EURUS GS-1

EURUS GS-1の内部を検証

BOSSが誇る先進的なギター・シンセサイザー技術とモダン・スペックのカスタム・ビルド・ギターを融合したエレクトロニック・ギターのEURUS GS-1。その革新性をご紹介します。

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ギター・シンセはとても巧妙な楽器です。ピッキングしたギターの音色は複雑な動きをするため、弦のピッチ、ピッキング・ニュアンス、豊かな倍音をシンセサイザーに変換してコントロールするのは容易なことではありません。BOSSは、ギター・シンセ・システムの世界に革新をもたらし続けています。EURUS GS-1は、BOSSの高度なシンセ・エンジンを高品位なエレクトロニック・ギターに搭載。まるでオーバードライブ・サウンドのように、簡単にシンセサイザーの音色を奏でることができます。BOSSの技術をベースに、ギター・シンセの世界に新風を吹き込んだのです。

進化したシンセ・エンジン

EURUS GS-1の特徴を理解するために、まずはBOSS SY-300 Guitar Synthesizerについて見てみましょう。SY-300は、標準ケーブルを介して受け取った通常のギターの信号で、シンセ・サウンドを生成します。弦からの信号を表現力豊かなポリフォニック・シンセ・サウンドで演奏可能となりました。ギターならではの表現力を持ったアナログ・スタイルのシンセ・サウンドを、誰もが瞬時に手に入れることができます。

EURUS GS-1は、ストリングスやアナログ・ブラス、オルガンやベース・シンセなど多彩な音色を搭載しています。また、リッチなパッドや鋭いシンセ・リードなども多数用意されており、ピッキングのダイナミクス、ビブラート、チョーキングにもナチュラルに反応する音色ばかりです。さらに、フロアを揺らすEDM調のベースから、幻想的なアンビエント・パッドやリードまで、あらゆる音楽ジャンルにフィットするサウンドが揃っています。

EURUS GS-1 サウンド・サンプル (Paul White)
EURUS colorful

新しい風

電池またはACアダプター PSA -100で駆動するEURUS GS-1は、通常のエレキ・ギターと同じように使用することができます。Stratocasterの定番である25.5インチ・スケールを備え、インディアン・ローズウッド指板はコンパウンド・ラジアス(12〜16インチ)で、スムーズかつ素早いフィンガリングを実現。また、牛骨製のナットと、Gotoh製のペグ(SG381-MGT-07-L6)とブリッジが装備されています。2基のハムバッカー(EURUS Humbucker)は5ウェイ・スイッチで切り替え可能で、フロント、リア、ハーフ・トーン以外にも、2種類のシングルコイル・サウンドを選択できます。

“EURUS GS-1はリッチなパッドと鋭いシンセ・リードを備え、そのすべての音色がピッキングのダイナミクス、ビブラート、チョーキングにもナチュラルに反応”

EURUS GS-1は、複雑な設定が苦手と思うギタリストも心配は要りません。まさに、ユーザー・フレンドリーな楽器です。シンセとギターの切り替えを切り替えるトグル・スイッチに、マスター・ボリュームとトーン・コントロールを1つずつ装備。さらに、ロータリー・スイッチ(SYNTH MEMORY)で6種類のシンセサイザー・サウンドを選択することができます。また、フィルターの明るさなど、選択したサウンドのパラメーターを調整するノブ(SYNTH CTL)も搭載しています。

2つのジャック、2つの選択肢

EURUS GS-1は、OUT PUT端子とSYNTH OUT端子の2つの出力端子を備えており、ユーザーは2つの選択肢から選ぶことができます。両方のトーンを普段使っているアンプに送ることもできますし、シンセ音を分けて別のアンプに送ったり、PAに直接送ることも可能です。

シンセをフルレンジ・スピーカーに接続することは一般的なことです。例えばパワード・スピーカー、アコースティック・ギターアンプ、小型のキーボード・アンプなどが挙げられます。PAに直接信号を送れば、わざわざ2台目のアンプを用意する必要はないため、EURUS GS-1を簡単にセッティングすることができます。

“EURUS GS-1はユーザー・フレンドリーな楽器”

バランスとコントロール

手元のコントロール・ノブでシンセとギター・サウンドのバランスを調節できます。しかし、BOSS FVシリーズをはじめとするBOSSのボリューム・ペダルをシンセの出力の後に繋ぐことで、足元の操作のみでシンセ音をフェード・イン/アウトさせることができます。

さらに、信号を別のアンプやPAに送る前に、ペダルでエフェクトを加えることもできます。ディレイやリバーブをかけることで、より生き生きとしたサウンドに変貌します。SYNTH OUT端子を使えば、シンセ出力とギター出力にそれぞれ異なるエフェクトをかけることも可能です。

複雑さを排除したエディット

もしもプレイヤーがプリセットされているシンセサイザーの音色以外のものを必要としたらどうでしょうか?ご安心ください。iOS / Android 用のアプリGS-1 Editor(無償)を使えば、新しいサウンドを作成し、保存することができます。また、アプリとGS-1はBluetoothで接続されるため、ケーブル不要で操作できます。さらに、別売りのMIDIエクスプレッション・ペダルBOSS EV-1-WLを使用すれば、シンセの音量など様々なパラメーターを簡単に足元でコントロールすることできるのです。

EURUS app

アプリ内での編集では、多くのサウンド・タイプからTONE、RESONANCE、DEPTH、DIRECT LEVEL、SYNTH LEVELなどの主要なパラメーターを調整することが可能です。また、ホールドやピッチの機能も備えています。これらのパラメーターには、ワイヤレスMIDIエクスプレッション・ペダルEV-1-WLのスイッチ機能に割り当てることも可能です。エディットに専門的な知識はほとんどないため、好みのサウンドを保存すればすぐに演奏を始めることができます。複雑さは一切ありません。

EURUS GS-1サウンド・サンプル (Paul White)

ステージに持ち込もう

EURUS GS-1は、余分なケーブルを追加することなく、シンセ・サウンドを手軽にライブに持ち込む新しいソリューションを提供します。ピックアップ構成はあらゆるプレイ・スタイルをカバーし、さらにその卓越した品質は夢見心地のような演奏体験をもたらします。つまり、ギタリストはシンセサイザーの世界を探求するために、もう演奏スタイルを変える必要はないのです。

“余分なケーブルを追加することなく、ステージにシンセサイザー・サウンドを取り入れる全く新しいソリューション、EURUS GS-1”

Play Video

EURUS GS-1は、まさにギリシャ神話に登場する東風の神「ユーラス」のようにパワフルな存在です。EURUS GS-1は冒険的な音の探求者たちに、大胆かつ創造的な道を提示します。これらの風は、プレイヤーを“未知の目的地”へと駆り立てることは間違いないでしょう。

Paul White

Sound on Soundで30年に亘って編集者を務めたのち、現在ではSOS Publicationsのエグゼティブ・エディターを担当。また、映画劇伴のようなチルアウト・ミュージックを制作するCydonia Collectiveのメンバーでもある。