Pedal Partners:コーラスと他のエフェクターを組み合わせましょう

Pedal Partners:コーラスと他のエフェクターを組み合わせましょう

コーラスと他のペダルを組み合わせれば、さらなる次元の扉を開くことができます。様々なエフェクターとの思い切ったペアリングを見ていきましょう。

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コーラス・ペダルの本来の役割とは、ギターの音に厚みを加えることです。そして豊かな音色を作り上げることができます。オーバードライブやディストーション、ファズと組み合わせれば、さらなる次元の扉を開くエフェクトとなるでしょう。またリバーブやディレイのような時間を操るペダルと組み合わせることで、幻想的なモジュレーションのさえずりを鳴らすことができます。ディレイのリリースやリバーブのディケイにコーラスをかければ、深みと暖かさ、そして個性が反映されます。ここでは、コーラスと他のエフェクトによるダイナミックな音作りを紹介します。

PEDAL COMBINATIONS

オーバードライブ

太くコクのあるギターの音色を作るなら、オーバードライブは最適なエフェクトです。しかし、時にはより一歩踏み込んだ音作りをする必要があることを、ギタリストは忘れないでください。オーバードライブ・ペダルを重ねることで、よりサチュレーションのかかった音色を作ることができますが、サチュレーションやゲインを増やすだけでは理想の音に届かない場合があります。

コーラスとオーバードライブの組み合わせは、音色を濁すことなくを加えることができます。コーラス・ペダルをさりげなく使うことでギターの音色に広がりと深みが生まれます。コーラスのデチューンの個性が強すぎる場合、比率を真ん中辺りに設定し、デプスを比較的低めに保つようにしてください。この方法でコーラスを使えば、より有機的で目立たない音色が実現し、オリジナルとユニゾンで演奏するギタリストのような音を追加することができます。

Ozzy Osbourneの“Miracle Man”で聞くことのできるZakk Wyldeのギターは、コーラスとオーバードライブの組み合わせを体感できる最適な例です。

おすすめのペアリング

  • BOSS DC-2W × DS-1W  
  • BOSS CH-1 × BD-2

ファズ

コーラスは、ファズのアグレッシブな相方としてもその魅力を発揮します。本来、ファズは折り重なった倍音とダークなサスティンが特徴的で、厚みがあり豊かな音色を作り出します。ここにコーラスを強めに加えることで、さらに深い、シンセのような音に仕上がります。この音は大胆なリフや壮大なコード、もしくは非人工的なリード・ギターとの相性が抜群です。コーラスのエフェクト・レートを遅く設定した場合、この組み合わせはその魅力を発揮しますが、デプスのコントロールをフル回転させると重厚でSFのようなギター音を鳴らすことができます。

おすすめのペアリング

  • BOSS CE-2W × FZ-1W
  • BOSS DC-2W × FZ-5

「本来、ファズは折り重なった倍音とダークなサスティンが特徴的で、厚みがあり豊かな音色を作り出します。ここにコーラスを強めに加えることで、さらに深い、シンセのような音に仕上がります」

ディレイ

ディレイにモジュレーションを掛け合わせることで、ディレイのリリース音に生き生きとした印象が加わります。コーラス・ペダルのデチューンをさり気なく使えば、デジタル・ディレイにアナログのテープ・ディレイのような個性を与えることもできます。テープ・ディレイの豊かで温かみのあるモジュレーション・テイルはもちろん、正確なタップ・テンポやさらに操作がしやすいデジタル制御を求めるギタリストにとって、非常に便利な機能です。

この場合、アンプのエフェクト・ループにあるオーバードライブとは別に、コーラスとディレイをケーブルで接続することを推奨します。別々に配線することで、コーラス本来の魅力を保ちながら、ディレイの効果を補うことができます。Princeの”Purple Rain”のギター・ソロは、より音楽的な音色を作るためにコーラスでディレイを強化させた代表例と言えるでしょう。

おすすめのペアリング

  • BOSS CE-2W × RE-202
  • BOSS CH-1 × DM-2W

リバーブ

幻想的で幽玄なサウンドスケープを作り出したいプレイヤーにとって、リバーブは理想的なエフェクトです。しかし、ディケイ・タイムを長くするだけでは退屈で平坦な印象になってしまいます。そこにコーラスを加えることで、リバーブのディケイに動きをもたらすことができます。緩やかな比率と馴染みやすいデプスを設定することで、揺らぎのあるデチューンを持つコーラスがリバーブのエフェクト全体に生き生きとした深みを加えます。

この組み合わせは、それぞれのペダルに相互作用します。通常、リバーブよりもコーラスを前段に配置することで絶妙な効果を作ることができます。リバーブの人工的なディケイは影響を受けませんが、ギターの自然なディケイはコーラスの移り変わる音色を持続させることができます。

ペダルの順番を逆に配置すると、コーラスがリバーブの残響音とギターの自然体なディケイに影響を与えます。その結果、音全体が少し濁った印象になるでしょう。しかし、サウンドスケープを追求する人にとっては魅力的な方法となり得ます。コーラスのゆったりとした音の変化は、リード・シンセのような音色を奏でます。優しくコードを弾くだけで、モジュレーションのかかったリバーブがその後の残響音を作り出してくれます。

おすすめのペアリング

  • BOSS CE-5 × RV-6
  • BOSS CH-1 × RV-500

「幻想的で幽玄なサウンドスケープを作り出したいプレイヤーにとって、リバーブは理想的なエフェクトです。そこにコーラスを加えることで、リバーブのディケイに動きをもたらすことができます」

Setups

ペダルボードでの設定

通常、モジュレーションの配置場所はペダルボードの中央です。オーバードライブやディストーションをモジュレーション・ペダルの前方に、ディレイやリバーブを後方に置きます。また、コーラスはペダルボードの中心に来るだけでなく、ギターの音色においても中心的な存在となります。クリーンな音色の変化球として見事に役立ち、ほぼ全てのエフェクターとの相性が良いのもコーラスの魅力と言えます。The Cureのようなバンドが演奏中、常にコーラスを鳴らしているのも納得できます。

エフェクト・ループでの設定

アンプに接続する前のペダル・チェーンに組み込むことが一般的ではありますが、コーラスをエフェクト・ループに通して使用することもできます。これは澄み切った音作りを目指すギタリストが好む方法です。他のモジュレーションのエフェクトと同様に、コーラス・ペダルを使えば全体の音量を上げることができます。オーバードライブを強化したい場合にも望ましい方法ですが、もしコーラス・エフェクトのみで音作りをするのであれば、ペダルをエフェクト・ループに通しましょう。

「コーラス・ペダルを使えば全体の音量を上げることができます。オーバードライブを強化したい場合にも望ましい方法です」

必須アイテム

コーラスはペダルボードに欠かせない存在です。単体でも素晴らしい音を奏でますが、より慎重に使用することで、他のエフェクトの可能性を広げ、音の厚みを増し、個性を加え、シャープな印象を生み出し、音を再構築することができます。

BOSSのコーラス・ペダル・シリーズには、あらゆる用途に最適な幅広い機能が用意されています。ヴィンテージ風のCE-2WやDC-2Wから、モダンで汎用性の高いCE-5やCH-1まで、コーラスはあらゆるプレイヤーのペダルボードに欠かせません。

Joe Branton

JoeはポッドキャストGuitar NerdsのMCを務め、10年間に渡って毎週放送を続けてる世界で最も配信を行っているギタリストの一人です。