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ギタリストのためのLivestreaming入門

最適なソーシャル・プラットフォームからシステムの構築まで、ギタリストがライブ配信を始めるために知っておくべき情報を紹介します。

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Livestreamingは、プロ・アマチュアを問わず、音楽を世に送り出し、注目を集めることで、活動を収益化できる優れた方法です。さらに、ライブならではの興奮をリアルタイムで届けることができます。BOSS Gigcasterのようなストリーミング・ギアを使えば、視聴者を増やすプロ並みの制作を簡単に実現できます。最適なソーシャル・プラットフォームからシステムの構築まで、ギタリストがLivestreamingを始めるために知っておくべきことを全て紹介します。

ライブ配信とは何か?

パンデミック初期のことです。ライブ会場は大混乱に陥っていました。世界中の現役ミュージシャンのツアーがキャンセルされ、収入源は突如として枯渇します。しかし、逆境ほどイノベーションに火をつけるものはありません。程なくして、新たな表現の場を求め、一部のミュージシャンたちは簡易的な制作スタジオを作りました。このライブ配信におけるパイオニアたちは寝室からライブや音楽レッスンをリアルタイムで撮影・放送し、SNSを通じて世界中に発信しました。

人々がまた実際に集うことができるようになったとき、Livestreamingブームは下火になるだろうと、多くの人が予測していたことでしょう。しかし、プランBとして始まった発信スタイルは、恒久的なものとなりました。即時性と利便性を兼ね備えたLivestreamingには、録画済みのビデオでは味わえない、生放送ならではの面白みがあります。視聴者と同じ時間を共有できるライブ配信は、そのパフォーマンスの形態から注目を集め、ファンを獲得し、収益を生み出しました。

BOSS Gigcasterのような新世代の専用機器の登場により、ライブ配信を始めるなら今が絶好の機会と言えるでしょう。一方で、これは数え切れないほどのギタリストやボーカリスト、ミュージシャンが、ネット上の視聴者を狙っているということを意味しています。そのため野心的なライブ配信者にとって、正しいアプローチを学び、機器を使いこなし、セオリーを理解することが大切です。収録ボタンを押す前に、まずは基本について抑えておきましょう。

「自分自身がこの取り組みに満足でき、自身のコンセプトに合った方法で、音楽キャリアを促進する内容であれば、どんなアイデアもライブ配信の対象となります」

配信するべきコンテンツとは?

自分自身が楽しみ、自身のキャラクターに合った内容で、音楽キャリアを広げることができるのであれば、どんなアイデアもライブ配信の対象となります。今のところ、ギタリストの大半がこの方法でソロ・ライブを実施し、SNSのコミュニケーション機能を活用して、オンライン上の観客とリアルタイムでの交流をしています。

またライブ配信はギター・レッスンを行うのにも理想的で、講師はすぐに質問の回答をすることができます。リフの練習方法から業界にまつわる質疑応答まで、質問内容に制限はありません。思いっきり視野を広げて、配信を試してみてください。

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ギターをライブ配信したいとき

大型ライブ・ツアーを行う有名人であろうと、ベッドルームでギターを弾く人であろうと、ライブ配信は誰にでも実現できることであり、それが最大の魅力のひとつと言えます。ライブ配信を始めるために必要なのは、楽器、ウェブカメラを搭載したコンピューターやその他デバイス、そしてSNSアカウントのみです。設定が済んだら自己紹介をして、最初のコードを弾くだけです。

これはあっという間に芸術的な表現となり得ますが、あくまでもクイック・スタート版のやり方に過ぎません。本格的なライブ配信に取り組んで印象を残すためには、何時間もの下準備が必要となります。ここでは、オンライン上での音楽演出を向上させるためのツールやヒントを紹介します。

ライブ配信の基礎

ライブ配信を始めることは、ある種衝動的な側面があるため、動画チャンネルの立ち上げや継続すること自体に精一杯になってしまう恐れがあります。そのため、初めてのライブ放送に着手する前に、ベテランの配信者が推奨する基礎を知っておくことが要となります。

演出

ライブ配信中にファンが目にする場所の演出に、少し力を入れましょう。ごちゃごちゃした棚や散らかったテーブルは禁物です。あなたの音楽センスやキャリアにちなんだインテリアが重要となってきます。ギター全体と両手が見えるように、横向きモードを使用してください。さらに、あなたが画面の中央に映るようにカメラを配置します。下から撮影したり、スタンドを使ってカメラを固定するのはやめましょう。スマホを使用する場合は、セルフィ・モードよりもバックカメラの方が、写りが綺麗になります。音楽に集中できるように、放送の開始やSEなどの技術的なことを担当してくれる、ディレクターがいると心強いです。

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情報入力の個別化

ビデオとオーディオに別の入力ソースを使用すると、よりきれいな録画が可能になります。ほとんどのソーシャル・プラットフォームで、この方法を取り入れることができます。また、音声処理およびオーディオ調整機能を必ず無効にしてください。一部のソフトウェアは、ビジネス会議で安定した配信を可能にするために、圧縮された音声を維持するためにこの機能を使用しています。こうした機能は、音楽パフォーマンスからダイナミクスを取り除いてしまいます。とはいえ、無駄をそぎ落とした音色に甘んじる必要があるわけではありません。

BOSS Gigcasterのような高度なミキサーを使用すると、GT-1000のアンプ・モデリングやエフェクトで音質を向上することができます。それと同時に、VEシリーズのボーカル・プロセッサーを使用してボーカルを際立てさせるのも簡単です。ミックスに満足したら、録音を開始する前にプライベート・ライブストリームでサウンドチェックを行ってください。その後、録音を聞いてレベルを調整します。

「ミックスに満足したら、録音を開始する前にプライベート・ライブストリームでサウンドチェックを行ってください。その後、録音を聞いてレベルを調整します」

安定したインターネット接続は必須条件です。スピード・テストを行って、HDビデオのライブ配信が中断されることなく使用できるか、帯域幅の確認をしてください。これは、少なくとも5Mbpsのアップロード速度があることを示しています。モバイル機器で撮影する場合には、着信音、通知、バイブレーション機能を必ずミュートにしてください。また、遅延を防ぐために不要なアプリを閉じることも忘れずに行いましょう。

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プロモーション

ウェブは情報で溢れています。プロモーションをしなければ、ライブ配信が人々の目に止まることなく終わってしまうでしょう。SNSでイベントの宣伝、既存のファンへのメール、オンライン・コミュニティのメンバーを招待するなど、様々な手段があります。印象的なタイトル、魅力的なテーマ、シェアをしたくなるサムネイルなど、風変わりなプロモーションを考えてみてください。さらに効果的な方法は、毎週同じ時間など、定期的にライブ配信を行う事です。

通常のライブのように、理想はライブ配信を収益化することです。すでに特定のファンがいる場合には、StageItのようなプラットフォームを使ってチケットを前売りすることも検討しましょう。ライブ配信中に必要以上の売込みを行うことは好ましくありませんが、グッズや投げ銭ボタンの案内をファンに向けて、恥ずかしがらずに伝えてみてください。

「SNSでイベントの宣伝、既存のファンへのメール、オンライン・コミュニティのメンバーを招待するなど、様々な手段があります」

ライブ配信のプラットフォーム

最近では、全ての主要なソーシャル・プラットフォームにライブ配信機能が搭載されています。その中でも、ファンが集うプラットフォームを活用することが鉄則です。トラフィックとエンゲージメントが最も多いSNSプラットフォームで、ライブ配信のキャンペーンを開始します。ここではゼロから始める人に向けて、最も人気のあるサイトと必要な準備について紹介します。

Twitch  

2011年に登場したTwitchは、ゲーム配信のプラットフォームとして人気を博しています。そして、音楽を世界に発信する素晴らしいツールでもあります。まず、twitch.tvにアカウントを登録します。そして、関連リンクでチャンネル・ページをカスタマイズします。モバイル機器から配信する場合は、Twitchアプリをダウンロードしてログインし、プロフィール・アイコンをタップして、「Go Live!」ボタンを押して配信を開始します。音質にこだわりたい場合はパソコンを使用し、Twitch Studioソフトウェアをダウンロードしてください。

YouTube Live   

動画サイトの先駆者であり、ライブ配信における人気のプラットフォームです。YouTubeチャンネルを開設するには、Googleアカウントが必要になります。また、チャンネル登録者が1000人に達するまでは、ユーザーは携帯電話ではなく、パソコンかタブレットを使う必要があります。エンコーダ・ストリーミングは、高度なプロダクションに挑戦したい、野心的なライブ配信に最適な方法です。

「最近では、全ての主要なソーシャル・プラットフォームにライブ配信機能が搭載されています。その中でも、ファンが集うプラットフォームを活用することが鉄則です」

Instagram 

Instagramのライブ配信機能は、2016年に追加されました。ライブ配信の終了後、データが消滅するように設定されていましたが、現在では配信後の映像をアーカイブできるようになり、クリエイターの間で人気が高まっています。Instagramでライブ配信を行う方法については、こちらのページに掲載されています。

Discord

Discordは2015年に登場した比較的新しいサービスで、ゲーム・プレイヤーから音楽ファンへと拡大しているプラットフォームです。サーバーのボイス・チャンネルに参加し、「Go Live」を押すだけで、簡単に配信を始められます。しかし、プロフェッショナルなストリーミングに不可欠な高解像度ビデオへのアクセスが、登録状況によって異なります。ベーシック・ユーザーは720p/30fps、有料会員は最高で4k/60fpsの配信が可能です。

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複数のプラットフォームを同時使用

実際の会場でライブするとき、ミュージシャンは一晩でひとつの場所でしか演奏ができませんでした。ライブ配信を活用すれば、街中を移動する必要がありません。さらに魅力的なことは、ミュージシャンが同時に複数のソーシャル・プラットフォームを使用し、無数の場所に出現できることです。

Streamlabs、StreamYard、Restream、Lightstream、ManyCamなどが人気な機能です。野心的なユーザーなら、複数のカメラと音声入力を切り替えることができるOBS(Open Broadcaster Software)がおすすめです。ただし、OBSには高速インターネット接続と強力なコンピューターが必要となります。

「実際の会場でライブするとき、ミュージシャンは一晩でひとつの場所でしか演奏ができませんでした。ライブ配信を活用すれば、複数のSNSプラットフォームで同時に出演することができます」

機材について

もはや、ライブ配信は真新しいものではありません。そのため、低音質で暗い照明のスマートフォン動画で視聴者を惹きつけることは困難です。市場全体がかつてないほど飽和している今、より注目を集める必要があります。成功するか否かは歌、パフォーマンス、その人自身の個性が重要となってきます。プロ仕様のライブ配信機材を使用することで、完成度はさらに高くなります。

以下、ライブ配信をするギタリストに欠かせない機材リストです。

  • 楽器  
  • マイク
  • BOSS Gigcaster Audio Streaming Mixer  
  • ヘッドフォン  
  • ウェブカメラ  
  • ストリーミング・ソフトウェア  
  • 安定したインターネット接続が可能なコンピューター
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プロフェッショナルなギターの音

ライブ配信を行うギタリストにとって、Gigcasterはワンストップのクリエイティブ・コマンド・センターです。このデバイスを使用することで、演奏者は魅力的な音源コンテンツを作成でき、完璧なミックス状態で、主要なソーシャル・サイトに直接配信することができます。さらにGigcasterには、ライブ配信でのギターの音を最高レベルまで高めるツールが揃っています。

この新しいミキサー・ユニット内部処理は、32ビット浮動小数点演算処理と48kHzサンプリング・レートです。フラッグシップ・クオリティのBOSSアンプ・モデリングとエフェクトを搭載しており、オーバードライブ・サウンドやデジタル・ディレイをお好みに調整できます。また、5つのオーディオ入力チャンネルには独立したフェーダーを装備。さらに、画面上のエフェクト・パッドで、リアルタイムにエフェクトを操作できます。

「カメラの前に立つ自信がつけば、Gigcasterをライブ配信のエコシステムへと拡張することができます」

Gigcasterの拡張

カメラの前に立つ自信がつけば、Gigcasterをライブ配信のエコシステムへと拡張することができます。ハンズフリー操作のための、BOSS フットスイッチ、エクスプレッション・ペダル、そしてフット・コントローラーに対応しています。

アコースティック、エレクトリック、ベース

パンデミックの時代では、多くのライブ配信がソロのアコースティック演奏となってしまっていました。現在ではパソコンやスマートフォンのスピーカーを通して視聴者が音楽を聞いても、プロのギター・サウンドでバンド演奏を放送することが簡単になりました。

ここで重要なのは、多様なアコースティック、エレクトリック、ベース・ギターに対応する専用入力を備えたオーディオ・ミキサーを選ぶことです。そして、これこそが、新しいBOSS Gigcasterのもうひとつの特徴と言えます。ギターやベースを直接接続できるハイ・インピーダンス入力を備え、好みの楽器を接続できます。そして出力を微調整し、リスナーがその場にいるようなライブ配信を作り出します。

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ボーカル

ギターのライブ配信では、弾き語りが定番です。ボーカルとギターが重なると、音がうまくミックスされません。そこで理想的な解決策は、BOSS Gigcasterの豊富な入力端子を活用して入力を分けることです。スマートフォンのマイクでは、音声が細くなることがあります。高品質の外部マイクを用意すれば、準備万端です。

「パソコンやスマートフォンのスピーカーを通して視聴者が音楽を聞いても、プロのギター・サウンドでバンド演奏を放送することが簡単になりました」

配信を超えた可能性

Gigcasterのギター/ベース入力とステレオ・ライン入力の他に、2系統のXLRマイク端子があります。どちらもファンタム電源を搭載し、低ノイズで広いゲイン・レンジ(+70 dB)の高品質プリアンプを備えています。BOSSを象徴するペダルでギター・トーンをパワーアップする一方で、ボーカルでも同じ方法を試してみてください。VE vocal processorsのボーカル・エフェクト、ハーモニー、ボイス・トランス機能は、あなたのアイデアを磨き上げます。そして最後に、ビジュアル・コンテンツのさらなる探求に向けてRoland Pro A/Vと先進のLivestreamingソリューションの世界を覗いてみてください。

Henry Yates

ジャーナリスト兼コピーライター。NMEや、Guardian、Telegraph、Classic Rock、Total Guitarなど多くのメディアで執筆を行う。