そもそも“ノイズ”とは
エレクトリック・ギターの誕生以来、主に高周波数範囲に発生するヒス・ノイズ、弦振動によって弦がフレットに当たることで発生するバズ音、50Hzまたは60Hzの低音として聴こえるハム・ノイズといったノイズは、ミュージシャンはもちろん、エンジニアやプロデューサーを悩ませてきました(観客は言うまでもありませんね)。照明による電磁波の干渉、アースの問題、昔ながらの電源のハム・ノイズなど、原因が何であれ、ギタリストは多くのノイズに対処しなければならないのです。
現在では、シールド・ケーブル、パワー・サプライ、ピックアップなど、高品質なアイテムを自由に使えるようになりました。その結果、かつてギタリストを悩ませた問題の多くは最小限に抑えられています。とは言え、いまだに多くのプレイヤーにとってノイズは現実的かつ身近な問題であることに変わりはありません。特に大きなゲインやボリュームで演奏する場合には、その傾向が顕著です。
“NS-2のゲートが信号を遮断しはじめる音量レベルは、THRESHOLDツマミで設定”
ノイズ・サプレッサーの基礎
BOSS NS-2 Noise Suppressorは、コンパクトなペダルの中にスタジオ・クオリティのノイズ・ゲートを搭載しています。エフェクターやアンプの接続における不要なノイズを除去するための、心強いソリューションと言えるでしょう。ノイズ・ゲートは、信号がある一定のレベルまたはスレッショルド(しきい値)まで低下すると、自動的に信号を減衰させたり遮断したりする役割を果たします。
NS-2が信号を遮断しはじめる音量レベルは、THRESHOLDツマミで設定します(それによってノイズが除去されます)。同様に、ギタリストはDECAYツマミでゲートが閉じる速度、つまり音の減衰時間を調節することができます。
簡単、そしてナチュラル
NS-2のインプット端子に直接楽器を接続することで、自然なフィーリングとサウンドを得ることができます。この時、アンプはNS-2のアウトプット端子に接続してください。そして、NS-2のセンド/リターン端子に歪み系などのエフェクターを接続します。そうすることで、ギターそのもののダイナミクスを維持しながらノイズをコントロールし、加えてTHRESHOLDとDECAYの設定を調整することで、よりクリアでナチュラルな音色を得ることができます。
ただし、リバーブやディレイといった音の減衰に影響を与えるエフェクターを使用する場合は、NS-2のあとに接続して信号の干渉を避けてください。
また、ノイズ・サプレッサーはエフェクター・ボード内のどこにでも置くことができます。よく使われる方法としては、サチュレーションやディストーションと呼ばれるエフェクトの直後に設置することです。これによりタイトなサウンドが得られ、必要に応じてオン/オフを切り替えることでハウリングも抑えることができます。
“ノイズ・サプレッサーは、エフェクター・ボードのどこにでも入れることができる”
エフェクト・ループ内に配置する
NS-2をエフェクト・ループ(センド/リターン)で使用する場合、アンプを2つの異なるセクション、つまりプリアンプ部とパワーアンプ部に分けて考えると良いでしょう。ノイズが発生する大きな要因は、プリアンプ部とパワーアンプ部です。アンプのエフェクト・ループは通常、この2つの間に位置します。アンプのセンド/リターン端子を使用することで、プリ・アンプ部でノイズの原因となるゲイン(歪み)が発生した後、パワーアンプ部で信号を増幅させる前にエフェクターを接続することができます。
もちろん、アンプのエフェクト・ループにNS-2を接続することもできますが、NS-2のセンド/リターン・ループ内にプリアンプ・セクションを配置することも可能です。この場合はアンプのインプット端子と、アンプのセンド/リターン端子をそれぞれNS-2に接続します。
そして、NS-2のエフェクト・ループに歪み系エフェクターを入れて、NS-2の後にリバーブやディレイを配置すると良いでしょう。アンプのパワーアンプ部のエフェクト・ループ(センド/リターン)を経由して出力を送ることができます。同時に、ギターをNS-2のインプット端子に直接接続することで、より自然なゲート・コントロールが可能になります。
ノイズを抑える
NS-2の使い方をマスターすれば、ハム・ノイズを抑えた演奏を得ることができます。さあ、NS-2をエフェクター・ボードにセットして、今すぐに長年の宿敵“ノイズ”を除去しましょう。