マルチ・オーバートーン・ペダルのクリエイティブなギターサウンド5選

BOSS MO-2マルチ・オーバートーンは複数の異なるエフェクトの組み合わせと多彩なアプリケーションをシンプルなコントロールで実現したクリエイティブツールです。。MDPはBOSS 独自の多次元的信号処理技術で、周波数や演奏のダイナミクスを分析し、変化するエフェクトを瞬時に解析します。その結果、複数のエフェクトの特性を組み合わせた、複雑でユニークなサウンドが生まれます。この驚異的なペダルの面白さを、深掘りしていきましょう。

マルチ・オーバートーンについて

MO-2は高域、低域、あるいはその両方に新たな倍音を加えることができるユニークなピッチ・シフト・エフェクターです。様々なモジュレーション・エフェクトの特性を組み合わせて複雑なハーモニーを作り出すため、単純なギター・パートでさえも太くて衝撃的なサウンドに仕上げます。

MO-2の使い方

BOSS MO-2には、様々な音色を操作できる4つのコントロールを搭載。BALANCEは、ドライ音とウェット音の音量バランスを調節できます。これによりMO-2は微妙にモジュレーションのかかったオクターブから、エフェクト音だけを活かしたシンセ・オルガンのようなトーンまで、さまざまなサウンドを奏でます。

「DETUNEコントロールを時計回りに回すことで、倍音効果から豊かなコーラス、宇宙空間を想起させるビブラートまで、あらゆるエフェクトを生み出せます」

右端のコントロールではMODEを選び、3つのボイシングを切り替えます。MODE1はBALANCEコントロールで+1オクターブを混ぜ、DETUNEコントロールでボイシングに柔らかな厚みを加えます。MODE2では、BALANCEコントロールで+1オクターブ-1オクターブを組み合わせ、DETUNEコントロールで広大なモジュレーションをかけたレスリー系エフェクトを作ります。そしてMODE3では、BALANCEコントロールで-1オクターブを調節しつつ、高域の倍音成分を付加します。DETUNEコントロールでは、コーラスやビブラートのような音色をエフェクトに追加します。

セットアップに関する注意点

エフェクト・チェーンの中でMO-2を配置する場所は、他のエフェクターのように明確に決まっているわけではありません。このペダルはピッチ・シフトとモジュレーションの両方の役割を果たし、ペダルボード上の様々な配置で最適に動作します。汎用性が高いため、様々な活用法を楽しむこともできます。

ピッチ系エフェクトは、エフェクト・チェーンの先頭にして、クリーンなギター信号入力することで、ピッチの検出が安定し、効果を最大限引き出すことができます。MO-2はMDPベースのエフェクトで、ピッキングのダイナミクスも含めてを解析し、繊細で立体的なエフェクトを作り出すことに優れています。ユニークなサウンドを生み出すために、オーバードライブと組み合わせるのも良いアイデアでしょう。もしくはディレイ・ペダルの後に繋いで、煌びやかなトーンを加えるのもおすすめです。

マルチ・オーバートーン・ペダルを最大限に活用する

12弦ギターを再現

MO-2は12弦ギターのハーモニクスと豊かな音色特性を再現できます。個性的でユニークな12弦は、豊かに広がるコード感や没入感のあるサイケデリック・サウンドを作るのに、理想的な楽器です。

MO-2でこのエフェクトを作り出すには、MODEコントロールでMODE1を選択します。この設定により、ギター信号に対して+1オクターブが追加されるので、エフェクト音がギターの原音と同じバランスになるようにミックスします。次に、TONEコントロールを10から11時方向に振ります。+1オクターブの鋭い周波数を和らげ、ギター信号の音色と同調させることで、より自然体なサウンドに仕上がります。最後にDETUNEコントロールを9時付近まで回します。MODE1のモジュレーションは穏やかですが、12弦ギターを再現するためにクリーンで自然体な音色が必要です。DETUNEを低めに設定することで、理想の音色を奏でることができます。

「MO-2は12弦ギターのハーモニクスと豊かな音色特性を再現できます」

シンセ・コーラス（ボリューム・スウェル）

大胆な設定をすることで、MO-2は巨大なウォール・サウンドのシンセ音を作り上げます。一定スピードのデジタル・ディレイとリバーブのタッチは、Vangelisのようなシンセのうねりを完成させます。

やり方は簡単です。まず、-1オクターブを加えるMODE3にMO-2を設定します。2時方向にブレンドすると、太くて芯のあるベース・シンセのような音色になります。次にDETUNEを12時位置より少し前に設定し、艶のあるビブラート系モジュレーションを作ります。ここでのコツは、ギターのボリューム・コントロールを使ってゆっくりとコードをかき鳴らしながらうねらせることです。このテクニックは、きらめく倍音と心地よいモジュレーションで、重厚なシンセ・トーンを作り出します。

「大胆な設定をすることで、MO-2は巨大なウォール・サウンドのシンセ音を作り上げます」

独特なベースライン

M0-2はBALANCEコントロールを時計回りいっぱいに振り切っても、グリッチや合成音のような響きを制御できます。音符の追従性を高め、演奏のダイナミクスを再現するMDPテクノロジーが備わっているからです。これはベース・ギターやシンセのような音色を作るのに便利です。以下は、単純なベースラインやテクスチャー作りにおすすめの設定方法です。

MODE3を選択し、BALANCEを時計回りにいっぱいに設定すると、オクターブにフォーカスした音色になります。
TONEコントロールを9時付近まで戻すと、高域倍音の周波数が緩和され、太く厚みのあるベース音になります。
DETUNEコントロールを10時付近まで戻すと、ビブラートのような厚みのある音色を鳴らすことができます。

風のようなコーラス

MO-2のモジュレーションは注目すべき機能です。リッチで豊かなコーラス系エフェクトを生み出すと同時に、MO-2の揺らめくピッチ・ベース感を使用してテクスチャーを加えることができます。その結果、揺らめくオクターブと存在感のある低音のクラシックなコーラス音が実現します。モジュレーションに何か違うものを求めるギタリストにぴったりな雰囲気の音です。