ブースターとプリアンプ・ペダルの完全ガイド

ブースターとプリアンプ・ペダルの完全ガイド

ブースター・ペダルやプリアンプ・ペダルは、ギターの音量を増幅し、トーンを整えるために使用されます。ここでは、この万能ペダルの知っておくべき機能について紹介します。

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ブースター・ペダルは、信号レベルを増幅してアンプに送るためのシンプルなギターエフェクトです。これはギタリストが使う最も古いエフェクトの1つで、ペダル型エフェクトが普及する前から存在しており、何十年にも渡ってギタリストの定番として知られています。そして改良を重ね、創造的な使い方を試すことによって様々なエフェクトの誕生に貢献してきました。ブースター・ペダルとプリアンプ・ペダルの知っておくべきことについて、見ていきましょう。

ブースター・ペダルを使用する

ギタリストは一般的に、特定の曲のセクションで演奏を行うためにブースター・ペダルを使用します。リズム・ギターやキーボードと競演する場合、ミックスの中でソロを際立たせるためにブースターをかけることも多いです。

しかし、用途はそれだけに留まりません。ブースター・ペダルは、オーバードライブのアクセントとしても非常に効果的です。オーバードライブの前でブースターをかけることで、異なる質感のドライブを作ることができます。ブースターはオーバードライブの入力信号を増幅させ、太く歪んだ音色を生み出し、オルタナティブな質感を実現します。これは高出力のアクティブ・ピックアップが、ペダルのゲイン・ステージをよりアグレッシブに崩壊させることで、ペダルをより激しくドライブさせるのと同じ方法です。

「ブースターはオーバードライブの入力信号を増幅させ、太く歪んだ音色を生み出し、オルタナティブな質感を実現します」

同じ方法で、小さな音量のアンプのゲインを上げるためにブースター・ペダルを使うことができます。アンプのへの入力信号をブーストすると、音量だけでなくアンプのゲインレベルも上がります。つまり、ブースター・ペダルは有機的で自然な音のクラシック・ロックの歪音を作る、オーバードライブの代わりの役割を果たします。また、ブースター・ペダルには出力を増加させ、アンプの音を洗練させる効果もあります。これをより理解するために、ブースター・ペダルの起源と初期の応用例を見てみましょう。

BP-1W

ブースター・ペダルの種類

ブースター・ペダルは、主にクリーン・ブーストとトレブル・ブーストの2種類に分けられます。クリーン・ブーストのペダルは、音色を色付けすることなく音量を上げることができます。そのため、ペダルがアンプのゲイン・ステージに影響を与えることはありません。

トレブル・ブースターは、伝統的に高音域以外の中域と中高域もブーストします。この種のブースター・ペダルはギターの音に音色の変化を加えるもので、固定されたEQペダルとブーストの両方の役割を果たします。これらのブーストは多用途であり、オーバードライブやプリアンプ、さらにはセカンド・ドライブ・ボイシングとしても機能します。

「BP-1Wの場合、レベルとゲインのコントロールは、アンプのコントロールと同様にインタラクティブに動作します」

ペダルの操作方法

ブースター・ペダルの操作はモデルによって大きく異なります。一般的には、音量コントロールのみを備えており、クリーン・ブーストやトレブル・ブーストでも同じです。通常、ペダルのEQブーストの特性は固定されており、変更できません。クリーン・ブースターやBOSS BP-1WのようなGAINとは別にLEVEL調節を持つブースター・ペダルでは、ペダルから出力する音量を増幅することできます。

GAINコントロールは、音にグリット(粗さ)やクラシックなアナログ・サウンドの歪みを追加します。BP-1Wの場合、LEVELとGAINのコントロールはアンプのように相互に作用し、LEVELを下げることでGAINを強調することもできますし、その逆も可能です。

一部のブースター・ペダルはプリアンプ・ペダルとしても使用でき、EQの機能を備えています。今ではレアとなったBOSS FA-1 FETは、ベースとトレブルのコントロールを提供して基本的な音の形作りを行います。一方で、BP-1Wのようなものは、包括的なEQボイシングの切り替えスイッチを備えており、自然なフラット・レスポンス、REシリーズのスペース・エコーのプリアンプ特性、CE-1のプリアンプ特性を切り替えることができます。

ブースター・ペダルとプリアンプ・ペダルの違い

ブースター・ペダルはプリアンプ/EQペダルとしても機能し、アンプの自然なEQとは異なるサチュレーションやギター・トーンの形作りを補います。プリアンプ・ペダルがトーンの微調整に役立つ場合が多いのも事実です。また、ベーシストの中には、スタックのようなボイシングを実現するために、クリーンでフラットな特性のクラスDベース・アンプの前段に、プリアンプ・ペダルを接続するプレイヤーも多いです。

「ブースター・ペダルはプリアンプ/EQペダルとして機能し、アンプの自然なEQとは異なるサチュレーションやギター・トーンの形作りを補います」

プリアンプ・ペダルの役割

プリアンプ・ペダルはトーン・シェイピングの幅を広げ、アンプとは別のトーン・オプションを提供します。エフェクト・チェーンにプリアンプ・ペダルを加えることで、音色の幅が広がります。

シグナル・チェーンにおけるブースター・ペダル

ブースター・ペダルは、伝統的にアンプの前に接続されるエフェクト・チェーンに使用されます。真空管アンプの場合、ブースターはアンプのゲインと出力ボリュームを増加させます。信号を増幅することに変わりはありませんが、ギターの音色を変化させ、また飽和させることで、単なるボリューム・ブースト以上の特性を加えます。

さらに、ペダルボード上の様々な場所に配置することで、異なる音色を楽しむことができます。ペダル・チェーンの最後(オーバードライブとディストーションの後)に置くと、ギター信号を最もクリーンかつクリアにブーストできます。オーバードライブの前に置くと、ドライブ・ペダルのセカンド・ボイシングとなり、ゲイン・ステージをプッシュして飽和した歪音が生まれます。

「エフェクト・チェーンの最前に配置すると、プリアンプのEQやゲイン設定がチェーン内の全てのペダルに影響を与えます」

シグナル・チェーンにおけるプリアンプ・ペダル

エフェクト・チェーンの最前に配置すると、プリアンプのEQやゲイン設定がチェーン内の全てのペダルに影響を与えます。これは、内蔵EQコントロールを持つアクティブ・ギターに似ています。ペダル・チェーンの最後に配置された場合、プリアンプ・ペダルはアンプのプリアンプの延長となり、アンプに到達する前の全てのエフェクトの全体的なトーンを整えます。

魅力的な音色を叶えるツール

ブースター・ペダルとプリアンプ・ペダルは、音色の可能性を広げ、幅広い用途で活躍します。シンプルなソロのブーストからアンプの音色変更、さらにはお気に入りのオーバードライブのキャラクターを変えたりなど、サウンドの質を高めたいギタリストにとって重要なアイテムとなります。

Joe Branton

JoeはポッドキャストGuitar NerdsのMCを務め、10年間に渡って毎週放送を続けてる世界で最も配信を行っているギタリストの一人です。