DM-2Wをエフェクター・ボードに追加すべき5つの理由

経験豊富なプレイヤーたちは、BOSSのDM-2W Delayがサウンドにどのような“魔法”をもたらすのか知っています。この記事では、DM-2Wをエフェクター・ボードに加えるべき5つの理由をご紹介します。

1 min read
DM-2Wをエフェクター・ボードに追加すべき5つの理由

長い間、経験豊富なギタリストたちは、サウンドに劇的な魔法を与えるヴィンテージのBOSS DM-2に魅了されてきました。それを裏付けるように、1984年に生産完了となったこのペダルは20年以上も前から中古市場で高値で取り引きされています。

2015年に発売された「技WAZA CRAFT」シリーズのDM-2Wは、DM-2と同じく温かみのあるアナログ・サウンドに加え、モダンな音楽スタイルに対応する高い汎用性を備えます。ペダル史に名高いディレイが完全に生まれ変わりました。

もちろん、オリジナルをご存知の方はすでにDM-2Wを手に入れて、その素晴らしいサウンドを楽しんでいることでしょう。しかし、このペダルがなぜアナログ・ディレイの中で特筆すべき存在なのかご存じない方のために、あなたのエフェクター・ボードに加えるべき5つの大きな理由をご紹介しましょう。

BBDが生み出す多彩なディレイ効果

DM-2Wは、BBD(Bucket-Brigade Device)を採用したオール・アナログ回路により、非常に豊かで充実したサウンドを実現しています。ダブリング、スラップ・バック、ロング・リピート・エコーなど幅広い音色に対応しつつ、BBDによるサウンドは鮮明で明瞭なデジタル・ディレイとは明らかに一線を画します。

デジタル・ディレイに対し、DM-2Wのディレイ・サウンドはやや不明瞭でロー・ファイなサウンドですが、この特徴はディレイ音の繰り返し回数が増えるごとに強まっていきます。そしてそれは、ディレイ ・サウンドにとって有意義なことなのです。

魔法のような効果

DM-2Wのディレイ・サウンドの最大の魅力は、ストレートなギター・サウンドを引き立てる点にあります。素晴らしいトーンを、さらに良いものにする魔法のような効果を生むのです。精細なデジタル・ディレイは時にはずむようなエコーを作り出し、それがプレイの邪魔になることも少なくありませんが、アナログのDM-2Wは極端な設定でも常に音楽性の高いサウンドであなたのトーンを彩ります。

BBDによるサウンドは、ディレイとリバーブの間を行き来するようなイメージです。トッププレイヤーの中には、リバーブよりアナログ・ディレイを好む人も多くいます(とはいえ、彼らは両者を上手に組み合わせることもできます。例えば、DM-2W DelayとRV-6 Reverbを組み合わせれば、より甘美なサウンドが得られます)。

デジタル・ディレイがアナログ・ディレイよりも劣っているわけではないことは、説明するまでもありません。ご存知とは思いますが、BOSSはデジタル・ディレイも開発しています。DD-500 Digital DelayはDM-2をはじめ、多彩なディレイ・サウンドを再現しています。これらはアナログ技術では成し得ないことです。

しかし、アナログ・ディレイには通常のデジタル・ディレイとは異なるユニークなサウンド・キャラクターを持ち、それぞれが特定の用途で本領を発揮します。

基本的に、温かみのあるレトロなサウンドに惹かれるのであれば、DM-2Wは充分な性能を発揮してくれるでしょう。シンプルなセッティングが好きな方であれば、DM-2Wはディレイのニーズをすべて満たしてくれるかもしれません。より多彩なディレイ・サウンドを求めるプレイヤーは、DD-8のようなデジタル・ディレイとDM-2Wをエフェクター・ボードに並べて、必要に応じ独特なDM-2Wのディレイと、クリアかつ超ロング・ディレイに対応したDD-8を使い分けることもあるようです。

伝統とモダンの融合

オリジナルのDM-2は、20-300msのディレイ・タイムとクラシックなBBDトーンを提供するシンプルなものでした。「技WAZA CRAFT」シリーズのDM-2Wは、モード・スイッチをS(Standard)に設定すると、シミュレートではない本物のDM-2のアナログ・サウンドを得ることができます。

BOSSのエンジニアは、DM-2Wをより現代的かつ汎用性の高いペダルにするために、カスタム・モードを追加。DM-2Wはモード・スイッチをC(Custom)に切り替えることで、アナログ独特の温かみのある音色ながら、より長いディレイ・タイムとクリアなトーンを実現します。

このようにDM-2Wは、StandardとCustomの2つのサウンド・モードを備えています。特にカスタム・モードではディレイ・タイムが3倍近い最大800msとなり、デジタル・ディレイの領域に近づいています。また、ディレイ・サウンドもアナログBBDの硬質な質感を残しつつ、スタンダード・モードよりやや明瞭になりました。カスタム・モードでは、リズミック・ディレイやドラマティックなエコー効果など、より幅広い表現が可能になります。

この2つのモードにより、DM-2WはオリジナルのDM-2よりも遥かに多様なシーンで使用できるようになりました。しかし、DM-2Wの革新性はそれだけにとどまりません。

エクスプレッション・ペダルで強烈なエフェクトを実現

DM-2Wは、RATE端子にエクスプレッション・ペダルを接続すると足元でREPEAT RATE、つまりディレイ・タイムを調整することができます。通常、ディレイ・タイムはノブを手動で操作する必要がありますが、演奏中に足元でディレイ・タイムを調整することで、斬新なリアルタイム・エフェクトを作り出せます。

演奏しながらディレイ・タイムを調整すると、まるで“ワープ”したようなサウンドが得られます。これは、ディレイ音のピッチが新しい設定へと移行する際に、継続的にシフトすることで発生します。REPEAT RATEツマミを手で微調整することでも可能ですが、演奏中に操作するのは困難ですよね。

長年にわたり、多くのクリエイティブなプレイヤーに使用されてきたこの興味深い表現は、初期のテープ・ディレイのタイム・コントロールによって編み出されました。DM-2Wにおいては、ディレイ・タイムが長いカスタム・モードでの使用が非常に効果的です。また、このワープ・サウンドを楽しんだあとは、INTENSITYツマミを上げた際に起こる鮮烈な自己発振も試してみてはいかがでしょうか。

さらにDM-2WはDIRECT OUT端子を備えており、ディレイ・サウンドとダイレクト・サウンドを2台のアンプに別々に出力することで、大きく広がりのあるサウンドを得ることができます。この機能は実はDM-3に搭載されていたもので、1980年代のDM-2の次世代後継機として、オリジナルのペダルと非常によく似た(しかし微妙にクリアな)サウンドを持っています。

DM-2WはRATE端子とDIRECT OUT端子を備えていますが、これはオリジナルのDM-2にはなかった機能なのです。

真のアナログ・トーン

BOSSは、アナログとデジタルの両分野で素晴らしい製品を数多く開発しています。どれも珠玉のサウンドで、互いにうまく調和しています。もしもあなたがアナログ至上主義であり、デジタル楽器がシグナル・パスにあることに神経質になっているのであれば、DM-2Wはピュア・アナログ・ドライ・スルーなので心配は無用です。

古き良きアナログ・ディレイのサウンドと操作性を愛するのであれば、DM-2Wはあなたのために作られたペダルと言っても過言ではないでしょう。DM-2Wは、他のデジタル・ペダルにユニークかつパワフルなトーンを補完します。

Jim Bybee

BOSSとRolandのシニア・グローバル・コンテンツ・ライター。ギターから、編曲、プロデューサー、オーディオ・エンジニアまでこなす、機材オタク。