USB経由でDAWに接続すると、BOSS VG-800 V-Guitar Processorはソフトウェア音源を直接操作できるため、この機能を使えば、追加のハードウェアやソフトウェアを用意する手間や費用を省くことができます。この便利なVG-800の機能は、最新のBOSSギター・シンセサイザー(GM-800を含む)に搭載されている最先端のトラッキング・システムと同じものを利用しており、素早く正確なパフォーマンスを実現します。ここでは、この強力なVG-800の機能を実際にどのように活用するのかを解説します。
DAWでのギターからMIDIへの変換
BOSS VG-800 V-Guitar Processorには、ギターからMIDI、ベースからMIDIへの変換機能があります。この便利なピッチからMIDIへの出力(USB Type-C®およびTRSミニジャック)は、VG-800のすべての主要機能と同時に使用できます。手順は以下のとおりです。
DAWでオーディオ・トラックを選択するだけで、VG-800の音を録音する準備が整います。ソフトウェア音源のトラックを選択すれば、設定を変更することなく、ギターやベースから直接MIDIで演奏できます。BOSS BMIDI-1-35またはBMIDI-5-35(3.5mm TRS/5ピンDIN)MIDIケーブルを使えば、VG-800でハードウェアMIDIシンセも駆動可能です。
「DAWでオーディオ・トラックを選択するだけで、VG-800の音を録音する準備が整います」
ポリフォニック・ピッチベンドを可能にするには、受信側のシンセをMIDI MONO MODE(MIDI MODE 4)で動作させる必要があります。こうすることで、各弦が独立したモノ・シンセを別々のMIDIチャンネルで制御する形になります。VG-800のMIDI出力チャンネルは連続しており、ベーシック・チャンネルは1〜10の範囲で設定可能です。
もし受信側のシンセがMONO MODEに対応していない場合は、OMNI MODEに設定します。これにより弦ごとの独立したベンド機能は失われますが、それ以外は問題なく動作します。あるいは、VG-800のGK OUTジャックを使って、GM-800 Guitar Synthesizerなどの対応製品と接続することもできます。

ステージでの活用方法
ライブ・パフォーマンスでは、シンセ・サウンドをキーボード・アンプやPAスピーカーのような広帯域、フラット特性のアンプに通すのが最も良い結果を得られます。これにより、一般的なギター・アンプよりも低域と高域をうまく再生できます。アンプや音響システムはモノラルでもステレオでも構いません。
VG-800の場合、アンプの選択は主に使用するサウンドの種類によります。アコースティック系の音や1オクターブ下げた低音弦を多用する場合は、やはりフル・レンジ・アンプが最も良い音質を提供します。
「アコースティック系や低音弦を多用するなら、やはりフル・レンジ・アンプが最も良い音質を提供します」
一方、主に通常のギター・サウンドを使う場合は、エフェクト・ループ・リターンやメイン入力を通したギター・アンプで問題ありません。アンプに最適な出力プリセットを選び、VG-800のグローバルEQで音を微調整しましょう。出力設定には、ギター・スタックやコンボ・アンプなど様々なタイプに最適化するオプションがあります。VG-800はモノラル/ステレオの両方のアンプや音響システムに対応しています。
ボリュームとエクスプレッション・ペダル
ギターのボリューム・コントロールを頻繁に使うプレイヤーは、アンプ・モデリングの前に信号レベルをコントロールできるエクスプレッション・ペダルを追加すると、アンプ・モデルがギター・ボリュームに自然に反応します。逆に、全体の音量だけを調整したい場合は、アンプ・モデルの後にエクスプレッション・ペダルを配置します。
また、シンセサイザーのボリューム操作にはエクスプレッション・ペダルやアナログ・ボリューム・ペダルが最適で、必要に応じてギターの背後でフェードイン/フェードアウトさせることができます。