リズムボックス、USB接続機能なども搭載。次のステップへ進むプレイヤーにとって、これほど可能性の広がるアコースティック・アンプはかつてありませんでした。

「アコースティック・コンボは、楽器本来のサウンドを驚くほど自然でクリアに再現します」

アコースティック・ギター・アンプを選ぶ理由

多くのプレイヤーがアコースティック・アンプを選ぶ理由は、音の純度にあります。一般的なエレクトリック・ギター用のアンプは、プレイヤーが音を加工することを前提としていますが、アコースティック・コンボ・アンプは、楽器本来のサウンドを驚くほど自然でクリアに再現します。質の高いアコースティック・アンプを選べば、スピーカーから聞こえる音は、アンプを通さずに聴く音と変わらないほど、リアルになります。

アコースティック・ギター・アンプは、ただ音をそのまま増幅するだけの機材ではありません。内蔵のEQやトーン調整機能を活用すれば、ギターの音質を向上させ、ピックアップのサウンド補正もすることができます。一方で、透明感のある音よりも個性的で印象的な音作りを優先したいときには、内蔵エフェクトを活用して新たな表現を探求できます。BOSS AC-22LXのようなアコースティック・ギター・アンプには、さらに高度な機能が備わっています。細かいサウンド調整やUSB接続による録音・ライブ配信の利便性など、幅広い機能を備えています。

一般的なアコースティック・アンプの操作方法

アコースティック・アンプの操作パネルや背面を見比べると、多くのモデルに共通する機能と、それぞれの特徴が見えてきます。アコースティック・ギターの音作りを重視するなら、3バンドEQ(トレブル・ミッド・ベース)を備えたアンプがおすすめです。弾き語りをするなら、マイク専用の入力と独立したEQを搭載したモデルを選ぶと、ボーカルとギターの音をバランスよく調整できます。これは、BOSS Acoustic Singerのような業界標準のアコースティック・アンプに備わっている重要な機能です。

また、高品質なアコースティック・アンプには、内蔵のリズム・パターンや、リバーブ/コーラスなどのエフェクトを簡単に調整できるダイヤル式コントロールが搭載されているものもあります。BOSS AC-22LXのようなプロ向けモデルに搭載されている、外部フットスイッチで操作できるルーパー機能も魅力的です。柔軟な音作りを求める人も、クリアなアコースティック・サウンドを追求したい人も、まずは自分に必要な機能をリストアップして、それに合ったアンプを選んで試してみましょう。

「カフェや地元のバーなどの小規模な会場で演奏する場合、PAシステムなしでも十分な音量を確保できるアコースティック・アンプが必要になります」

小さな会場でのアコースティック・ギター・アンプの使い方

現在のライブ活動の規模に合ったアコースティック・ギター・アンプを選ぶのと同じように、より大きなステージに進むことを見据えたモデルを視野に入れることも大切です。もしストリート・ライブをするなら、軽量で持ち運びやすく、単三電池で駆動できるコンボ・アンプが最適です。内蔵リズム、ルーパー機能、XLRマイク入力があれば、単なるコードの弾き語りにとどまらず、より表現力豊かなパフォーマンスが可能になります。一日中、演奏を続けるのも楽になるでしょう。

次のステップとして、カフェや地元のバーなどの小規模な会場で演奏する場合、PAシステムなしでも十分な音量を確保できるアコースティック・アンプが必要になります。BOSS AC-22LXは、2つのカスタム・5インチ・ツインコーン・スピーカーを搭載しており、10ワットのステレオ出力が可能です。店内のざわめきにも負けず、しっかりと存在感のあるサウンドを届けます。

そして、演奏前にはしっかりとサウンドチェックの時間を確保しましょう。まず、AC-22LXのEQを調整します。次に、従来のマイク録音によるアコースティック・ギターの音を再現した、5つのAir Feel設定の中から1つを選びます。最後に、その会場の独特の音響に合ったサウンドを設定し、AC-22LXのメモリー・バンクに保存して、次回のショーでも使えるようにしましょう。

大きな会場でのアコースティック・ギター・アンプの使い方

より大きな会場で演奏をするときに役立つ、アコースティック・ギターの音量を上げる方法をいくつか紹介します。もちろん会場のPAシステムに頼る方法が最も簡単ですが、同時にリスクについても考える必要があります。たとえ会場が良質なPAスピーカーを設営していたとしても、こうした機材は音の配信を目的としているため、アコースティック・ギター専用の音作りにはなっていません。そのため、大きな音を鳴らせたとしても、平坦で生気のない音になってしまう可能性があります。

アコースティック・プリアンプ・ペダルを使用することで、こうした問題を解決することができます。このセットアップでは、BOSSのコンパクト・ペダルAD-2や、さまざまな機能を搭載したAD-10がおすすめです。こうしたペダルを使用することで、自分の音を調整し、完全にバランスの取れた信号をPAに送ることができるため、自分の鳴らしたい音を観客に届けることができます。さらに接続を簡素化したい場合には、BOSS DI-1のようなダイレクト・ボックスを検討してみてください。ハイ・インピーダンスのギター出力を、ミキシング・コンソールが必要とするロー・インピーダンスのバランス入力に変換することができます。

「AC-22LXのように高品質なアンプなら、マイクなしでも自然なアコースティック・サウンドを実現し、フィンガー・ピッキングの繊細なニュアンスをスピーカーから鮮やかに響かせることができます」

マイクを使用する

こうしたアイデアとは別に、マイクを使う方法もあります。深み、共鳴、ダイナミクスを生かすためにマイクを使う手法は、一部のアコースティック愛好家に人気があります。Crosby、Stills、Nashのようなベテランのアコースティック・ギタリストがマイクを使っている映像を見れば、このアプローチがどれほど魅力的な音を生み出すかが一目瞭然です。しかし、フェスのステージにおける短い転換時間では、アンプにマイクを設置するのは手間がかかり、専門的な知識や機材も必要になります。

幸運なことに、現代では、アコースティック・アンプにマイクを使う必要はなくなりました。新しいBOSS AC-22LXの特長の中でも注目すべきなのが、革新的なAir Feel機能です。ピエゾ・ピックアップは無機質に聞こえることがありますが、この空間技術はマイク録りのアコースティック・ギターの音色を再現します。ギターの内部構造による深みのある低音や、トップ板が生み出す繊細な響き、さらには空間内の空気の振動まで表現できます。

ダイヤルを回すだけで5つのAir Feel設定を選択でき、XY方式のコインシデント・ペア・エミュレーションからAB方式のスペース・ペア・ボイシングまで、様々な空間をカバーできます。まるでエンジニアに音響設定を任せたかのような仕上がりになります。さらに、AC-22LXには、Air Feelを含む音を直接PAに送信できるステレオ・ライン出力も備わっています。

自宅でのアコースティック・ギター・アンプの使い方

アコースティック・ギター・アンプは主にステージ用のツールだと思われがちですが、最新のコンボ・アンプなら、自宅での録音やライブ配信の中心的な機材としても便利です。モノ/ステレオのライン・アウトやUSB接続など、幅広い用途に対応できるモデルを選ぶとよいでしょう。

DAWで録音する際、AC-22LXのように高品質なアンプなら、マイクなしでも自然なアコースティック・サウンドを実現し、フィンガー・ピッキングの繊細なニュアンスをスピーカーから鮮やかに響かせることができます。特に「Air Feel」のボイシングを加えることで、より立体的なサウンドが得られます。楽曲ごとに細かく音を調整したい場合は、スマートフォンで「AC-22LX Editor」アプリをダウンロードしましょう。リバーブの種類まで含め、あらゆるサウンド要素を細かくカスタマイズできます。

ストリーミング配信での使い方

オンライン上でのパフォーマンスは、すべてのSNSプラットフォームでライブ配信ができます。ループ・バック機能を使えば、コンピューターの音声をモニタリングでき、ヘッドフォン出力を利用してプライベートな環境で演奏することも可能です。さらに、Bluetooth® Audio MIDI Dual Adapterに対応したアンプを選べば、モバイル機器からオーディオをストリーミングし、それに合わせて演奏することもできます。この方法を使えば、ソロの練習でも楽しさが倍増します。このように、アコースティック・アンプは単なるライブ用機材ではなく、あらゆるシチュエーションで活躍する多機能なツールと言えます。

「ループ・バック機能を使えば、コンピューターの音声をモニタリングでき、ヘッドフォン出力を利用してプライベートな環境で演奏することも可能です」

BOSSのアコースティック・ギター・アンプで本来の響きを再現

BOSSは、高品質なエフェクトやアンプと並び、アコースティック・プレイヤー向けの優れたコンボ・アンプでも業界標準を確立しています。Acoustic SingerシリーズやAC-22LXなど、多彩なラインナップを展開しています。BOSSのアコースティック・ギター・アンプの全モデルをチェックして、あなたのアコースティック・ギター本来の響きを引き出しましょう。

Henry Yates

ジャーナリスト兼コピーライター。NMEや、Guardian、Telegraph、Classic Rock、Total Guitarなど多くのメディアで執筆を行う。