Pedal Partners Compressor Header

Pedal Partners:コンプレッサーと他のエフェクターを組み合わせましょう

コンプレッサー・ペダルは、ギター信号のダイナミクスを均一にすることで、幅広い音作りを可能にする汎用性の高いエフェクトです。ペダルボードになくてはならない存在とも言える、この活力に満ちたペダルを最大限に活用しましょう。

1 min read

コンプレッサー・ペダルは、ギター信号のダイナミクスを均一にすることで、幅広い音作りを可能にする汎用性の高いエフェクトです。あらゆるセットアップの基幹となり、組み合わせたエフェクターの特徴をより引き出すアイテムです。一般的には、常にオンの状態にします。ギターのピックアップと同様に音色作りにも欠かせないコンプレッサーは、他のエフェクトと組み合わせることで、多彩で刺激的な音を奏でることができます。ペダルボードになくてはならない存在とも言える、この活力に満ちたペダルを最大限に活用しましょう。

設定の秘訣

「コンプレッサー・ペダルを活用したクリエイティブなギターサウンド5選」で紹介したように、コンプレッサーの威力を最も発揮できる場所はエフェクト・チェーンの最前です。こうすることで、楽器のダイナミクスの変化を制限することができます。コンプレッサーは演奏時にアタックを補強しますが、ダイナミクスは他のエフェクターの基本機能です。例えば、オーバードライブやディストーションはダイナミクスを拡大し、ギター信号をブーストします。コンプレッサー・ペダルをオーバードライブやディストーションの後に配置すると、エフェクトの特性が変化し、制限されることになります。

コンプレッサーと他のエフェクターを組み合わせる

音を魅力的に加工するツールとしてコンプレッサーを常にオンにする場合、わずかに設定を施す必要があります。例えばBOSS CS-3のATTACKとSUSTAINは12時の位置のままにして、信号がつぶれたり、思わぬブーストが起きないようにします。この設定により、ペダルのオン・オフを切り替えなくても、コンプレッサーが音色を均一化するのに十分な透明性を生み出します。

一方で、より極端な設定にすることで、コンプレッサーの威力を効果的に試すことができます。他のエフェクトとの組み合わせによっては、コンプレッサーが音量を抑えすぎてしまったり、逆に上げすぎてしまうことあります。他ペダルの特徴やその組み合わせに注意を払い、適切にコンプレッサーの設定を行うことで、バランスの取れたエフェクト音を作ることが可能です。

PEDAL COMBINATIONS

オクターブ

BOSS OC-2やOC-5のようなオクターブ・ペダルは、ギターをシンセサイザーのように鳴らすことができます。クリーンなギター信号、-1オクターブ、-2オクターブを同レベルでブレンドすることで、音の周波数を支配するウォール・サウンドの音色を奏でることができます。

OC-5

コンプレッサー・ペダルをミックスに加えることで、シンセのような音を強調できます。RATIOを最小に、SUSTAINを最大に設定すると、圧縮された不自然なギター音になります。コンプレッサーは低音域にめりはりを加え、さらに出力音はより均一で人工的なサウンドになり、3オクターブの信号にはより一体感が生まれます。ギターの自然なダイナミクスとは異なった印象を体感できるでしょう。

おすすめのペアリング

  • BOSS CS-3 × OC-5 
  • BOSS CP-1X × OC-5 

「コンプレッサー・ペダルをミックスに加えることで、シンセのような音を強調し、低音域にめりはりを加えます」

ファズ

バンドのミックスでファズを使用するのは、非常に高度なテクニックを必要とします。ファズ単体の音はとても素晴らしいですが、ドラマーやベーシストによって生み出される周波数によってファズ・ペダルの音色の特徴が目立たなくなることがあります。そこにコンプレッサーを重ねると、ペダルの自然な音色を変えることなく、ファズをミックスで聴こえるところまでコントロールし、ブーストすることができます。

この場合、コンプレッサーはファズのブースターまたはトーン・スタックとして捉えてください。コンプレッサーのLEVELコントロールを使って、ファズ・ペダルをミックスで聴こえる程度までブーストします。その後、COMPRESSION、RATIO、SUSTAINを調整し、不要な周波数を削ります。この方法で、仕上がった音色が過度に鋭く扱いにくいサウンドにならずに、ヘビーな印象を残すことができます。

おすすめのペアリング

  • BOSS CS-3 × FZ-1W 
  • BOSS CP-1X × FZ-5 

「ペダルの自然な音色を変えることなく、ファズをミックスで聴こえるところまでコントロールし、ブーストすることができます」

ディレイ

強力なディレイ効果を狙うなら、ディレイ・ペダルの後ろにコンプレッサーを置いてみてください。コンプレッサーの設置場所としては珍しいですが、ディレイ・ペダルで巨大なウォール・サウンドを作るには非常に効果的です。

コンプレッサーはディレイの減衰とギターのドライ音を自然に圧縮します。この動作はFEEDBACKをフル回転させているように聞こえますが、ディレイ・ペダル単体のループ効果ではありません。この組み合わせは、よりパンチのあるディレイ・トーンを作り出し、短いディレイ・タイムや奇妙なグリッチ・エフェクトに効果的です。

おすすめのペアリング

  • BOSS CS-3 × DM-101 
  • BOSS CP-1X × DM-2W 
DM-101

リバーブ

リバーブ本来の目的は、あらゆる環境の部屋の自然な雰囲気を再現することでした。しかし最近では、ギタリストのリバーブも使用方法が進化しています。アンビエント・リバーブやシマー・エフェクトは、ポップスからポストロックまで、あらゆるジャンルの定番です。渦巻くモジュレーション・リバーブの巨大な壁を作ろうとすると、時々、コントロール不能となって耳障りなサウンドになってしまいます。コンプレッサーは、こうしたアンビエント・リバーブの荒々しい振動をコントロールし、和らげるために非常に役立ちます。

この場合、コンプレッサーを過度に圧縮する必要はありません。ATTACKまたはCOMPRESSIONがリミッターとして機能し、プレイヤーが特定の音量を超えないように制限するようにしましょう。

アンビエント・リバーブに対するコンプレッサーの役割は、周波数が過剰に振動したり、ミックスから飛び出したりするのを防ぐことです。これは、コンプレッサーの使い方としてはかなり地味に思えるかもしれません。しかしディケイが長いアンビエント・リバーブは、効果を均一に保つのが難しいケースがあります。コンプレッサーを使うことで、エフェクトをコントロールしやすくし、明瞭度を加えることができます。

おすすめのペアリング

  • BOSS CS-3 × RV-6 
  • BOSS CP-1X × RV-500  

「音に明瞭さと輪郭を与え、他のほとんど全てのペダルを最大限に活用するのに役立ちます」

エフェクトの魅力を増す引き立て役

こうした例において、コンプレッサーは主役ではなく、引き立て役として機能しています。コンプレッサーは特に目立つエフェクトではありませんが、必須アイテムであり、組み合わせるエフェクトの音色を魅力的に持ち上げながら、前へと押し出します。

コンプレッサーは、ペダルボード上の他のすべてのエフェクトの組み合わせの基盤です。音に明瞭さと輪郭を与え、他のほとんど全てのペダルを最大限に活用するのに役立ちます。微妙なセッティングでも極端なセッティングでも、試してみてください。最も信頼のおけるペダルになるかもしれません。

Joe Branton

JoeはポッドキャストGuitar NerdsのMCを務め、10年間に渡って毎週放送を続けてる世界で最も配信を行っているギタリストの一人です。