ルーパーを始めるなら、BOSSが間違いありません。しかし、どのLOOP STATIONが自分に最も適しているかを見極めるのは、簡単なことではないでしょう。この記事を読めばLOOP STATIONシリーズのモデルによる違いが明確になり、あなたの要望を満たしてくれる最適な1台を見つけることができるようになります。
LOOP STATIONの歴史
BOSS LOOP STATIONは、現代の音楽シーンに大きな影響をもたらしたものの1つです。2001年に登場したRC-20によって、新たな時代が幕を開けました。この先進的な製品が備えていたリアルタイムでの録音、再生、オーバーダブというシンプルな機能が、ソロで活動するアーティストを壮大なシンフォニーへ誘い、瞬く間にムーブメントを巻き起こしたのです。
この現象は一過性のもので、すぐにアイデアは出尽くすだろうと考える人たちもいました。しかし彼らの予想に反して、今やギタリスト、シンガーソングライター、ビートボクサー、パーカッショニスト、YouTuberなど、多種多様なアーティストがライブやレコーディングでLOOP STATIONを使用しています。
BOSSは常にムーブメントを先導し、先駆者の閃きに耳を傾け、彼らが頭の中で描いたサウンドを実現するハードウェアを作り続けてきました。2001年当時は1モデルしかなかったLOOP STATIONも、現在では7モデルがラインナップされ、それぞれが異なるバックグラウンドを持つユーザーを獲得しています。ルーパーにおいて、これほど存在感を誇るブランドは他にありません。
モデル別の特長
RC-1
シンプル設計のRC-1は、まさにはじめてのルーパーに最適な1台です。録音、再生、オーバーダブ、アンドゥ/リドゥといった操作は、すべてペダルひとつでOK。また画期的なデザインの円形ループ・インジケーターで、録音、再生、オーバーダブの状態やテンポをわかりやすく表示。パフォーマンスに必要な情報がひと目で把握できるため、操作に迷うことなく、直感的なループ・パフォーマンスを実現します。
最適なプレーヤー:ギタリスト、ベーシスト、キーボーディスト
スキルレベル:初級者向け
RC-5
RC-1の快適な操作性はそのままに、よりクリエイティブな機能を追加したRC-5。内部演算32bit float(浮動小数点)処理による高品位なサウンド、50種類以上の内蔵リズムや最大13時間のステレオ・レコーディング、99のフレーズ・メモリー、USBやMIDIへの対応など、小さな筐体にパワフルなスペックを備えています。
最適なプレーヤー:ギタリスト、ライブ・パフォーマー
スキルレベル:初級者~中級者向け
RC-10R
オーガニックなリズムとクリエイティブなルーパーを融合させたRC-10R。2系統のループ・トラック、外部フット・スイッチやMIDIによる拡張コントロール、あらゆるジャンルの音楽に対応する280種類を超える膨大なリズム・パターンにより、より魅力的な作曲やパフォーマンスを実現します。
最適なプレーヤー: シンガーソングライター、ライブ・パフォーマー、ギタリスト
スキルレベル:中級者向け
RC-202
BOSS の最先端テクノロジーをコンパクトに凝縮した、手で操作するテーブルトップ・タイプのモデル。クリエイティブなループ・フレーズをレコーディングできるINPUT FXとリアルタイムにエフェクトを操るDJ/サンプラースタイルのTRACK FXは、各4系統を同時に使用可能。パフォーマンスに絶大な効果を発揮するアグレッシブなエフェクトが満載です。
最適なプレーヤー:クラブ・パフォーマー、電子楽器奏者、ビートボクサー、作曲家、YouTuber
スキルレベル:中級者向け
RC-500
2つのループ・トラック、マイクとステレオ入力に対応したインプットに加え、多様なリズムと想像力を掻き立てるLOOP FXを装備。外部コントローラーやMIDIでの制御にも広く対応し、アーティストに新たなアイデアを提供します。
最適なプレーヤー:ギタリスト、シンガーソングライター、マルチ楽器奏者
スキルレベル:中級者向け
RC-600
フロア型LOOP STATIONのフラッグシップ・モデルであるRC-600は、ステレオ対応の6つのフレーズ・トラックと32bit AD/DA変換、内部演算32bit浮動小数点処理によるクラス最高峰のサウンドで複数のマイクや楽器をサポート。自在に機能の割り当てが可能な9つのフット・スイッチで、1台で高度なループ・システムの構築を可能にします。
最適なプレーヤー:マルチ楽器奏者、シンガーソングライター、ギタリスト
スキルレベル:中級者/上級者向け
RC-505mkII
初代RC-505をベースに、次世代のパワーと柔軟性を備え進化したテーブルトップ・ルーパー。5つのステレオ・トラックに、それぞれ4つのエフェクトを同時に使用可能なINPUT FXとTRACK FX、高い柔軟性を備えた入出力のシステム、あらゆるニーズに対応するカスタマイズ性により、ループ・パフォーマンスにさらなる飛躍をもたらします。
最適なプレーヤー: ビートボクサー、作曲家、YouTuber
スキルレベル:中級者/上級者向け
最適なモデルはどれか?
ソーシャルメディア上からクラブハウスまで、様々なミュージシャンがLOOP STATIONを利用していますが、そのスタイルは千差万別です。どのモデルもあなたを柔軟にサポートしてくれるのは間違いありませんが、まずはあなたが使っている姿をイメージするところから始めてみましょう。
ここでは、いくつかの実践的な質問によって、あなたがモデルを選ぶお手伝いをします。
予算はどれくらいか?
機材が溢れかえる現代を生きるミュージシャンにとって、限られた予算をどうやり繰りするかは、何よりも重要な命題です。予算の中で、あなたに合ったモデルを見つけましょう。フラッグシップ機のRC-600とRC-505mkIIの次に、ミドルクラスのRC-202、RC-10R、RC-500と続きますが、エントリーモデルのRC-1であっても十分な機能と信頼性を備えていることは忘れないでください。
一覧
ハイエンド・モデル
- RC-600
- RC-505mkII
ミドルエンド・モデル
- RC-202
- RC-10R
- RC-500
ローエンド・モデル
- RC-5
- RC-1
必要な電源は?
LOOP STATION をどこで使用したいのか?これはモデルの選択に大きく影響する要素です。上位モデルはAC アダプターを介して主電源でのみ動作しますが、RC-5、RC-500、RC-1はアルカリ乾電池での使用にも対応しており、屋外等の電源が取れないシチュエーションでも気軽に使えるようになっています。
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RC-600
ACアダプター
RC-505mkII
ACアダプター
RC-202
ACアダプター
RC-10R
ACアダプター
RC-500
ACアダプター または アルカリ電池(単3形)×4
RC-5
ACアダプター または アルカリ電池(9V形)
RC-1
ACアダプター または アルカリ電池(9V形)
サイズと重さは?
どのモデルもコンパクトに設計されているとはいえ、それぞれのサイズや重量は大きく異なるため、あなたのスタイルに合っているかを確認する必要があります。機材をスリムに収めたい場合や、公共交通機関を利用して持ち運ぶことが多い場合は、RC-1やRC-5のようなコンパクト・ペダル・タイプが最適かもしれません。楽曲制作のためのセットアップを構築していて、机の上に載せて使いたい場合は、テーブルトップ・タイプのRC-505mkIIやRC-202を検討してみてください。
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RC-600
幅435mm×奥行163mm×高さ66mm、2.4kg
RC-505mkII
幅420mm×奥行234mm×高さ67mm、1.8kg
RC-202
幅239mm×奥行175mm×高さ55mm、950g
RC-10R
幅101mm×奥行138mm×高さ65mm、620g
RC-500
幅170mm×奥行138mm×高さ60mm、950g
RC-5
幅73mm×奥行129mm×高さ56mm、450g
RC-1
幅73mm×奥行129mm×高さ59mm、430g
ペダル・タイプとテーブルトップ・タイプ、どちらを選ぶべきか?
ギタリストやシンガーソングライターがムーブメントをリードしていた黎明期には、LOOP STATIONはペダル・タイプしか存在しませんでした。しかし、DJやビートボクサー、DAWベースの作曲家など、手を用いることができるミュージシャンへの需要が高まったことで、RC-505mkIIやRC-202のようなテーブルトップ・タイプが新たに仲間入りしています。LOOP STATIONをどこでどのように使うかを考えて、納得のいくモデルを選びましょう。
一覧
RC-600
ペダル・タイプ
RC-505mkII
テーブルトップ・タイプ
RC-202
テーブルトップ・タイプ
RC-10R
ペダル・タイプ
RC-500
ペダル・タイプ
RC-5
コンパクト・ペダル・タイプ
RC-1
コンパクト・ペダル・タイプ
どんな機能が必要か?
LOOP STATIONの機能性は、この四半世紀で飛躍的に向上しました。ここでは、モデルの選択にあたって考慮すべきいくつかの要素をご紹介します。
最大録音時間
この重要な指標は、それぞれのモデルが合計でどれだけのフレーズを録音できるかを示しています。初心者のうちは4小節のシーケンスから始まるかもしれませんが、スキルの向上につれて、録音時間が足かせになってくることは避けたいでしょう。エントリーモデルのRC-1でもステレオで12分の録音が可能ですが、フラッグシップ・モデルのRC-600とRC-505mkIIでは最大13時間という長時間をサポートしています。
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RC-600
約1.5時間(1トラック)、約13時間(メモリー合計)
RC-505mkII
約1.5時間(1トラック)、約13時間(メモリー合計)
RC-202
約3 時間(メモリー合計)
RC-10R
約6時間(メモリー合計)
RC-500
約1.5時間(1トラック)、約13時間(メモリー合計)
RC-5
約1.5時間(1トラック)、約13時間(メモリー合計)
RC-1
約12分
トラック数
LOOP STATIONには、複数のトラックを使って録音できるモデルがあります。いくつのトラックが必要かは、作りたい音楽によって異なるでしょう。例えばギターを使ったループ・パフォーマンスなら、コンパクト・ペダル型のRC-1やRC-5が備える1トラックで十分な事がほとんどです。しかし、ボーカル、キーボード、ドラム・パッドなどの楽器を重ねて演奏したい場合、RC-600やRC-505mkIIのようなマルチトラックに対応するモデルを使えば、各楽器にそれぞれ専用のトラックを用意することができ、パフォーマンスの幅が飛躍的に広がります。
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RC-600
6トラック(ステレオ)
RC-505mkII
5トラック(ステレオ)
RC-202
2トラック(ステレオ)
RC-10R
2トラック(ステレオ)
RC-500
2トラック(ステレオ)
RC-5
1トラック(ステレオ)
RC-1
1トラック(ステレオ)
内蔵メモリ
録音されたフレーズは、その後どうなるでしょうか?エントリーモデルのRC-1では、セッションを開始する度に消去され、新たな録音に切り替わります。その後も録音したフレーズを披露できるように保存しておきたい場合は、内蔵メモリを搭載しているモデルが必要です。RC-5の時点で99のフレーズ・メモリーを備えており、さらにUSB経由でコンピューターにバックアップすることも可能ですが、上位機種であればより複雑なループ・フレーズを保存することが出来ます。
一覧
RC-600
99個(録音した6トラックのループ・フレーズとエフェクト、プレイバックの設定、コントロール・アサインの設定などを含む)
RC-505mkII
99個(録音した5トラックのループ・フレーズとエフェクト、プレイバックの設定、コントロール・アサインの設定などを含む)
RC-202
64個(録音した2 トラックのループ・フレーズとエフェクト、プレイバックの設定などを含む)
RC-10R
99個 + 50個の追加リズム・パターン
RC-500
99個
RC-5
99個
RC-1
保存不可
内蔵エフェクト
1973年以来、ギター用エフェクトにおいて世界最高のイノベーターであり続けているBOSS。LOOP STATIONの多くのモデルにも、BOSSならではの高品位なエフェクトが搭載されています。RC-1、RC-5、RC-500はアンプや外部ペダルによってサウンド・メイキングを行う必要がありますが、RC-600では49種類のINPUT FXと53種類のTRACK FXが内蔵され、それぞれ4種類を同時に使用することができます。
一覧
RC-600
49種類のINPUT FXと53種類のTRACK FX
RC-505MkII
49種類のINPUT FXと53種類のTRACK FX
RC-202
36種類のINPUT FXと40種類のTRACK FX
RC-10R
リバーブ(リズム・パートにのみ適用可)
RC-500
リバーブ(リズム・パートにのみ適用可)
RC-5
リバーブ(リズム・パートにのみ適用可)
RC-1
エフェクト無し
内蔵リズム
リズム・マシンを搭載したLOOP STATIONを選べば、ロック、ポップ、フォークからラテン、ジャズ、エレクトロニカ他、あらゆるジャンルの音楽に対応可能です。とりわけこの機能に特化したRC-10Rは、280種類のリズム・パターンと16種類のドラム・キットを内蔵しています。自然なグルーヴに合わせてループ・パフォーマンスを行いたければ、これは重要な検討事項です。
一覧
RC-600
200以上のリズム・パターンと16種類のドラム・キット
RC-505mkII
200以上のリズム・パターンと16種類のドラム・キット
RC-202
17のリズム・パターン
RC-10R
280以上のリズム・パターンと16種類のドラム・キット
RC-500
2つのバリエーションを持つ57種類のプリセット・リズムと16種類のドラム・キット
RC-5
2つのバリエーションを持つ57種類のプリセット・リズムと7種類のドラム・キット
RC-1
非搭載
拡張コントロールと入出力の豊富さ
耐久性の高いフット・スイッチ、直感的なノブ・レイアウト、暗いステージでも視認性の高いLCDスクリーンなど、LOOP STATIONは単体でも十分なスペックを備えていますが、より複雑なパフォーマンスを求めて緻密なコントロールが必要になった場合、エクスプレッション・ペダル等の外部機器と接続できるかどうかを確認する価値があるでしょう。
一覧
RC-600
フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応する2つのCTL端子、ファンタム電源対応の2つのXLRマイク入力端子、2つのステレオ・インプット端子、3つのステレオ・アウトプット端子
RC-505mkII
フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応する2つのCTL端子、ファンタム電源対応の2つのXLRマイク・インプット端子、2つのステレオ・インプット端子、3つのステレオ・アウトプット端子
RC-202
ファンタム電源対応のXLRマイク・インプット端子、フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応するCTL端子
RC-10R
フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応するCTL端子
RC-500
フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応するCTL端子
RC-5
フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応するCTL端子
RC-1
フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルに対応するCTL端子
USBとMIDIへの対応
LOOP STATIONをDAWに接続して使用することや、MIDIに対応するシンセサイザーと併用することはありますか?ほとんどのモデルはMIDIとUSB接続に対応しているため、データのバックアップ、WAVオーディオのインポート、DAWソフトウェアとの連携、BOSS TONE STUDIOの利用など、様々なことが可能となっています。
一覧
RC-600
MIDIによるコントロール、USB経由でのデータ・バックアップ、BOSS TONE STUDIOを使ったフレーズのインポート/エクスポート、RC Rhythm Converterによるリズム・パターンのインポートが可能
RC-505mkII
MIDIによるコントロール、USB経由でのデータ・バックアップ、BOSS TONE STUDIOを使ったフレーズのインポート/エクスポート、RC Rhythm Converterによるリズム・パターンのインポートが可能
RC-202
MIDIによるコントロール、USB経由でフレーズのインポート/エクスポート、DAWとの連携が可能
RC-10R
ステレオ・ミニ端子によるMIDI制御、USB経由でMac/Windowsに対応した専用ソフトウェアからSMFのリズム・パターンとWAVのループ素材をインポート可能
RC-500
ステレオ・ミニ端子によるMIDI制御、USB経由でのデータ・バックアップやWAVのループ素材をインポート/エクスポート可能
RC-5
ステレオ・ミニ端子によるMIDI制御、USB経由でのデータ・バックアップやWAVのループ素材をインポート/エクスポート可能
RC-1
非対応
お気に入りの1台を見つけよう
BOSS LOOP STATIONにはあらゆるプレーヤー、音楽スタイル、予算に対応するモデルがラインナップされていることが、お分かりいただけたでしょうか。
この記事を読んで、求めるルーパーのイメージが固まってきたら、ぜひ実際に店頭で試してみてください。きっとあなたのお気に入りの1台が見つかるはずです。