長年にわたり蓄積されたノウハウとテクノロジー、そしてエンジニアの深いこだわりが組み合わさって生まれたKATANA AMP。2016年のリリース以降も進化を続け、2024年には7つのモデルからなるGEN 3が発表されました。ベーシックなKATANA-50 GEN 3からフラッグシップ・モデルのKATANA ARTIST GEN 3まで、この記事でそれぞれのモデルについて知り、あなたのニーズに最適なKATANAを見つけましょう。
KATANA AMPは新たな時代へ
「ギタリストにモダンな汎用性を兼ね備えたハイ・クオリティなギター・アンプを提供する」という使命を掲げて、KATANA AMPは開発されました。リリース以降もそのラインナップと機能は拡充を続け、世界的に高い人気を誇るシリーズへと成長。2024年には、最新バージョンとしてKATANA GEN 3が登場しました。
「モデルごとにサイズ、重さ、出力はもちろんのこと、機能や接続端子がそれぞれ異なります」
KATANA GEN 3に共通の特徴
KATANA GEN 3にはいくつかのモデルが存在しますが、まずは共通の特徴について確認しましょう。
クラスAB回路のパワー・アンプ:KATANAアンプのアナログ・パワーアンプ・セクションは、クラスAB回路設計により高品位なトーンとダイナミックな表現力、心地よいレスポンスがバランス良く実現されています。
Tube Logic: 真空管ギター・アンプの内部回路の複雑な振る舞いを再現する、Roland/BOSS独自のコンセプトであるTube Logic。音の温かみや抜けの良さ、音量を上げたときに得られる音の艶や音圧感など、真空管アンプならではの表現力を、演奏環境に適した音量で実現します。
- 6つのアンプ・タイプ: BROWN、LEAD、CRUNCH、PUSHED、CLEAN、ACOUSTICの6つのアンプ・タイプに、それぞれサウンド・バリエーションを搭載。オーガニックなビンテージ・サウンドからモダンなハイゲイン・サウンドまで網羅します。
- POWER CONTROL機能: 自宅での練習からステージでのパフォーマンスまで、あらゆる演奏シーンでクランク・アップしたサウンドとレスポンスが得られます。
- 多数のBOSSエフェクト: 世界で最も定評のあるエフェクター・ブランドによる、実用的な60種類以上のエフェクトを搭載しています。
- BOSS TONE STUDIOエディター: PCまたはスマートフォンと接続することで、より細かなサウンド・メイキングが可能に。また、ユーザー同士でパッチを共有できるサービス「BOSS TONE EXCHANGE」にもエディターからアクセスできます。
KATANA GEN 3のラインナップ比較表
モデルごとにサイズ、重さ、出力はもちろんのこと、機能や接続端子がそれぞれ異なります。下記の比較表をご覧ください。
各モデルの特徴
KATANA-50 GEN 3
KATANA-50 GEN 3は、出力、ポータビリティ、機能性のバランスに優れた、コンパクトで扱いやすいモデルです。持ち運んで使う機会の多い人や、自宅のスペースが限られている人に最適でしょう。
GEN 3の中で最もベーシックなモデルながら、そのサウンド・クオリティや機能性に妥協はなく、他モデルと同様のアンプ・タイプとエフェクトを搭載しています。50Wという出力は練習やリハーサル、小規模なライブにおいて十分な音量をもたらします。コンパクトかつ多目的に使えるアンプとして理想的なモデルです。
「KATANA-50 EX GEN 3は、ステージ向けの機能を強化したKATANA-50 GEN 3のアップグレード・モデルです」
KATANA-50 EX GEN 3
KATANA-50 EX GEN 3は、ステージ向けの機能を強化したKATANA-50 GEN 3のアップグレード・モデルです。 GA-FC Foot Controllerの接続に対応しており、足元でのリアルタイムな操作を実現するほか、選択できるメモリー数が4つから8つに拡大します。そのほかIRベースの自然なサウンドを出力するLINE OUT出力や、2台のKATANA AMPを使ってステレオ・サウンドを出力できるSTEREO EXPANDに対応しています。
グレー/ブラック織のグリルネットによりプレミアムな外観となったほか、特別チューニングの専用スピーカーを採用し、豊かなキャビネットの響きと広がりのあるサウンドが得られます。ステージでの響きを重視したチューニングとなっています。
KATANA-100 GEN 3
KATANA-100 GEN 3は上記の2モデルと比較して出力・機能ともに向上しており、より余裕のある音量とステージでの存在感を求めるギタリストに最適です。
このモデルからSEND/RETURNが搭載されていることも大きな特徴の1つで、お気に入りの外部エフェクターとの組み合わせが可能になります。ライブ、リハーサル、スタジオ・セッションのいずれにおいても、妥協のないサウンドとパフォーマンスを提供する、汎用性の高いモデルです。
KATANA-100/212 GEN 3
KATANA-100/212 GEN 3は、KATANA-100 GEN 3と同じ機能を備えつつ12インチ・スピーカーを2基搭載したアップグレード・モデルです。音の広がりや奥行きが増しているため、空間をリッチなサウンドで満たすことができます。
「KATANA-100/212 GEN 3は、2基の12インチ・スピーカーにより、音の広がりや奥行きが増した、より豊かなサウンドで空間を満たすことができます」
KATANA HEAD GEN 3
KATANA HEAD GEN 3は、ヘッド・タイプでありながら5インチのスピーカーを内蔵し、単体でも最大30Wの出力が可能なユニークなモデルです。外部スピーカー接続時は100Wの出力を誇るため、軽量かつポータブルでありながらライブ・ステージにも対応します。また、新搭載のBLOOM機能をオンにすることで、膨よかな弾力性と立ち上がりの早いレスポンス、温かさと鋭さを併せ持ったサウンドが得られます。
SEND/RETURNやMIDI INなどの多彩な接続端子により、外部エフェクターを含めた柔軟なセッティングが可能で、スタジオ・ミュージシャンとライブ・パフォーマーの双方のニーズに応えます。さまざまな用途を考えているギタリストにとって、汎用性の高い理想のモデルとなるでしょう。
KATANA ARTIST GEN 3
KATANA ARTIST GEN 3は、豊かなトーンとレスポンスを再現するBOSS オリジナルのWAZA SPEAKER を搭載した、KATANA AMPのフラッグシップ・モデルです。洗練されたキャビネット・デザインと高度なサウンド・チューニングに加え、新搭載のBLOOM機能によりハイエンドのブティック・アンプに匹敵する、より没入感のある自然な演奏体験をもたらします。
このスピーカーとキャビネットのコンビネーションを最大限に活かすべく、搭載された全てのアンプ・タイプには専用のチューニングが施されています。スタジオでもステージでも圧倒的なサウンド・クオリティと汎用性、パフォーマンス能力を提供し、熟練のミュージシャンの要求にも応えることができるモデルです。
KATANA ARTIST HEAD GEN 3
KATANA ARTIST HEAD GEN 3はKATANA ARTIST GEN 3と並んでシリーズ最高峰となるヘッド・アンプであり、プロ仕様のサウンド・クオリティ、汎用性、パフォーマンス能力を備えています。
3 つのスピーカー・アウトを搭載し、8 オームであれば1 つ、16 オームであれば2 台までのキャビネットをスタックすることが可能。あらゆるキャビネットにおいて、存在感のあるサウンドをもたらすパワフルなセットアップを実現します。
「KATANA ARTIST HEAD GEN 3はシリーズ最高峰となるヘッド・アンプであり、あらゆるキャビネットと組み合わせて存在感のあるサウンドをもたらすパワフルなセットアップを実現します」
中でも、WAZA SPEAKERを2 基備えたKATANA CABINET 212 WAZAとの相性は抜群です。60 年代のスタック・アンプに搭載されていたブリティッシュ・スピーカーにインスパイアされ開発されたこのスピーカーが、豊かな倍音と弾力感を持った極上のブラウン・サウンドを出力する、KATANA のフラッグシップ・コンビネーションです。
ベストなKATANA AMPは?
これらのラインナップからベストを決めることは困難ですが、目的に合わせて最適なモデルをアドバイスすることはできます。
- エントリー: KATANAは駆け出しのギタリストにとっても、最適なアンプですが、必ずしもベーシック・モデルであるKATANA-50 GEN 3が最もお勧めという訳ではありません。
- 自宅演奏: コンパクトなサイズ感、十分な出力、練習に必要な機能を備えたKATANA-50 GEN 3を、足元での細かなコントロールも求める方はGA-FC/GA-FC EX Foot Controllerに対応しているKATANA-50 EX GEN 3をお勧めします。
- ライブ・パフォーマンス: 大出力、豊富な接続端子とトーン・シェイプ機能を備えたKATANA-100 GEN 3、またはKATANA ARTIST GEN 3がライブ用に適しています。もし現地に利用可能なスピーカー・キャビネットが存在するのであれば、可搬性を考慮してKATANA HEAD GEN 3やKATANA ARTIST HEAD GEN 3も良い選択肢となるでしょう。
- レコーディング: USB Type-C接続端子によって全モデルがレコーディングに十分対応しますが、充実したトーン・シェイプ機能へのアクセスの良さを考えるとKATANA ARTIST GEN 3が最も使いやすいでしょう。
「モデルごとにサイズ、重さ、出力はもちろんのこと、機能や接続端子がそれぞれ異なります」
あらゆるジャンルに対応
KATANA AMPの魅力のひとつに、あらゆるジャンルにおいて理想的なトーンを得られるサウンド・メイキングの幅広さがあります。太くタイトなメタル・サウンドにも、クリーミーなブルース・サウンドにも、KATANAであれば一台で対応可能です。
MkIIとGEN 3の違い
KATANA AMPのコア・ラインナップはこれまでと変わりませんが、GEN 3シリーズはそれぞれのモデルに新しいサウンドと機能を追加しています。その詳細については、「BOSS KATANA GEN 3の新機能」に詳しく記載していますが、簡単にまとめると以下が追加されています。
- 新たなアンプ・タイプと基本サウンドの向上新搭載のBLOOMパワー・アンプ・ボイシング(HEAD、ARTIST、ARTIST HEADのみ)
- USB Type-C接続端子とコントロール・パネルのアップグレート
- BOSS TONE STUDIOエディターのUIの向上
- Blootooth接続への対応
- IRベースの自然なサウンドを出力するLINE OUT
その他のKATANAラインナップ
KATANAシリーズは何年にもわたって拡充を続けており、この記事で触れていないモデルも沢山あります。これらはKATANAアンプのコアとなる機能をすべて備えているわけではありませんが、あなたのニーズに合ったモデルが見つかるかもしれません。
KATANA-AIRシリーズ: 世界初の完全ワイヤレス・ギターアンプであるKATANA-AIRとKATANA-AIR EXは、トランスミッターをギターに接続するだけでワイヤレスでの演奏が可能。電池駆動に対応するほか、Bluetoothでスマートフォンと接続することでエディターアプリでの細かな音作りも実現します。
KATANA-MINI: 本格的なKATANAのサウンドを、KATANA-MINIは小型でどこにでも持ち運べるアンプとして実現した最小クラスのモデルです。同クラスのアンプを遥かに凌ぐサウンド・クオリティを提供するこのコンパクトなアンプは、段階的に歪みをアップさせていくアナログ・ゲイン回路、本格的な3バンドEQ、温かみのあるテープ・エコー・タイプのディレイを搭載。演奏する場所を選ばずどこでもロック・サウンドを楽しむことができます。
KATANA BASS: 2022年、ベーシスト用のKATANA AMPとしてKATANA-110 BASSとKATANA-210 BASSが登場しました。ベース用に特化した機能とエフェクトを特徴とするこの2つの新製品は、KATANAの魅力をベーシストにも広めています。2024年には更に、500Wのヘッド・タイプのKATANA-500 BASS HEADもラインナップに加わりました。
「ベース用に登場したKATANA-110 BASSとKATANA-210 BASSは、KATANAの魅力をベーシストにも広めています」
あなたに合った選択を
この記事が、あなたのニーズに合った理想的なKATANA AMPを選ぶ助けとなれば幸いです。さらに詳しく知りたい方は、各モデルの製品ページやYouTubeの関連ビデオをご覧になったり、SNSのグローバル・コミュニティに参加されることをお勧めします。
- 詳しくはこちら KATANA GEN 3アンプ・シリーズ